指導先の工場で、QA会議に出席した。
客先で発生した不具合に対し、サービスエンジニアがすぐに駆けつけ処置をして来たと報告があった。これだけを聞くと、迅速な顧客対応が出来ており何も問題がない様に聞こえる。
しかし客先で発生した不具合は、一つ間違えると「重不適合」となる可能性が十分ある不具合だった。
サービスエンジニアから上がって来た報告書には、コネクタの接触不良による電気系統の不具合。コネクタの挿抜により正常復帰。とある。
現場で修理処置をしてしまったため、品証部門は不良現品を見ていない。
これではいけない。
コネクタの接触不良は、不具合原因ではない。
コネクタを抜き差ししたら、正常復帰したため不具合原因だったかもしれないと推定しただけだ。
この推定が正しかったとしても、コネクタが接触不良となった原因は分かっていない。この原因が分かって初めて再発防止対策が出来るはずだ。
全ての市場不具合に対し、ここまでの対応をすべきとは考えないが、重不適合、又は重不適合となる可能性のある不良に対しては、現場修復だけでは不十分だ。
きちんと原因究明、再発防止のプロセスを踏まなければならない。
折角の改善のチャンスをムダにすることになる。
このコラムは、2013年月29日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第307号に掲載した記事です。
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