三菱電機は21日、99年7月に発売した全自動洗濯機計6万9166台で、パネルのスイッチ部分から発煙・発火の恐れがあるとして、無料で部品を交換すると発表した。対象製品は「MAW―V7QP」と「MAW―V8QP」の2シリーズで、00年7月まで製造した。
昨年8月と10月、運転中にスイッチ部分から発煙、発火する事故が1件ずつあった。制御基板の設計に問題があり、コンデンサーの劣化で発煙・発火する場合があることが分かったという。
(アサヒ・コムより)
こういうニュースを見ると『元エンジニア』の好奇心が疼き始める。
コンデンサの事故というと、四級塩電解液を使ったコンデンサの液漏れ、水系電解液による寿命問題が思い出される。
しかし今回の事故は、これらの問題とは微妙に時期がずれている。
モータの進相コンデンサの寿命による扇風機、洗濯機の事故も最近報告されている。
しかし今回の不具合はスイッチパネル近辺からの発煙なので、この問題でもなさそうだ。
こんな故障発生メカニズムを推定してみたがどうだろうか。
スイッチパネル部分の電源の安定化のために入れられた電解コンデンサが劣化、リップル電流が増加、リップル電流によりコンデンサが発熱、更に電解コンデンサが劣化。
スイッチパネル程度の消費電力でこの様な不具合が発生するかどうかちょっと疑問である。やはり現物を見ないことには本当の原因は見えてこない。
この様に回収事故の記事からあれこれ考えるのは単なる「野次馬精神」ではない。同様な事故を未然に防ぐために必要な事だ。失敗事例を未然防止ができる程度まで、詳細原因を社会が共有できればこの様な回収事故はもっと減ると思うのだが。
このコラムは、2008年2月18日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第21号に掲載した記事です。
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