学習する組織


 人間は本来「学習する動物」だ。子供の成長を見れば明確だ。子供は旺盛な好奇心と学習意欲を発揮して、社会生活に必要な知識や知恵を学んでいく。しかし残念ながら、子供の頃に発揮された学習意欲は年齢とともに衰える。

学習意欲を減退させる典型的要因は、所属する組織が慣例重視で保守的であるということだ。慣例重視・保守的な組織で働くうちに、子供の頃に発揮できた学習意欲は減退する。
「仕事の効率を上げる」「顧客に喜んでもらう」という動機に支えられた提案が先輩や上司の保守的な慣例主義に否定され、提案する気力がなくなる。
新しい知識を取得しても仕方がないとメンバーが感じてしまう。提案するための学習意欲は無くなる。

逆に学習する組織の顕著な特徴は「組織が創造的かつ革新的である」ことだ。
「組織の創造性と革新性」と「メンバーの学習意欲」は互いに因果関係を伴う強い相関関係にある。

つまり「メンバーの学習意欲が高い」から「組織の創造性と革新性は高まる」そして「組織の創造性と革新性が高い」から「メンバーの学習意欲は高まる」ということだ。


このコラムは、2020年7月24日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1010号に掲載した記事に加筆しました。

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