中国・華南におけるQCサークル活動


先週は広州市で開催された「広東省2010年科技創新与優秀QC小組成果発表大会」に呼んでいただき、参加をしてきた。

広東省科学技術協会、広東省質量協会、広東省科学技術諮詢服務協会が開催者に名を連ねており、180人ほどが参加する盛大な成果発表会であった。3日間で70サークルほどが活動成果を発表するそうだ。

中国広東省では、QCサークル活動が始まってすでに30年。今回参加した成果発表会はすでに10年継続しているそうだ。

今回の参加により、自分の不明を思い知ることになった。
今まで中国におけるQCサークル活動は、日系企業の中で細々と行われており、その活動は企業単位で縦にまとまっており、日本本社との交流はあっても、横方向の交流はないと考えていた。

しかし今回成果発表を聞いた11サークルは中国ローカル企業のほうが多かった。業種はタバコ、家電、空調、オートバイ、塗料、洗剤などの製造業だ。

中には日本で発表しても十分通用する活動もあった。
活動内容は「問題解決型」であり、ほとんどが不良の低減をテーマとしていた。製造部門主体でQCサークル活動が行われているようだ。中には明らかに製造間接・設計の活動テーマや、生産性改善、コストダウンの活動もあり「課題達成型」活動の切り口で取り組んだ方が良いテーマも有った。

「問題解決型」→「課題達成型」→「顧客指向型」に活動内容が変遷してゆく過程で、製造部門中心の活動が、全社的な取り組みに変わってゆくはずだ。

活動成果だけではなく、QCサークル活動にはOJT教育・訓練効果がある。むしろOJT効果のほうが大きいと考えている。
問題解決能力、改善能力、チームワーク(リーダシップ、フォロワーシップ)、QC手法活用能力、プレゼンテーション能力などを「計画的に」OJT教育・訓練できる。

日本ではQCサークル活動が下火になりかけているが、やり方を変えれば中国でも大きな成果を上げ、組織力を向上させることが出来るはずだ。


このコラムは、2010年4月28日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第150号に掲載した記事です。

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