品質意識


 品質意識という時の「品質」は物の質(良品・不良品)ではない。もっと広義の「品質」だ。作業の質、サービスの質、経営の質などが含まれる。
作業、サービス、経営は全て「人」が行う。従って「品質」は「人質」と言えるだろう。

そう考えれば、「品質+意識」の意味が理解出来るのではないだろうか。

以前このメルマガでご紹介した、5S改善に意欲を発揮する班長さん、仕事貫徹に燃える電気店の店員さんなどが,品質意識の高い人だ。

●5S改善に意欲を発揮する班長さん「整理整頓が継続しない理由」
●仕事貫徹に燃える電気店の店員さん「仕事貫徹の意欲」

では従業員の品質意識を高めるためにはどうしたら良いだろう。

金銭的な報酬も効果があるだろう。
昔香港の警察官は、地回りのやくざと変わらなかったそうだ。自分の管轄区域の商店から「みかじめ料」を徴収するなどの行為がはびこっていたと言う。これに業を煮やした政府が、思い切って警察官の給与を上げたそうだ。この改革により、警察官の意識が変わり自分の仕事に対する誇りが高まった。結果不正を働く警察官が激減したそうだ。

しかし製造業において、金銭的な報酬を上げて従業員の意識を高めることが出来る企業はそうは多くないだろう。そのコストが利益を圧迫することになる。
従業員の品質意識が高まっても、会社が倒産したのでは意味がない。

香港警察の事例は、仕事に対する誇りを持たせることに成功した、と考えれば金銭を使わずに仕事に対する誇りを持たせる方法を考えればよいはずだ。

こちらもご参考に
品質道場「品質意識向上」


このコラムは、2017年3月27日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第521号に掲載した記事です。

【中国生産現場から品質改善・経営革新】は毎週月曜日に配信している無料メールマガジンです。ご興味がおありの方はこちら↓から配信登録出来ます。
【中国生産現場から品質改善・経営革新】