東京大学の山崎俊彦准教授の「魅力工学」という記事を目にした。
婚活サイトのデータを活用しAIで婚活に有効なプロフィールの書き方、顔写真の撮り方を分析したそうだ。
詳細はよくわからないが、婚活サイトでの「いいね」や連絡先の交換の件数を指標にして、多変量分析をしたのだろう。
「いいね」の件数とプロフィールのキーワードとの相関を分析する。
例えばプロフィール内の「海外勤務」というキーワードと「いいね」の件数に相関があることを発見すると、海外勤務の経験がある、または海外勤務中であると結婚の対象として好ましく思う、ということになる。
多変量解析では、キーワードを自分で設定することになるが、AIを使ってキーワードの洗い出しも自動でやってくれるのだろう。
さらに、メッセージのやり取りの件数、間隔までもパラメータとして分析したそうだ。手動でやれば気が遠くなる様な分析だが、AIならば勝手に分析してくれる。
ロボットやAIが人の代わりに仕事をする時代がやがて来ると、予測する人もある。さらに結婚相手もAIが決める時代が来るのだろうか?
しかし冷静に考えれば、AIが猛烈な処理能力と速度で分析するビッグデータは「過去のデータ」だ。未来を創造するのは「過去のデータ」ではないだろう。AIは過去のデータに基づき正解を出すかもしれない。
しかし私たちに必要なのは「正解」ではなく「新しい答え」だと思う。
■■ 編集後記 ■■
「魅力工学」なんとも魅力的な響きを感じます。
当たり前品質から魅力的品質。顧客満足から顧客感動。工学の世界も人の心を取り扱う様になるのでしょうね。
このコラムは、2018年8月3日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第701号号に掲載した記事です。
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