前回の記事で「ホウレンソウ」がうまくできないのは,部下の能力育成が足りないからだと書いた.しかし何でもかんでも「ホウレンソウ」をしてくるのも問題だ.
特に幹部・幹部候補生がしょっちゅう「ホウレンソウ」をして指示を受けるというのはいただけない.
何か判断をしなければならない局面に遭うと,すぐに上司の指示を仰ぐ.これではいつまでたっても幹部としての仕事はできない.
中国の工場でこういう幹部をよく見かける.指示を受ければきちんと仕事をするが,自分で判断したがらない.一見仕事を嫌がらずにきちんとこなす,上司とのコミュニケーションもよい.しかしこれでは幹部としての仕事は任せられない.
実はこのような行動に出る部下の心理は「責任回避」が働いている.
仕事をしてうまく行かなくても指示をした上司の責任であり,自分は指示に従って一生懸命仕事をしたのだから責任はない,という考え方である.
指示にはよく従う.上司の受けのよい報告ばかりする.こういうYESマンばかりでは「ホウレンソウ」はうまく働かない.
「ほうれん草」が「酸性土壌」ではよく育たないのと同じように,「ホウレンソウ」も「賛成土壌」では育たないのだ.
前回の記事はこちらから「ホウレンソウ」