若手中国人リーダ


 大手日本企業の中国工場で働くC君は、会社の現地化政策によりこの4月から副工場長に昇格した。

初めて彼と会ったとき生産現場の指導で「ここはこうしたらどう?」と質問をしたら「実は同じことを上司に提案しました」と切り替えされた。よくいる口先だけは立派な事が言えるが、行動が伴わないタイプかなと思ってしまったが、どうも違ったようだ。その後彼と一緒に現場で指導をしていて分かった。

訪問指導日の朝、ミーティングの時に「今日の課題」を彼から言って来る。簡単なことのようだが、これができる中国人若手リーダはそうはいない。与えられた課題をこなす事が出来る人はいくらでもいるがいつも物足りなく感じていた。

自ら課題が提起できるのはリーダとして重要な資質だ。

またC君は全く遠慮なく私をこき使ってくれる(笑)
今まで指導した工場で中国人リーダから直接質問や依頼のメールを受けることはなかった。彼は「○○をコストダウンしたいが、良い方法(材料)はないか」とどんどん私に仕事をくれる。

他部署の力をうまく借りる人間性も備えているようだ。

職場では部下の作業員を集めてしょっちゅうミーティングをしている。面白いのはミーティングが終わるときに、自分がポンと一つ手を叩くと参加者が「了解」の合図のように全員でポンと手を叩くようにしている。まるで決起集会のあとの一本締めのようだ。

C君は自分の部下ではないが、このような人材と一緒に仕事が出来て彼の成長の手助けができれば、こんな光栄なことはない。


このコラムは、2009年4月13日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第93号に掲載した記事です。

【中国生産現場から品質改善・経営革新】は毎週月・水・金曜日に配信している無料メールマガジンです。ご興味がおありの方はこちら↓から配信登録出来ます。
【中国生産現場から品質改善・経営革新】