コラム「認識レベルを上げる」で、問題解決の認識レベルについて書いた。認識レベルを上げれば、問題解決が上手く出来る様になる。こういう考え方は一般の仕事にも適用出来る。
例えば顧客監査。顧客の新規取引先監査は、非常に重要な意味を持っている。合格すれば、新規顧客が増え売り上げが上がる。不合格となれば、是正計画をまとめ、再監査をお願いすることになる。最悪の場合は、顧客から取引可能のレベルではないと、烙印を押されることになる。
「監査を受ける」と言う認識でいると、なかなか上手く行かない。まずは「監査する」認識で準備をする。監査する側の認識を持てば、顧客監査官は何を見たくて、何を見たくないかが分かるはずだ。そしてその基準の背景にある「要求」を理解出来れば、監査官がまだ気がついていない要求への対応を見せる事が出来る。
認識を「監査を受ける」「監査をする」「監査をさせる」と上げて行くことによりより高いレベルで監査準備ができるはずだ。
「認識レベルを上げる」と言う言い方が分かり難ければ、「相手の立場に立つ」と言う言い方で理解すれば良かろう。
自分の立場(監査を受ける)だけではなく、顧客監査官の立場で物事を見て考える。更に顧客監査官の上司の立場で物事を見て考える、と言うことだ。
こういうことは昔から「仕事の心得」として、何度も形を変えて言われ続けて来たことだ。ヒラの職員は、班長、組長の立場で考える。班長は、組長、課長の立場で考える。これが認識レベルを上げると言う意味だ。
モノを売ると言う認識では、物は売れない。顧客満足を得ると言う認識に立てば、物が売れる。顧客の潜在要求を理解しようと言う認識を持てば、自社製品だけが売れる。
顧客監査も、営業も認識レベルを上げる事で上手く行く。
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