QCC活動の運用について


 先週はメルマガ読者様から、こんなご相談をいただいた。
※週二回1時間と時間を決めて、就業時間内にQCC活動をやっています。
 スタッフの自主性に任せ、日本人幹部は口を出さない様に気をつけています。
 しかしなかなか成果が出なかったり、歯痒くなり口を出したくなります。
 どのように活動を継続させて行くのが良いでしょうか?

日系企業の総経理様からのメールだ。この方は日本でQCC活動を経験されており、指導者的立場だった方だ。

私は、経営者、経営幹部が積極的にQCC活動に参画した方が良いと考えている。

本来QCC活動は従業員の自発性を尊重し、自主的活動が原則となっている。このため管理職は、サークル活動には口出しをしないことになっている。しかしこれが、日本のQCC活動が衰退してしまった遠因だと私は思っている。

1985年日本が絶好調だった時にQCサークルは日本全体で約27,000サークルあった。それが2000年には3,000サークルほどに激減している。

QCC活動の成果として、サークル数、活動件数を重視したため、各サークルに年間活動件数○件と言う目標が課せられた。その結果、簡単に完結出来るテーマが選ばれたり、既に結果が見えている活動にQCストーリーを当てはめるだけ、などと言う成果実感のない活動が増えて来た。

私はそれらの活動を
・ドブさらいQCC
・ままごとQCC
・なんちゃってQCC
と呼んでいる(笑)

少々厳しい評価かもしれないが、
「事務仕事の効率化を図るためファイルキャビネットを整理しました」
「ミスを防ぐために○○の勉強会を全員でしました」
業務として取り組んだ生産性向上、不良削減活動にQCストーリーを当はめるこんな活動ばかりになって来た。

これでは残業代を支払って、ムダな事をさせている様な物だ。サークルメンバーの方も、達成感がなく、やらされ感しかない。

こういう経緯で、バブル崩壊後活動サークル数は1/10近くまで急降下した。

私はこの頃に、前職で事業部内のQCC推進者として関わっていた。私がいた事業部は、製造部門のないファブレス事業部だったので、営業、設計等、余りQCC活動に積極的に取り組まない部署ばかりを抱えており、上記の様な現象をまさに体験していた。

全社のQCC推進部署も同じ問題を共有しており、再活性化の方策として、管理職のQCC活動への参画をする事とした。

勿論活動そのものは、自主性を尊重する。
しかしテーマ選定には、職場の管理職が積極的に関与する。職場の方針・目標を共有する。テーマ選定時には管理職も参加し意見を言う。こういう方式に変更し、上述の様なメンバー・上司双方の不満の解消をした。

この様な経験もあり、中国でQCC活動をやる時は管理職もテーマ選定までは、積極的に参画する方法をお勧めしている。また全員が初めてQCC活動をする様な状況では、指導者がいなければ何をしたら良いかさえ分からないだろう(笑)

更にQCCを人財育成のOJTとして活用するために、サークルリーダやテーマリーダも経営者・経営幹部が指名した方が良いと考えている。勿論、公平・公明な人財育成計画の元でやらねば、メンバーの反発を買う事になる。

活動そのものは、定期的にリーダ会議などを開催し進捗を確認しアドバイスをする程度にする。経営者・経営幹部が口を出すのは最初だけ、後は自主性に任せるスタイルにするのが良いと考えている。

この様な活動にすれば、活動の成果、メンバーの成長、チームワーク、改善意欲の向上、現場経験技術の蓄積等の結果がすぐにでも見えて来るはずだ。

私たちは、QCC活動を初めてする企業、まだ数回しかしていない企業、相当活動経験がある企業(日本本社の発表会に参加して最優秀賞をとるレベル)ともに、QCC活動の指導経験がある。どのタイプの企業にも、テーマ選定までは上司が参画する方式が有効だった。


このコラムは、2011年6月20日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第210号に掲載した記事を加筆修正したものです。

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