先週の「信頼性不良問題」の記事に関して読者様からメールをいただいた。
<T様のメッセージ>
以前テレビの修理をしていたころは、フライバックトランスから高圧が漏れていて、お客さんら変な音がするという指摘が、あり、良くフライバック交換をしていました。
T様、メッセージありがとうございます。
フライバックトランス高圧部と外部の筐体間で強い電界ができている。
何らかの理由でフライバックトランスの絶縁が低下していると、ジリジリという小さな放電音が聞こえてしまうことがある。
TV受像機の場合は音声も出ているので気がつかないこともある。しかしモニターやPCのディスプレイに使うと静かな環境では聞こえてしまう。
こういうのは大クレームにはならないかもしれないが、一度耳につくと気になってしまう。
以前液晶TVのアダプター電源内部のセラミックコンデンサから異音が発生した事がある。部品のロットばらつきなのか、量産後しばらくして突然異音が発生する物が出てきた。
通常は気にならないレベルの音で、工場の検査時には全く気がつかなかった。
クレームのあったエンドユーザは寝室で液晶TVを使用しており、TVを消して就寝しようとするとこの音が聞こえてしまう。TVを消してもアダプター電源は動作したままなので異音は発生したままだ。
セラミックコンデンサの両端にかかった交流電圧による圧電効果でセラミックディスクが振動して異音が発生するようだ。
異音のメカニズムは推定できたが対策には苦労した。
部品を違うメーカの物に変えると音は出なくなる。しかしこれではまたいつか異音が発生する可能性がある。
最終的には部品に細工をして共振しないようにした。
このコラムは、2009年10月12日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第120号に掲載した記事です。
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