月別アーカイブ: 2022年1月

涙の数だけ大きくなれる!

 先週ご紹介した
「私が一番受けたいココロの授業」の著者比田井美恵さんにこの本を紹介いただいた。

「涙の数だけ大きくなれる!」:木下晴弘著

この2冊は日本帰国前にアマゾンに発注してあり、帰国してすぐに読んだ。

「涙の数だけ大きくなれる!」は電車内など人前では読めないだろうと、自室にこもって読んだ(笑)
教育現場で活躍している木下氏の10の感動ストーリィは、経営者や経営幹部の皆さんにも必ず大きなヒントを与えてくれるであろう。

10のストーリィはこんなタイトルだ。
 Story 1 戦渦の子どもたちが望んだもの
 Story 2 あるレジ打ちの女性
 Story 3 ある生徒の高校受験
 Story 4 たった1つの社訓
 Story 5 「ミラー細胞」と佐賀北高校
 Story 6 なぜ、ガンはV字編隊で飛ぶのか?
 Story 7 母の足
 Story 8 あるパチンコ店の話
 Story 9 夢をあきらめない
 Story10 腐らないリンゴ

私はどのストーリィにも感動したが,Story10を読んで企業の競争力を高めるのは「土造り・リンゴの木が育つ環境を造る」ことだと得心がいった。

品質も、生産性も究極は「人質」である。
従業員の能力をいかに引き出すかが、組織力のアップの鍵である。
リーダ、リーダを目指す方に是非読んでいただきたい本である。


このコラムは、2008年9月29日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第53号に掲載した記事です。

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【中国生産現場から品質改善・経営革新】

量産効果捨てた生産ライン「コンパクト革命」で安く速く

 国内メーカーは、工程削減や工程短縮をはじめとする生産ラインのコンパクト化に大きく舵を切っている。目標とする生産ラインの長さや設置面積の「縮減率」は従来より大幅に高く、中には投資費用を千分の一に抑えるといった画期的なアイデアも登場している。革命的な進化を目指す、最新の「コンパクトライン」の動向を追った。

(日本経済新聞・電子版より)

 残念ながらこの記事はアーカイブされておらず、既に削除されている様だ。

これからのモノ造りは、同じ物を大量に作れば良いと言う生産は少なくなってゆくだろう。
少量でも、生産性が落ちない。少量でも、コストが上がらない。そういうフレキシブルな生産が要求される。

これは日本国内の生産だけではない。中国における生産もフレキシブルな生産に転換してゆかなければ、生き延びる事は出来ないだろう。
冒頭のコラムに書いたMac Proの生産は、米国本土に戻った。大量に同じ物を作る能力しかないFoxconnには、任せておけないと判断したのだろう。「感性のモノ造り」はフレキシブル生産でなくては達成出来ない。

(もっとも、動画映像から判断すると、Apple社のMac Pro生産ラインは、コンパクト生産ラインとは呼べそうもないが・笑)

私が目指しているフレキシブル生産は、この記事にあるコンパクトラインとほぼ同じと言っても良かろう。

ベルトコンベアの両脇にずらりと作業員が並んでいるラインを、改革し生産に必要な面積を1/2にしたことがある。作業員は30%減、時間当たりの生産量は20%上がった。一番大きな改善は、生産リードタイムが1/6になった事だろう。(日経の記事と比較すると、効果が少ない様に見えるが、設計の協力なしで達成した)

別の事例では、工程ごとに生産していたのを、一カ所に並んでもらった。
中間で滞留していたのが一切なくなり、リードタイムは1/10となった。広い場所が必要にはなったが、今まで、別々に占有していたスペースの合計より小さな場所で生産出来る様になった。

出来ない理由はいくらでもある。
出来ない理由は改善のネタだと思えば良いのだ。

私の事例でも、接着剤の硬化時間がリードタイム短縮の障壁となっていた。
インライン型の接着剤硬化炉を作ることにより解決した。設計から変更出来れば、紫外線硬化型の接着剤に変更することにより、硬化炉はもっと簡素な物になっただろう。


このコラムは、2013年10月28日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第333号に掲載した記事です。

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感性のモノ造り

 先週は、Apple社の製品発表があった。
翌日動画で製品発表会の様子を見た。はっきり言ってすごい衝撃を受けた。

OS、アプリケーションが無料だ。プレゼンテーションでは、控えめに「Free」と言っただけだが、十分に衝撃的だった。

MacOSのアップグレードが、無料、と言うのは想定範囲だった。元々MacOSは非常に低価格でアップグレード出来た。iOSのアップグレードは元々無料だ。アップグレードと言うのは、バージョンアップの事ではない。Windowsの世界では、Windows7からWindows8へのアップグレードが無料と言うのと等しい。

それに加え、表計算、ワープロ、プレゼンテーションソフトのセットが無料。写真管理、動画作成、楽曲作成のソフトのセットも無料となった。
いってみれば、Officeがただなのだ。

OS、アプリケーションを販売するマイクロソフトには真似出来ない事だ。
ハードウェアを自社だけが販売しているApple社でなければ出来ない戦略だ。

Apple教徒の私は、この発表に相当熱狂した(笑)

もう一つ驚いたのは、デスクトップマシンMac Proだ。
一体機の系列では、他社と一線を画すデザインを出し続けていた。しかし、通常のデスクトップマシンは、ピザBoxタイプ、Mac miniなど衝撃的と表現するレベルではなかった。

今回発表になったMac Proは十分衝撃的と言ってよいだろう。
円筒形のマシンだ。その製造工程が若干紹介されていたが、MacBook Pro同様ふんだんにNC加工を取り入れた生産だ。顧客が価値を認める部分には、積極的にコストをかけ磨き上げる。これは「思想」と言ってよりレベルの戦略だ。

そしてユーザが認める価値は、性能からデザインに移行し始めている様に感じる。アプリケーションソフトも同様だ。出来る事(機能)はほぼ、どれも同じ様な物だろう。使い勝手、ユーザビリティがソフト、ハードにとって価値になっている。そのユーザビリティを決定するのがデザインだ。

製品の価値を決めるのは、機能ではなく感性になって来ている。


このコラムは、2013年10月28日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第333号に掲載した記事です。

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父母に仕えて幾諫す

yuēshìjiàn(1)jiànzhìcóngyòujìngwéiláoéryuàn

《论语》里仁第四-18

(1)几谏:遠回しに諌める

素読文:
いわく:“父母ふぼつかえてはかんす。こころざししたがわざるをては、またけいしてたがわず、ろうしてうらみず。”

解釈:
父母に過ちがあれば、遠回しに諌める。それに従わない様であれば、敬愛の念を尽くし諌める。つらくとも父母を恨んではならない。

人の寿命が伸びて親世代が記憶や認知に問題が出てくる。孔子の時代とは全く違う状況ですが、親を諌めなければならない機会が増えているのではないでしょうか?