生産管理システムを販売している会社が、モノ造りに関する川柳を毎年募集している。昨年優秀賞を受賞した一句に
「ドラマ見た 次の日みんな 阿部寛」
という川柳があった。
池井戸潤の「下町ロケット」のTVドラマを言っているのだろう。
【大田区の零細企業・佃製作所の下町ロケットシリーズ】
「下町ロケット」帝国重工のロケットエンジンに搭載されるバルブの開発
「下町ロケット・ガウディ計画」人工心臓弁の開発
「下町ロケット・ゴースト」自動変速装置の開発
「下町ロケット・ヤタガラス」農業用トラクターの変速機開発
下町零細下請け企業の開発をテーマに池井戸潤が書いた小説だ。
零細企業でありながら、その技術力によって大企業のエゴや悪事をはねのける。そんなストーリィに、読者(視聴者)は佃製作所の社長・佃航平(阿部寛)に感情移入するのだろう。
設計技術が優れている。製造技術が優れている。市場規模が小さい。
この三つが重なったエリアで、零細企業は戦いを挑む。
零細企業と言えど、範囲を限定すれば設計技術・製造技術で他社に負けない分野があるはずだ。そして市場規模が小さければ、大企業は参入してこない。
逆説的な言い方になるが「弱者の強み」が「佃品質」「佃プライド」なのだと思う。
余談だが「下町ロケット」シリーズは朗読サービス(Audible)で聞いた。
朗読サービスのメリットは、移動時間にも読書(聴書?)ができることだ。
このコラムは、2019年5月27日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第828号に掲載した記事に加筆しました。
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