改善手法、QC手法、統計手法、品質管理などなど社内研修の仕事をいただくことがある。
以前あるお客様で統計手法の研修をさせていただいたことがある。会議室には本年の品質目標の項目に「統計手法の活用」が入っていた。年度品質目標を
設定し、研修計画も作られたのだろう。
別のお客様も、同様に会議室に年度品質目標が掲げてあった。しかしこちらは「従業員研修年2回開催」が目標となっていた。従業員研修を開催することを目標にするというのはちょっと違和感を感じる。本来研修はなんらかの目的を達成するために実施するものだと思う。
例えば、営業部門の新人に対して「接客マナー」の研修を行う目的は営業成績の向上が目的だろう。
品質部門で統計手法の研修を行うのは、統計手法の活用で品質改善に貢献するのが目的と思われる。
研修をする側は、目的を達成するために知識、能力を向上し、行動する意欲を高めることが仕事だと考えている。
ずいぶん昔のことだが、研修を専門にしている友人から研修の仕事を回してもらったことがある。研修テーマの他に、研修効果を図るために試験をする事
が条件となっていた。試験をしても得た知識の確認ができるだけだ。本当の目的は研修で得た知識を活用して、行動を起こす事だ。と説得したが、試験の
条件は緩和されなかった。
研修の目的が年2回開催のはずはない。本来の目的を忘れて数値目標を書いてしまったのだろう。数値目標の方が達成度は評価しやすいだろうが、本来の
目的で目標を設定すべきだ。知識を能力とし、行動しなければ本来の目的は達成されない。試験ならば数値で比較はできる。しかし研修前の点数は未知だ。
外部から研修に呼ばれただけで、研修目的の成果にコミットするのは困難だがそこに貢献する努力は必要だと思う。
今開催しているQCC道場は研修目的(QCC活動の目標達成)に向けて直接働きかけができる。
このコラムは、2021年5月17日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1137号に掲載したコラムです。
【中国生産現場から品質改善・経営革新】は毎週月・水・金曜日に配信している無料メールマガジンです。ご興味がおありの方はこちら↓から配信登録出来ます。
【中国生産現場から品質改善・経営革新】