感性のモノ造り


 先週は、Apple社の製品発表があった。
翌日動画で製品発表会の様子を見た。はっきり言ってすごい衝撃を受けた。

OS、アプリケーションが無料だ。プレゼンテーションでは、控えめに「Free」と言っただけだが、十分に衝撃的だった。

MacOSのアップグレードが、無料、と言うのは想定範囲だった。元々MacOSは非常に低価格でアップグレード出来た。iOSのアップグレードは元々無料だ。アップグレードと言うのは、バージョンアップの事ではない。Windowsの世界では、Windows7からWindows8へのアップグレードが無料と言うのと等しい。

それに加え、表計算、ワープロ、プレゼンテーションソフトのセットが無料。写真管理、動画作成、楽曲作成のソフトのセットも無料となった。
いってみれば、Officeがただなのだ。

OS、アプリケーションを販売するマイクロソフトには真似出来ない事だ。
ハードウェアを自社だけが販売しているApple社でなければ出来ない戦略だ。

Apple教徒の私は、この発表に相当熱狂した(笑)

もう一つ驚いたのは、デスクトップマシンMac Proだ。
一体機の系列では、他社と一線を画すデザインを出し続けていた。しかし、通常のデスクトップマシンは、ピザBoxタイプ、Mac miniなど衝撃的と表現するレベルではなかった。

今回発表になったMac Proは十分衝撃的と言ってよいだろう。
円筒形のマシンだ。その製造工程が若干紹介されていたが、MacBook Pro同様ふんだんにNC加工を取り入れた生産だ。顧客が価値を認める部分には、積極的にコストをかけ磨き上げる。これは「思想」と言ってよりレベルの戦略だ。

そしてユーザが認める価値は、性能からデザインに移行し始めている様に感じる。アプリケーションソフトも同様だ。出来る事(機能)はほぼ、どれも同じ様な物だろう。使い勝手、ユーザビリティがソフト、ハードにとって価値になっている。そのユーザビリティを決定するのがデザインだ。

製品の価値を決めるのは、機能ではなく感性になって来ている。


このコラムは、2013年10月28日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第333号に掲載した記事です。

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