続・記録する文化


 先週のコラム「記録する文化」に読者様からいただいた.

※F様のメッセージ
 いつも楽しく拝見しています。
中国企業関連の仕事をしている訳ではないのですが、どのような分野の経営や指導にも当てはまる内容で、いつも本当に勉強させて頂いています。
 29日のメルマガは、企業における大人社会だけでなく、現在の子供たちへの教育全般においても、大変意義深く、考えさせられる内容でした。何事も、処理対応能力だけでなく、根本的な部分から、愛情と誠意を持って育てて(指導して)いくことの大切さを、再認識させて頂けました。
 本当にありがとうございます。これからも楽しみに拝読させて頂きます。

F様,メッセージありがとうございます.
私は製造業の事例を中心に記事を書いていますが,F様のようにご自身のエリアに引き付けて解釈をしていただけると,応用が効くと思います.そのような読み方をしていただけると,私も大変光栄です.

※I様のメッセージ
 本日のメルマガ「記録する文化」、これは中国で職場を管理する際は “必須”ですね。

 私が某ホテルを管理している時、まずフロアーキャプテンに「客室清掃の模範形」を詳しく教え、その後、キャプテンが一般清掃員に教える。
管理者は、一般清掃員が「正確に」「正しく」覚えたかをテストし、理解度を試す。間違いやちょっとしたズレがあれば、その場で修正していく。
管理者は、従業員に要求する「清掃レベル」をハッキリと示し、従業員は覚えたら必ず「サイン」をする。

「何時に」「誰が」「どういう清掃をしたか」を記録によってみえるようにしてからはお客様からのクレームは“ほぼゼロ”になりましたね。

I様,メッセージありがとうございます.
ホテル業界も製造業も,仕事を教えるということは同じですね.まず仕事の意義とその目的を教え,達成すべき基準と方法を教える.

製造業の場合は達成すべき基準が「製品仕様」だったり「検査仕様」であり,定量化しやすいことが多い.定量化しにくいものは「客室清掃の模範形」の形で提示するのが有効ですね.

こういう教え方は,中国だけでなく日本でも同じようにしなければならないと思っています.長らく日本人の「均一性」に依存し,この様な教育・指導が,先輩の背中を見て覚えろ式になっていた.しかしすでにこういうやり方では,日本人でも若い世代の指導は不可能だと感じています.

そうやって教わったことを,記録することを前回のメルマガで推奨したわけですが,I様には更に作業記録をとることも指摘いただきました.作業管理の面で重要なことと思います.

特に作業の結果を検査するのが妥当でない仕事では,作業記録が品質保証の証拠になります.


このコラムは、2010年4月5日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第147号に掲載した記事に加筆しました。

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