ダイアモンドオンラインに「中国でのビジネスは“潮時”引き際でも悶絶する日系企業」と言う特集コラムがあった。
長文なので引用をしないが、ご興味がある方はご覧いただきたい。
ローコスト生産国ではなくなった中国で生産を継続する意義がなくなった工場が、中国を撤退する際に、多くの困難に出会っていると言う。法人格を持たない来料加工だった頃は、工場設備などが地方政府の財産と見なされ、設備の引き上げに苦労させられた、と言う話を良く耳にした。
このコラムでは、工場をたたむ時に従業員に支払う経済補償金問題について、「撤退は中国人従業員の暴挙・暴動と背中合わせ」と触れている。つまり法定の経済補償金額に「色づけ」する金額の多少により、従業員が暴徒となる、と言っている。
対策として、法律家のアドバイスを紹介している。
- 日本企業のような民主的解決は避ける。
- 計画・時期・金額は秘密裏に決める。
- 一度、案を示したらそれを曲げない。
- 提示から合意まで一気呵成に行う。
- 従業員を団結させずできるだけ分散させる。
もし今済々と中国工場を経営している経営者がこのアドバイスを聞いたらどう感じるか大変興味がある。
この様な考えでは、撤退時に従業員から突き上げを食らうだろう。
工場を閉鎖する、しないに関わらず、従業員がいつかは退職する事は、初めから分かっている。それのための資金を内部留保として積み立てておくのが、普通の感覚だ。
上記5項のアドバイスには、従業員を信じる姿勢が欠落している。
会社経営は、経営者と従業員の信頼関係の上に成り立つ。経営者は、仕事を通して従業員が成長し、仕合せになる事を目的とする。従業員はそれに応えて能力を上げ、業績に貢献する。この様な信頼関係の下で経営をすれば、従業員は、常日頃から経営者に対して感謝の気持ちを持つはずだ。
経営の成果は、従業員の感謝の気持ちに比例する。
ローコスト生産国中国で「中国人を使ってやる」と言う上から目線の経営では、世界の市場に変わった中国で「顧客(中国人)にモノを売る」と言う変化に対応出来ず、撤退することになる。
中国でのビジネスには確かに「潮時」が来ている。
それは、ホンモノだけが残って行くと言う流れだ。残ったモノの価値は上がる。
このコラムは、2014年3月17日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第353号に掲載した記事です。
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