統計的品質管理 p管理図・c管理図


不良率の様に二項分布に従う計数値は、p管理図で管理をします。例えば機能検査での不良率などをp管理図で監視できます。また監視するロットサイズが毎回同じであれば、不良率を計算する手間を省き不良数だけをプロットすればOKです。これをpn管理図といいます。

また単位面積当たりの欠点(傷など)はポアソン分布をしており、c管理図で管理をします。検査対象の単位が毎回変わるときには、欠点率を計算してやらないとだめです。この欠点率をプロットしたのがu管理図です。

xbar-R管理図と同様に、何ロットかサンプリングしたデータから上限限界と下限限界を計算します。管理図の見方もxbar-R管理図と同じですが、以下の2点について注意をしなければなりません。

  • 下限管理限界
     計算上下限管理限界がマイナスになれば、下限限界を設定する必要はありません。しかし普通に考えると、不良率は少なければ少ないほどよいので、下限限界というのは必要なのかと疑問を持ちませんか?
    工程能力が同じであれば、確率分布に従って不良が出るはずです。従って下限限界を超えてしまったら、検査がきちんと機能していないと考えるべきなのです。
  • リアルタイム性
     これらの管理図は、リアルタイムには監視できません。半日とか一日の仕事が終わって初めて不良率の計算ができます。従ってこれに頼りすぎていると、不良をたくさん作った後で、変だったよね、と手遅れになります。従って同じ不良モードが2件続けて発生したら工程をとめて原因を追求するくらいの迅速性が必要です。

ある工場でpn管理図を見せてもらったら毎日管理限界が階段状に変化しています。管理限界の値を毎日のロットで再計算しているのです。これではまったく意味がありません。絶対管理限界を超えることはありえません。
(p管理図の場合は、生産数量によって管理限界が変動します。ただし管理限界値の計算は、工程が安定した状態で一定期間の実績から求めます)

統計的品質管理もただの道具です、使い方を間違えれば意味がないだけではなく、とんでもない間違いを犯す可能性もあるのです。