貧賤に留まる覚悟


yuē:“guìshìrénzhīsuǒdàozhīchùpínjiànshìrénzhīsuǒdàozhījūnrénchéngmíngjūnzhōngshízhījiān(1)wéirénzào(2)shìdiānpèi(3)shì 。”

《论语》里仁第四-5

(1)终食之间:食事を済ますだけの時間。わずかな時間。
(2)造次:とっさの時。
(3)颠沛:危急の時。

素読文:
子曰わく:“とみたっときとは、これ人のほっする所なり。その道をもってせざれば、これるともらざるなり。ひんせんとは、是人のにくむ所なり。その道を以ってせざれば、これるとも去らざるなり。君子は仁を去りて、いずくにか名をさん。君子は終食しゅうしょくかんも仁にたがうこと無く、造次ぞうじにもかならここおいてし、顚沛てんぱいにもかならここおいてす。”

解釈:
人は富や地位が欲しいものだ。しかし道に外れた行いでそれを得たのであれば、富や地位を享受すべきではない。人は貧困や卑賤を厭うものだ。しかし道を誤ってそうなったのでなければ、無理にそこから逃れようとすることはない。君子たるもの仁を忘れて君子の名に値せず。君子は束の間も仁に背かぬ様に心がけるべきだ。それどころかとっさの時、危急の時にも仁の道を外れてはならない。

下村湖人は『终食之间』を箸の上げ下ろしの間と解釈しています。一瞬たりとも仁の心を忘れない、という心が伝わる解釈だと思います。