管理監督職のレベルアップ


 生産現場の管理監督者のレベルを上げたいと言うご相談を受けた。

【ご相談内容】
製造部門の管理監督者の品質意識が低い。工程内不良が一向に減らない。
彼らの答えの多くは「作業者が悪い」「言う事を聞かない」で自分自身の指導や改善が不促していると言う認識がない。
製造現場の管理監督者のレベルアップをしたいが、どこから手を付けてよいか分からない。

【私の答え】
まず、現場の監督者に「指導」「改善」が自分の仕事だと明確に知らせる必要がある。これが自分の仕事だと分かれば、「作業者が悪い」「言う事を聞かない」は自分の責任だと分かるはずだ。

今迄色々な生産現場を見て来た。そこで感じるのは、多くの中国人現場監督者が「改善」を自分の仕事と認識していないようだ。自分は作業者に指示をして、生産させるのが仕事。改善は上位職や生産技術の仕事、としっかり分けている様だ。
本来監督者の仕事は、作業者に作業が出来る様に教育指導をし、作業環境や方法を改善することだ。こういうことを自分のミッションだと考えていない人が多い様に感じる。

次に、監督職としての知識、技能を与えなければならない。

現場監督者の多くが、作業者の中から選ばれ昇格した者だ。
班長の腕章を渡しただけでは、班長にはならない。彼らにもきちんとした指導が必要だ。

作業員に対する教育が自分のミッションだと理解しても、どうすれば良いのか知らなければ、やりようがない。

以前指導していた工場で、「注意して作業します」とA4の紙いっぱいに何度も書いた物が掲示してあるのを見たことがある。何度注意してもミスが減らない作業者に班長が罰として書かせた物だと言う。どうしてミスが出るのか、そのミスをなくすにはどうすれば良いのか、そう言う事を教えられていないから、子供の頃先生から受けた罰を思い出してやったのだろう。漢字を間違える子供に何度も書かせるのには効果があるが、ミスをする作業員に効果があるとは思えない。

なぜミスが出るのか分析する方法、その原因を改善する方法を教えなければ出来るはずもないだろう。

この様な現場監督職としての知識・技術を教え、現場で実践させるOJTをする必要があるだろう。

品質改善のOJTとして、私は次の様な活動をしていた。
毎朝現場の監督職、生産技術、品証(場合によっては設計、購買、生産管理等)を集め、現場脇の会議卓で前日発生した工程内不良に付いて原因分析と対策の実施状況を確かめる会議を開いていた。
さすがに工程内で不良となった物を全てやる訳には行かないので、多発した不良とFQCで発見した不良について実施した。FQCで発生した不良は、不良流出も加わっているので1件でも取り上げる。

始めた当初は、話にならなかった(苦笑)こちらが一つ一つ分析し、対策を見せて教えた。しかし1,2ヶ月継続すると、自分たちでできる様になり、6ヶ月もすれば、私が参加しなくても会議が回る様になった。

こういう活動を通して、現場監督職が自己成長を実感すると、意欲が出て来て更に好転することになる。


このコラムは、2014年2月24日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第350号に掲載した記事に加筆しました。

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