昨年9月5日、横浜市神奈川区の踏切内で京急電鉄の電車とトラックが衝突。電車は脱線横転。死者1名、重軽傷者30名の大事故が発生した。
本件に関して、運輸安全委員会は調査継続中であり2020年10月4日現在まだ事故原因報告書は公開されていない。
事故発生経緯は以下の通り。
道に迷った大型トラックが狭い道から右折して踏切に進入。曲がりきれずに、踏切から脱出するため切り返しを繰り返しているうちに列車と衝突した。列車は前方3両目まで脱線横転した。
この事例の根本原因は大型トラックが線路脇の細い道に迷い込んだ、という事だ。運輸安全委員会は調査で、トラック運転手から聞き取りをしているはずだ。非常に興味があり、いろいろ調べてみた。ネットを検索してわかったことは、横浜の人たちは道路名を次のように略称で呼ぶそうだ。
「イチコク」:国道15号線(第一京浜道路)
「ニコク」 :国道1号線
トラック運転手は、積み荷を受け取った(または降ろした)後次の目的地に行くために、倉庫の人に道を聞いたのではなかろうか?そこで「イチコク」に出て〇〇方面に……と教えらる。本来国道15号線に向かわなくてなならないところを国道1号線方面に行ってしまった。ということではなかろうか?
運輸安全委員会の報告書が出れば、仔細は判明するだろう。
しかしこのミスは我々にも無関係ではない。聞き間違いや部署内の符牒が原因となり思わぬミスが発生する可能性はある。
以前イチョウの実(銀杏に果肉がまだついている状態)を拾った人に「かぶれますよ」と注意したら、イチョウの実をかぶりついたことがある。関西弁では「かぶる」は「かじる」の意味だとその事件で知った。
落語にも、客と見習い古物商のやりとりで「その股引ちょっと見せてくれ」という客に対して「これはションベンできないよ」と答えるくだりがある。
ものづくりの現場でも色々な符牒、隠語がある。「ネジの頭なめちゃった」「ネジをかじった」などと言われて驚く人もいるだろう。
【注】
落語の「ションベン」は返品の意味です。
「最後はちょっとケツをまくっといてくれ」と女性に言ったら気分を害されるに違いありません。
このコラムは、2020年7月29日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1012号に掲載した記事です。
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