景気と改善コンサルの仕事


 私は現場改善の仕事をしている.お客様の工場に出かけ,生産性や品質の改善を現場で進める仕事だ.

面白いことに,景気が悪くなると改善コンサルの仕事が増え,景気が回復すると改善コンサルの仕事は減る.08年11月から徐々に仕事が増え,09年はかなり忙しかった.しかし09年の11月頃から,仕事が減ってきている.

お客様の工場は,受注が増え改善どころではなくなってきた,ということなのだろう.それはそれでめでたいことなのだが,忙しさに負けて改善を後回しにすると後で苦労することになる.
今は作業員が足りていない状況だ.徹底的に改善をし,少人数でも生産できる体制を構築する必要が有る.

最近は改善コンサルの仕事は減っているが,社内研修の仕事が増えている.最近発生した,フォックスコンの連続自殺事件や,自動車部品メーカでのストライキの影響なのだろうか.お客様が,従業員の教育に力を入れ始めているのを,肌で感じる.

改善も従業員教育も,重要な仕事である.しかし一刻を争う仕事ではない,「重要だが急ぎではない仕事」だ.こういう仕事は往々にして,後回しになる.「重要だが急ぎではない仕事」は計画を立て,計画に従って進めるのが良い.
計画なしにいつかやろうと考えていると,時機を逸してしまうことがまま有る.


このコラムは、2010年7月19日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第162号に掲載した記事に加筆修正しました。

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