先週の記事「抵抗勢力」に広東省・仏山にお住まいのN様からメッセージをいただいた.
抵抗勢力”を読ませていただきました。
現在広東省仏山市に駐在して仕事をしています。
今年の4月末から仕事をしていますが、最初の2ヶ月は”抵抗勢力”に 悩まされました。現在はその抵抗も無く、徐々にに改革改善改新が遂行され ています。しかし、そのスピードは日本に比べて非常に遅いです。
まあ、会社、あるいは従業員に価値有ることを伝えられれば幸いと思ってます。ここに、貴社の益々のご繁栄を、祈念いたします。
N様は工場長として仕事をしておられるが,着任して2ヶ月で抵抗勢力を改革に向かわせたと言うことは,素晴らしいことだと思う.今は改善の速度が遅くとも,どこかでブレークするはずだ.
倒産の危機にあるような会社では,自ずと改革に向けるエネルギーが高まる.
例えば,血を流し瀕死の状態で病院に運ばれた患者は,医師や看護師の言うことは何でも聞くだろう.しかしじわじわと病状が悪化している患者は,健康に対する関心が高くなければ,医師や看護師の言うことに実感を持たない.
人間は,今までの習慣を変えることに恐れを持つものだ.
その恐れに打ち勝って改革エネルギーを高めるには,二つの方法がある.
一つは,先週お話したように,未来に対する夢を持つことだ.
変化に対する恐れよりも,夢に対する希望が大きければ,改革エネルギーとなる.
もう一つは,現状に対する危機感を持つことだ.
変化しないことの危機を正しく理解すれば,変化に対する恐れより,変わらないことの恐怖が大きくなる.
外の環境は常に変化している.
経済環境.社会環境.顧客の市場環境.同業他社との競合環境.仕入先の業界環境.などなど常に変化している.そのような外部変化環境下で,自分自身が変わらなければ,相対的に退歩の道をまっしぐらに進んでいるのと等しい.
徐々に温度が上がるぬるま湯に使っている蛙は,そのうち茹で死んでしまう.しかしいきなり蛙を熱湯に入れれば,飛び出る.
組織を変化に対してぬるま湯にしないこと.清流のように常に清らかな水が循環している組織は,変化に対して敏感になるはずだ.
外界の変化に対し感度が低い者を,井の中の蛙という.井戸の中ならば,温度は一定,外界の天敵もいない.しかし本当は井の中の蛙ではなく,釜の中の蛙だ.
私たちは,常に変化に直面する,清流に住む蛙でありたい.
このコラムは、2011年1月3日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第186号に掲載した記事です。
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