月にロボット「なんかさせたる」 「まいど」組合挑戦へ


 今度は、月でロボットになんかさせたるねん――。大阪の町工場発の人工衛星「まいど1号」を開発した東大阪宇宙開発協同組合(大阪府東大阪市)は27日、2015年を目標に人型の二足歩行ロボットを月に送り込む構想を発表した。まいど1号で得た経験を生かし、将来的には地質調査などで貢献したいという。

 同組合の計画では、車輪型ロボットを15年に月に送り込もうという政府の宇宙開発戦略本部の構想に「便乗」。予算も補助金などで数億円を見込むが、それが無理でも、全国の人に支援を呼びかけたいという。

 人型ロボットには、まいど1号で得た放射線対策や放熱技術を応用し、人間より小さなサイズを想定している。開発には全国の中小企業の技術を結集したいとしている。会見した同組合の吉田則之・副理事長らは「ハードルは高いが、『ものづくり』の技を世界にアピールしたい。2本足で無理だったら、四つんばいになってでも」と話した。

(asahi.comより)

 東大阪の中小企業が集まって人工衛星「まいど1号」を打ち上げた話は、まだ記憶に新しい。プロジェクトに参加しなくても、そのニュースに触れて元気の素を得た経営者、若者も多いのではないだろうか?

その東大阪宇宙開発協同組合が、人型ロボットを創って月に送り込むという。「月でロボットになんかさせたるねん」という夢を掲げたプロジェクトだ。金融危機以来、日本だけが景気回復から取り残されているように見える。特に製造業の停滞感、閉塞感が厳しい。そんな中で「元気」を与えてくれるプロジェクトをまた東大阪宇宙開発協同組合がぶち上げてくれた。

製造業をボトムとするスマイルカーブ、つまり笑ったときの口の形の底が製造業であり、より付加価値の高い口の端の方にサービス業、金融業などが位置するという考えかたが浸透し始めている。中小企業だけではなく、大手企業までがモノ造りから離れ始めている。

しかし製造業がなくなるはずは無い。

このメルマガで再三提案しているが、スマイルカーブは、製造業の中でも適用できる。
顧客から支給された図面どおり加工するモノ造りが、スマイルカーブのボトムだ。付加価値を高めるために、ありえないサービスを提供する非常識なQCDを実現する現場力、魅力的付加価値を創造するR&Dを磨かなければならない。

R&Dといっても大企業がやるような、商品、素材の研究開発である必要はない。
新しい加工技術、素材の利用技術で良いのだ。東大阪宇宙開発協同組合の様に力を合わせれば、大企業でもやらない開発をも可能にする。

私も、こんな物を造りたいと言う依頼を仲間内に紹介していたが、世の中に無い全く新しいアイディアを実現できないかという話も出てきており、盛り上がっている。
「中国華南モノ造り協同組合」を立ち上げてみようかという気になっている。

時として、血縁や利害関係で結ばれた仲間より、夢の実現を目的に結ばれた仲間の方が団結力は強くなる。


このコラムは、2010年5月3日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第151号に掲載した記事です。

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