月別アーカイブ: 2022年2月

合言葉は「絶好調!」 

 どのニュースも暗いものばかりだ。それをわざわざここで紹介することもないだろう。

苦しいときに苦しい顔をしていてはだめだ。
部下はいつもあなたの顔を見ている。いつの間にかあなたの沈んだ気持ちが全社に伝播してしまう。

経営者やリーダはネアカでなければならない。

今、目の前に困難が立ちはだかっているだけだ。まだ死んだわけではない。この困難を乗り越えれば、その向こうには必ずチャンスが待っている。

笑ってこう言おう「絶好調!」
これで自分自身と部下に困難に立ち向かう勇気が与えられる。
ネアカに笑い飛ばそう。笑いは最高の強壮剤であり、開運剤だ。


このコラムは、2008年12月22日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第72号に掲載した記事です。世界金融危機が発生し暗い世相だった頃に書いた記事です。

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【中国生産現場から品質改善・経営革新】

失敗は成功の母

 エジソンは実験に失敗しても「うまく行かない方法を一つ発見した」と考えたそうだ。まさに99回の失敗から導かれた1回のひらめきで大発明は生まれるのだろう。

出来るまでやる。諦めないでやる。という姿勢があれば失敗はありえない。成功していなくても「その時点で」まだうまく行っていないというだけの話だ。

しかし99回も失敗を続けていると、モチベーションを維持するのが困難になってくる。そこで小さなマイルストーンをいくつもおく。マイルストーンごとの小さな成功体験が、モチベーションの維持に役に立つ。

小さな成功が大きな成功を目指すモチベーションになる。
そして長いスパンで自己成長を実感できるようにする。

しかしこれは時として諸刃の剣となる。過去の成功体験が邪魔をして新しいことに挑戦できなくなる。大会社にありがちだが経営判断をする経営トップ層が皆自身の成功体験を持っている。しかし経営環境は急速に変化している。過去の成功体験が判断を誤らせる事がある。

一方中小企業の経営者はどちらかといえば過去の失敗体験をバネに成長している人が多い。こういう人の方が経営環境の変化に対応が出来ると思える。

また自己成長も同様だ。
自己成長に満足した時点で成長は止まる。謙虚でなければならない。
大きな目標を見据えて、小さな目標を達成する。
次々と仕事のチャンスを与え、成長を実感させる仕組みをOJT計画の中に入れ込んでおく事が重要だ。

失敗は成功の母であると同時に成功は失敗の父でもある。


このコラムは、2008年11月24日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第64号に掲載した記事です。

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ビデオの活用

 先週の金曜日版でビデオを使って作業教育をし、作業の標準化を図るというビデオの活用法を紹介した。

ビデオの活用でこんな例もある。

以前お客様から、工程をビデオ撮影したMP3ファイルをいただき工程改善の検討を依頼された。
ビデオに映っている各工程のサイクルタイムを測定し、検討をするとできるはずの生産量が上がっていない。

したがって取り置きのムダや、まとめ作業のムダがあるはずだと推定し、一つずつ作業する方法。それを実現するために前工程と納入業者さんの部材納入梱包形態の変更を提案した。

お客様は自働機または半自働機の導入を想定しておられが、費用をかけずに生産性がアップした。

こういう時には改善活動になれている人がビデオを撮影すると、より効果的だ。
また画面に時間を表示するモードで撮影すると、ストップウォッチを片手にデオを見なくて済む。


このコラムは、2009年1月26日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第80号に掲載した記事です。

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過ちを改めざるを過ちという

yuē:“guòérgǎishìwèiguò。”

《论语》卫灵公篇第十五-30

素読文:
いわく:“あやまちてあらためざる、これあやまちとう。”

解釈:
子曰く:“過ちを改めないことが、すなわち過ちだ。”

この節は《论语》学而第一-8の『過ちては改むるに憚ること勿れ』と同じ教えです。

人財のマルチタレント化

Z様のご投稿には、続きがある。

ちょっとひとつ気になったのは、H様の投稿の中に、「手順書らしい文体にするのは班長の仕事」とありました。各企業班長と言う職位の方のスキルや経歴は様々とは思いますが、概して現場の作業者から技能や統率力に秀でた方を、班長に据えられている企業が多いのではないかと思う。僕の日本工場の例をとると、大半は入社後技能職として経歴を積み、30代半ばから後半で班長となるのが、班長の標準的な経歴です。彼らがもっとも苦手とするのが文書化です。つまり入社後文書を書くと言った業務の経験がないのです。
20代の若手に勉強として苦手な業務もやらせるのは良いかもしれませんが、30代も半ばを過ぎた、「長」と付く職位の方に、苦手な業務を押し付けると、中々進まないものです。

実際僕のいた日本の工場もISO9001取得時に、この作業を班長、作業長に押し付けていましたが、結局無理矢理作らせた作業標準は、実際の作業を知っている人しかわからない意味不明な文書が多く、更に実作業を知らないシステム管理者が手を加えより意味不明な文書になって、実効性のないものになってしまった記憶があります。

やはり実務をある程度熟知したホワイトカラーがブリッジにならないと上手く行かないのではないかと思います。また、そのようなブリッジとなる人材そのものを育てる仕組みが必要かと思います。

H様の現場作業員はパートさん、Z様の現場作業員は技能工である。職場の形が違うので、このような差が出たと考えている。

知り合いの中国縫製工場では、ベテランの作業員を監督職に昇格させようとすると、読み書きができないからと辞退してしまうそうだ。

現状を考えるとZ様のご指摘のように、作業を文書化するのは現場よりの技術者のほうが良いだろう。

しかしこれからは、作業員もマルチタレント化をしてゆかないと競争に勝てなくなってゆく。作業者と言えど、PCを使いこなし作業指導書の一つも作れなければ職にあぶれてしまう時代になってゆくだろう。

QCC活動などで鍛え、作業者のマルチタレント化を進めてゆかなければならないと感じている。

雇用を守るということは、従業員の能力を高めてやることだ。


このコラムは、2009年1月23日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第79号に掲載した記事です。

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人財の育成

先週の記事「工場見学会」にメルマガ読者Z様からこんなメールをいただいた。

今週の雑感も、まったくその通りです。以前僕は中国で和服の縫製指導をしている女性から、「ものづくりを突き詰めていくと、結局は人づくりに辿り着く。だから私は、目指せ人事部長なのよ。」と聞かされたことがあります。また人材も設備と同じように広義のハードです。ソフトは買ってくることは出来ないのですね。それは美しい草木も、それにあった気候風土の中でなければ枯れてしまうのと同じですよね。
これは林様の工場指導そのものですよね。つまり、工場の改善方法を指導するのではなく、改善方法を自ら生み出せる体質への転換を指導するということです。本当に素晴らしいことです。

あまり褒めすぎなので、ちょっと居心地が悪い。おっしゃることはその通りだと思う。品質改善も生産性改善も最後は人だ。

人は学ぶ能力、努力する能力を持っている。これをきちんと引き出してあげるのが指導者の役割だ。
機械や設備は買ってきたその日から減価償却が始まり価値が下がる。しかし人は適切な指導をすれば雇ったその日から成長し価値が上がる。


このコラムは、2009年1月19日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第78号に掲載した記事です。

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工場見学会

 先週私の工場経営の師匠からこんなメールが届いた。

昨日シンセン市内の現地系の某大手電子企業の幹部20名の訪問がありました。6時間の受入れ応対は全て弊社幹部で行った訳ですが、訪問直後の挨拶席上で弊社の人事部長が冒頭、

『皆さんの訪問を歓迎します!。・・・しかし、その前に皆さんにお聞きしたい事があります。
今日皆さん方がこの工場に来られた目的は見学ですか?、それとも遊覧ですか?』
と突然切り出したのです。
相手側の董事長が『当然見学です!』と答えるのに対して、
『皆さんの中で、今、記述ノートか手帳を何人が持っていますか?。私が見る限り20名中3名です。見学に来るのに記述する手帳も持たず手ぶらで来るような姿勢が古い中国の管理者の姿勢です。
又、皆さんの会社は製品を造る工場で、しかも今日は休日では無いと先程あの方に伺いました。
・・・なのに、今皆さんは私服でバラバラの服装身なりをされている。
皆さんの身なりと記述本も持たないその姿勢が、今のあなた方の悩みや問題を生み出しているのではないのでしょうか!?』

と話したのです。(もちろん、相手は董事長・総経理以下全員がこれを素直に受入れ、帰り際には『可能ならここの社員を出来るだけ多く受入れ、うちの会社の体質を大幅に変えたい』という中国的発言まで出てました(笑)。

大変すばらしい話で感動した。
ここに出てくる人事部長さんは若い中国人だ。
中国大手の会社から来られたおそらく年長者の董事長、総経理に対してまるで講義を受けに来た学生を叱るように諭される。なかなかできることではない。

このような中国人幹部を育てられた、正しく言えばこのような中国人幹部が育つ仕組みと仕掛けを作られた師匠の偉業に大変感心をした。

ちなみに私は勤め人時代に、日系のお客様の納期対応クレームに謝罪に行く際生産委託先の工場長(台湾人)を連れて行った事がある。お客様のローカルスタッフは彼の名刺にある職位を見てやけに腰が低かった。こちらはお詫びに訪問しているにもかかわらず、対応がすごく丁寧だった。

人を見ず職位を見ているのだ。それ以降もこういう人種が多いと感じてる。これは日本も同じかもしれない。

しかも董事長、総経理ともにそれを素直に受け入れたという点がすごい。面子を重視する人達が、訪問先の若い部長さんにガツンとやられたら怒り出すはずだ。それをすんなり受け入れさせたというのは、その部長さんの人格力だ。

「可能ならここの社員を出来るだけ多く受入れ、うちの会社の体質を大幅に変えたい」という当事長さんのコメントは笑うに笑えない。

企業の最強の競争力源泉は、このような経営幹部が育つ仕組みと仕掛け、企業文化そのものだ。よそから優秀な人材を受け入れることではない。


このコラムは、2009年1月12日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第77号に掲載した記事です。

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合言葉は「絶好調!」 

 どのニュースも暗いものばかりだ。それをわざわざここで紹介することもないだろう。

苦しいときに苦しい顔をしていてはだめだ。
部下はいつもあなたの顔を見ている。いつの間にかあなたの沈んだ気持ちが全社に伝播してしまう。

経営者やリーダはネアカでなければならない。

今、目の前に困難が立ちはだかっているだけだ。まだ死んだわけではない。この困難を乗り越えれば、その向こうには必ずチャンスが待っている。

笑ってこう言おう「絶好調!」
これで自分自身と部下に困難に立ち向かう勇気が与えられる。

ネアカに笑い飛ばそう。笑いは最高の強壮剤であり、開運剤だ。


このコラムは、金融危機直後2008年12月22日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第72号に掲載した記事です。

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道を聞かば死すとも可なり

yuē:“zhāowéndào。”

《论语》里仁第四-6

素読文:
いわく:“あしたみちかば、ゆうべすともなり。”

解釈:
朝に真理を悟れば、夕べに死んでも構わない。
『道』とは人智を超えた全宇宙の真理とでもいえばいいでしょうか。
この節を逆に解釈すると、私のような凡人は一生かかっても『道』を聞くことはできず、死ぬことができない、となってしまいます。