孔子

学びて思わざれば則ち罔し


yuē:“xuéérwǎngérxuédài。”
子曰く:“学びて思わざれば則ちくらし。思いて学ばざれば即ちあやううし。”

論語《為政二ー十五》にある一節だ。
書を読み学んでも、自ら考えなければはっきり理解できない。
考えるだけで先人の知恵を学ばなければ、その知恵は危うい。
と言う意味だ。つまり書物や他人から学ぶ、自分の経験に照らして考える、この両面を通して初めて役立つ生きた知恵になる、と理解したらよかろう。

『学』書籍や他人から理論を学ぶこと。
『思』自ら考えること。
と解釈するのが普通だろう。

しかし私はここで珍説を唱えたい(笑)

書を読み学んでも、自ら実践しなければはっきり理解できない。
実践するばかりで、先人の知恵を学ばなければ得られる成果は危うい。

『思』を実践と解釈してみた。
知識を蓄えることができても実践しなければ、成果を生む知恵とはならない。
理論や先人の知恵を無視して手当たり次第に実践しても、うまくはゆかない。

生産現場の改善活動を見ていてこのように感じる。

理屈ばかりこねていて行動しない。
できない理由ばかり並べる。
聡明で理論肌だが行動しない。こう言う人が『学而不思』だ。

闇雲にやってみる。
失敗した時に失敗原因を究明せずにトライアンドエラーを繰り返す。
行動力はあるが論理立てて考えるのが苦手。こう言う人が『思而不学』だ。

学而不思派の人は指導するのが骨が折れる。
自分は頭がいいと言う自覚がある。しかもチャレンジをしないので失敗しない(苦笑)
従って自分の足りていないところになかなか気がつかない。

逆に思而不学派はちょっとしたきっかけで成長する。
闇雲に挑戦するので失敗が多い。
従って失敗の原因を考えさせる、成功事例を教えることができる。こう言う人には、ちょっと立ち止まらせてヒントを与えることで伸びる。


このコラムは、2018年5月14日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第666号に掲載した記事に加筆しました。

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