量産効果捨てた生産ライン「コンパクト革命」で安く速く


 国内メーカーは、工程削減や工程短縮をはじめとする生産ラインのコンパクト化に大きく舵を切っている。目標とする生産ラインの長さや設置面積の「縮減率」は従来より大幅に高く、中には投資費用を千分の一に抑えるといった画期的なアイデアも登場している。革命的な進化を目指す、最新の「コンパクトライン」の動向を追った。

(日本経済新聞・電子版より)

 残念ながらこの記事はアーカイブされておらず、既に削除されている様だ。

これからのモノ造りは、同じ物を大量に作れば良いと言う生産は少なくなってゆくだろう。
少量でも、生産性が落ちない。少量でも、コストが上がらない。そういうフレキシブルな生産が要求される。

これは日本国内の生産だけではない。中国における生産もフレキシブルな生産に転換してゆかなければ、生き延びる事は出来ないだろう。
冒頭のコラムに書いたMac Proの生産は、米国本土に戻った。大量に同じ物を作る能力しかないFoxconnには、任せておけないと判断したのだろう。「感性のモノ造り」はフレキシブル生産でなくては達成出来ない。

(もっとも、動画映像から判断すると、Apple社のMac Pro生産ラインは、コンパクト生産ラインとは呼べそうもないが・笑)

私が目指しているフレキシブル生産は、この記事にあるコンパクトラインとほぼ同じと言っても良かろう。

ベルトコンベアの両脇にずらりと作業員が並んでいるラインを、改革し生産に必要な面積を1/2にしたことがある。作業員は30%減、時間当たりの生産量は20%上がった。一番大きな改善は、生産リードタイムが1/6になった事だろう。(日経の記事と比較すると、効果が少ない様に見えるが、設計の協力なしで達成した)

別の事例では、工程ごとに生産していたのを、一カ所に並んでもらった。
中間で滞留していたのが一切なくなり、リードタイムは1/10となった。広い場所が必要にはなったが、今まで、別々に占有していたスペースの合計より小さな場所で生産出来る様になった。

出来ない理由はいくらでもある。
出来ない理由は改善のネタだと思えば良いのだ。

私の事例でも、接着剤の硬化時間がリードタイム短縮の障壁となっていた。
インライン型の接着剤硬化炉を作ることにより解決した。設計から変更出来れば、紫外線硬化型の接着剤に変更することにより、硬化炉はもっと簡素な物になっただろう。


このコラムは、2013年10月28日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第333号に掲載した記事です。

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