日本企業が開発したアビガンが新型コロナウィルス感染症治療の有効性を期待されているが、国内の備蓄を増やす目処が立たないと言う。
その原因は
- 原材料の生産を中国に依存している。
- 新型コロナウィルス感染症の治療には、インフルエンザ治療の3倍必要。
200万人分の備蓄では不十分。
原材料を国内生産するためには、環境対応にコストがかかりすぎる。そのため環境規制のゆるい中国に生産を移管してしまっている。
以前メールマガジンでこんな記事を書いた。
日本も中国も製造業の出発は、低コスト生産力から出発している。その後日中の発展を分けたのは、製造力を磨いた日本と、高度生産設備を手っ取り早く先進国から導入した中国の戦略の違いだ、と言う主旨だ。
アビガンの開発は高い技術力が必要だったはずだ。しかしアビガンは海外での基本特許が切れていると言う。中国では原材料からアビガンを生産できる。中国でもアビガンは必要だ。日本に原材料を輸出する余裕はない。
多くの局面で中国の技術力は日本を凌駕し始めている。
このままでは、日本は中国の下請けに転落するのではなかろうか。日本の環境規制を緩くすることは不可能だろう。制約を嘆いても何もならない。制約は進歩のジャンピングボードと考えたい。
このコラムは、2020年4月20日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第969号に掲載した記事です。
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