フェアネス


 企業のデータ捏造、役人の受託収賄など最近の日本では不祥事が相次いでいる。日本の社会が堕落し始めているように思えてならない。

「君子徳を思い、小人土を思う。
 君子刑を思い、小人恵を思う。」
《論語 里仁第四・11》

君子は徳を磨く、小人は財産にこだわる。
君子は法規に従い、小人は恩恵を求める。
2500年前に孔子が言った言葉だ。

企業や社会がまず守らねばならないのはフェアネスだ。
野心を捨てるべきだ、というつもりはない。しかし野心を超えたフェアネスが
あるべきだと思うが如何だろうか?

聖人君子の真似事をしていれば、競合に敗れてしまうという危惧もあるだろう。
しかし孔子はこうも言っている。

徳は孤ならず、必ず隣あり。
《論語 里仁第四・25》

企業のデータ捏造や役人の受託収賄が表沙汰になるのは、内部告発がるからだ
ろう。徳のある者がまだいるという証なのかもしれない。

野心を優先させる国や企業はひと時の繁栄はあるかもしれないが、フェアネス
を志す国や企業に淘汰されるはずだ。

「リストラなしの『年輪経営』」塚越寛著


このコラムは、2018年7月9日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第690号に掲載した記事です。

【中国生産現場から品質改善・経営革新】は毎週月・水・金曜日に配信している無料メールマガジンです。ご興味がおありの方はこちら↓から配信登録出来ます。
【中国生産現場から品質改善・経営革新】