日本人と中国人は異なるリーダー像を持っているらしい。
深圳日本商工会で、コーチングについて講演をしていただいたコーチ・エイの講師から伺った。詳細をットで調べてみると、講師の方が説明した元データが公開されていた。
15カ国を対象として、組織とリーダーに対する価値観を調査したデータだ。
ご興味がある方は、是非ご参照いただきたい。
「組織とリーダーに関するグローバル価値観調査」
講師による説明は以下の様だった。
日本人はリーダーに対し「戦略性」を重視する。
中国人はリーダーに対し「戦略性」をあまり重視していない。
中国人はリーダーに対し「権限移譲」を重視する。
日本人はリーダーに対し「権限移譲」をあまり重視していない。
調査資料には、各国のアンケート回答者(25~39才一般職員、100名)が考える理想のリーダー像、各自が所属する組織リーダが考えるリーダー像の二通りの分析結果がある。
一般職員100名が考える理想のリーダー像は、以下の様になっている。
日本:
1位。責任感が強い。
2位。人の話を聞く。
3位。決断力がある。
4位。人を育成する。
5位。常に学んでいる。
中国:
1位。責任感が強い。
2位。人の話を聞く。
3位。チーム力を高める。
4位。決断力がある。
5位。戦略的である。
日本人と中国人が考えるリーダー像は、責任感が強い、人の話を聞く、決断力
がある、が上位5位に入るのは同じ。
違いは日本人は、人を育成する、常に学んでいる、を入れているが、
中国人は、チーム力を高める、戦略的である、を入れている。
各々の実際のリーダが考えるリーダ像は以下の様になる。
日本:
1位。戦略的である。
2位。発想が豊かである。
3位。謙虚である。
4位。人の話を聞く。
5位。権限委譲できる。
中国:
1位。権限委譲できる。
2位。発想が豊かである。
3位。ビジョンを示す。
4位。人の話を聞く。
5位。指示が明確である。
日本人リーダーは理想のリーダを戦略的だと思っているが、一般職員は理想のリーダーに戦略性より「決断力」「成長(部下も自分も)」を求めている様に見える。一方中国人リーダーは「指示が明確である」ことが理想のリーダ像に入っている。権限委譲がトップであるのと矛盾している様な気もする。
日本人経営者に、中国人は指示をしないと行動しない、と感じておられる方が多いと思うが、この結果がそれを象徴しているのかも知れない。
従って、講師が解説したリーダー像は以下の様に修正した方が良さそうだ。
日本人リーダーは「戦略性」を重視している。(1位)
中国人リーダーは「戦略性」を重視していない。(11位)
中国人リーダーは「権限移譲」を重視している。(1位)
日本人リーダーは「権限移譲」をあまり重視していない。(5位)
日本人も中国人もリーダーに対し「戦略性」を重視していない。
日本人も中国人もリーダーに対し「権限委譲」を求めていない。
このコラムは、2017年3月27日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第521号に掲載した記事です。
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