違いに着目する


 以前のメールマガジンで、均一性国家・日本が多様性国家とどう付き合うかと言うテーマで考えた。

「違いを認識する」

「出る杭は打たれる」「雉も鳴かずば撃たれまい」が常識の均一社会日本では、極力「違い」を隠し、他者の「違い」には目を向けないのが処世術の基本だ。

しかし中国を含む世界の大半は多様性社会だ。
横並び断固反対、出る杭は伸ばせ、が自己成長、多様性社会の成長原動力だ。
多様性社会に適応するためには、「違いに目を瞑る」のではなく「違いに着目」することだ。違いを無視したり抑圧しても、対立が発生するだけで何も改善しない。違いの原因、違いを活用する方法に着目すれば、調和と改善が得られる。

均一社会では違いは差別となる。
多様性社会では違いは気づきとなる。

設備の稼働点検は「いつもと同じ」ではなく「いつもと違う」を探す方が感度が高くなる。設備の稼働は正常・異常・故障の状態がある。いつもと同じは、故障していない。いつもと違うは正常ではない。異常はいつもと違うに含まれる。故障する前に異常を発見するためには「いつもと違う」を探すことだ。

ベテラン作業員と新人作業員の生産性の違いは簡単に測定できる。同じ基準を使えば評価は簡単・正確になる。しかし生産性を数値評価しても、何もわからない。動作の違いに着目すれば、改善方法が見つかる。

参考:「ポカミス」


このコラムは、2020年7月6日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1002号に掲載した記事です。

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