無料工場診断


 先週の無料工場診断は、いつもと違い工場からの依頼ではなく、販社さんからの依頼であった。
納期、不良などで困っておられる販社さんから自社工場の改革をしたいというご要望である。

工場を訪問してみると、作業員をドンと並べて生産する前時代的な生産方式であった。品質を保証するための仕組みも不十分と見た。

生産性はあまり考慮していないようだ。
例えば、完成品は梱包箱に入れられラインエンドに積み上げられている。この一山が、QCチェックを受けると2名の作業員が箱をベルトコンベアに載せ製品倉庫担当の作業者が待つエリアに送り込まれる。倉庫担当者2名はコンベアで送られてきた箱をパレットに並べ倉庫に搬入作業をしている。

皆さんはこの作業のムダが見えるだろうか?

コンベアに乗せて、下ろす。この作業は何も付加価値を生んでいない。
コンベアに製品を載せている作業員2名は全く無駄な作業をし、倉庫担当者にコンベアから製品を下ろしもう一度積み上げるという無駄な作業を発生させている。

ラインエンドにパレットを置き梱包作業者、またはミズスマシが梱包完了品をパレットに積む。
QCチェックが終わったら倉庫担当者が各ラインエンドに引き取りに来る。
こうするだけで2名の作業者は削減でき、箱を積み上げる無駄な作業も1回省略できる。

またこの工場は納期問題を多発させているにもかかわらず、膨大な完成品在庫を持っている。
多分生産計画のやり方に何か問題があるはずである。完成品在庫を半分にするだけで、莫大な利益が出るはずである。

いずれにせよ、たくさん宝の山を抱えたすばらしい工場である。
多分あっという間に30%は生産性が上げられるであろう。
QCDすべてにわたって大きな改善が出来そうである。


このコラムは、2008年10月20日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第第56号に掲載した記事です。

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