努力すれば報われる?


 「努力すれば報われる」多くの人がそう信じて努力をしておられると思う。
子供の頃から「努力」の重要性を教えられ、努力をすれば必ず望ましい結果を得ることができると信じてきた。しかし長年生きていると、努力しても報われない経験を何度も体験してしまう。

野球が大好きで、プロ野球選手になりたくて一生懸命努力した。しかし甲子園大会にすら出ることはできなかった

スチュワーデスになることを夢見て努力したが、JALの破綻でスチュワーデスの採用枠が極端に縮小してしまった。

製造現場で仕事をしたくて工学部で一生懸命勉強したが、営業部に配属された。

努力より、能力、タイミング、巡り合わせで決まってしまうことの方が多い。
世の中そんなに甘くはない、努力だけでは報われない。そんな声が聞こえる。

確かにプロ野球選手になりなかった少年は、努力が足りなくてプロ野球選手としての能力が十分でなかったのかもしれない。
しかしスチュワーデスになりたかった女性や、工学部出身の若者のケースは自分の努力以外のところで夢が叶わなかった、と考えることができる。
従って「努力すれば報われる」は、青少年に努力の大切さを伝えるための言葉でしかないのだろうか?

私はこの言葉の理解(因果関係)が間違っているような気がする。
「努力すれば報われる」のではなく「報われるまで努力する」
が正しい理解だと考える。


■■ 編集後記 ■■

最後まで読んでいただきありがとうございます。いつもより長文です。お暇な時にでも…

 2月19日、東莞から日本に戻りました。
移動の制限、濃厚接触の回避策、感染の疑いがある者の早期発見対策などなど、中国広東省の感染拡大防止対策は有効に機能しているように思えます。
アパートの窓から見下ろす大きな商業施設の周辺は人影はほとんど見えません。間引き運転の地下鉄にも、乗客はまばらです。被感染の危険性はあまり感じられませんが、アパートに篭っているだけで仕事がありません。お客様はそれぞれ少ない従業員で生産を立ち上げるのに精一杯です。私の出番はありません。
そんなわけで一旦撤退を決断し、日本に戻ってきました。

地下鉄、バスを乗り継いで広州白雲空港に行きました。東莞南城発の空港バスは平時1時間に2便ほどあったはずですが、1日9便に減っています。地下鉄も大幅減便。それでも地下鉄、空港バスともガラガラです。「濃厚接触」にならないよう距離を置いて乗車できます。その上にマスク二重、ゴーグルで完全武装。

国外に脱出する中国人で空港は混雑していると予想してましたが、ほとんど人はいません。ラウンジも職員はほとんどおらず、飲み物、食事のサービスも最小限となっていました。

JALはいつもより小さな機体を使っていましたが、ガラガラ。平時と違い他の乗客との距離を置くため、後方の座席を予約しました。最後方の中央4座席が埋まっていたので、一つ前方の席を予約していました。しかし搭乗して見ると、最後列4座席は乗客はいません。急にキャンセル?空港での健康チェックで搭乗できなかった?色々疑念が湧きましたが、とりあえず安全サイドです(笑)

羽田空港着陸時に東京湾の中程に大型クルーズ船が見えましたが、問題の客船かどうかはわかりません。

二重マスクとゴーグルでモノレール、JRと乗り継ぎ新宿に出ました。

新宿で私の前方を歩く一団はビックカメラの大きな袋を提げていました。会話から中国人旅行客とわかりましたが、一人もマスクをしていません。
日本は安全と信じ込んでいるのでしょうか?しかし自分が感染しているリスクを考えれば、最低でもマスクをすべきです。
やはり中国の方が安全かもしれないと嘆息しました。

新宿からは濃厚接触のリスクを減らすため、奮発して特急列車で帰りました。
自宅では自主的に宅内隔離生活をしています。たくさん読書ができそうです。


このコラムは、2020年2月24日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第945号に掲載した記事です。

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