成功はゴミ箱の中に


 マクドナルドを世界的なチェーン店にしたレイ・クロックの自伝「成功はゴミ箱の中に」を読んだ。

レイ・クロックはファストフード店にミルクシェーキを作る機械を売る仕事をしていた。マクドナルド兄弟が経営するハンバーガ店に魅力を感じ商権を買い取り今のマクドナルドに成長させた。成功者のイメージを持っていたが、書籍から浮かぶ彼の人生はあまり幸福だったとは言えないようだ。

彼の言葉「競争相手の全てを知りたければゴミ箱の中身を調べればいい。知りたいことは全て転がっている」が紹介されていた。さすがに競争相手のゴミ箱を覗いて回ることはできないだろう。しかし社内のゴミ箱を見ることは可能だ。職場ごとにゴミ箱に捨ててあるモノを見れば、職場の問題点が見えてくるはずだ。

私は仕事柄、顧客の工場でゴミ箱を覗いてみることがある。

「整理とは」

ゴミ箱にあるべきモノ、あるべきでないモノを見れば、その職場の実力が判る。
そしてそこから課題も見えてくる。

例えば、ゴミ箱の中に仕損の材料がたくさんあれば、その作業に改善が必要なことが判る。逆にその職場で使わない材料が見つかれば、何らかの問題が発生していることが判る。不良や事故が発生する前に原因を調べ、対策することができる。

毎日作業をしている人にとって当たり前で、無駄に気付いてないこともある。例えばゴミ箱の中に調整作業で発生する材料ロスが多くあれば、調整作業の改善が必要なことが判る。材料のロスだけでなく、時間のロスもゴミ箱の中で可視化される。


このコラムは、2020年11月20日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1061号に掲載した記事です。

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