顧客満足vs顧客感動


 以前CMでカスタマーデライトというキャッチコピーが使われていた。
顧客満足より顧客感動(カスタマーデライト)という意味を表現しようと考えたのだろう。しかしそのキャッチコピーは煙草の宣伝に使われていた(苦笑)

一昔前は「品質が良い」というのは「不良がない」という意味で使われた。
中国の商店では、購入前に不良でない事を確認してから買うのが常識だった。ランプひとつ買うときも、必ず店先で点灯検査をしてから買う。
しかし「不良がない」というのは「当たり前品質」だ。

当たり前品質が満たされても「満足」は感じない。ただ「不満」を回避するだけだ。顧客が買いたいと思うのは「魅力的品質」だ。持っている事で、周囲から羨ましがられる、自己満足できる。そんな製品が魅力的品質を持つ。

高品質の製品を作っても売れるとは限らない。魅力的品質の製品ならば顧客は競うように買うだろう。すでに我々の周りは、高品質製品は当たり前品質となっている。魅力的品質を製品に作り込まねば売れない。

我々は当たり前品質の製品を作る製造業から、魅力的品質を作り出す創造業に転換しなければならない。


このコラムは、2021年3月5日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1106号に掲載した記事です。

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