子曰:“君子不可小知(1),而可大受(2)也。小人不可大受,而可小知也。”
《论语》卫灵公篇第十五-34
(1)小知:小事を行う。
(2)大受:責任ある仕事を任せる。
素読文:
子曰わく:“君子は小知せしむべからずして、大受せしむべきなり。小人は大受せしむべからずして、小知せしむべきなり。”
解釈:
子曰く:“君子には細々した小事を任せるべきではない。責任ある大事を任せるべきだ。小人には大事を任せてはいけない。小事を任せるべきだ。”
君子ならば小事もそつなくこなすことができるだろう。しかし君子に小事を任せてはいけない。
小人には責任ある大事をこなすことはできないかもしれない。しかし小人でも小事をそつなくこなすことはできる。
孔子が言っているのは「君子たる部下に責任ある仕事を任せ、小人の部下には細々した仕事を任せよ」ということではないと思う。
組織内で、職位の低い者に小事ばかり任していれば、いつまで経っても成長しない。上司たる者、失敗の責任を取る覚悟で、大事を任せ部下の成長を促すべきだろう。肝心なことは、君子を目指す部下に大事を与えて育てる、小人のままでいる部下に成長を目指す心を持たせることだ。