ピンチはチャンス


 東日本大震災の影響で,納入がストップ,生産が停止しそうだと予測しておられる中国工場がある.納入先が被災して生産が止まっている.納入先のベンダーが被災しており,生産が継続できない.さまざまな理由で,生産を止めざるを得ない工場も多いのではないだろうか.

198号のメルマガで,生産が止まる時こそチャンスだと書いた.生産が止まっている時に,徹底的に生産改革をするのだ.ライン稼働中には出来ないレイアウト変更.人海戦術を脱皮して,セル生産方式を導入する.ピンチをチャンスに逆転する発想が必要だ.

随分昔のことだが,自社の生産工場をインドネシアに立ち上げたとたんに,予定していた受注がストップしてしまったことがある.立ち上げたばかりの工場に生産を回せない.来る日も来る日も採用したばかりの作業員の訓練をした.その結果,一期生の作業員は生産を始める前から,多能工になっていた.そして量産を始めた時から,すばらしい工場になった.一期生の作業員は皆優秀な現場監督者になった.意図したわけではなかったが,受注ゼロのピンチがチャンスに変ったのだ.

別のチャンスが訪れている工場もある.

細々と板金プレス加工をしている日本の工場がある.東日本大震災の被災地に建設する仮設住宅用の蛍光灯照明器具の反射板の受注が一気に来たそうだ.元々生産量が少ないので手加工で生産していた.そこに一気に大量注文が舞い込んだ.生産が追いつかない.しかし金型を新規に製作しても,投資を回収できそうもないと悩んでおられるそうだ.

これは中国でモノ造りをしている我々にもチャンスだ.中国で安価な金型を作り,輸出してあげれば日本を救うことが出来る.

こういうチャンスが,他にいくらもあるような気がする.
震災による景気の行方を心配したところで,どうにか出来る訳ではない.心配するより,行動することが重要だ.

この大ピンチをチャンスに変える方法を考えよう.
ピンチを変えれば(Change)チャンス(Chance)となる。


このコラムは、2011年4月11日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第200号に掲載した記事に加筆修正しました。

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