仕事柄非常にたくさんの不良再発防止対策書を見てきたし、自分自身で書くことも少なからずあった。本人は真剣に書いているのだろうけど、頓珍漢な対策書もある。詳細は書けないが、面白い(笑)事例をご紹介しよう。
研磨工程での傷不良に対し「力加減が不適切」と一次原因を分析、更に二次原因を「自主検査能力不足」としてあった。
これは全く論理があっていない。力加減が不適切ならば、傷がつくこともあるだろう。しかし自主検査能力不足が原因となって力加減の不適切は発生しない。
この様に逆から読み直してみれば、論理矛盾にすぐ気がつく。
連関図で一次、二次と直列につなぐからおかしくなる。
「力加減が不適切」は発生原因。
「自主検査能力不足」は流出原因。
発生原因と流出原因が重なると不良となる。連関図ではこの二つは並列になる。
簡単なことだが、担当している本人は気がつかなかったのだろう。こういう間違いを防ぐため、以下の様に指導している。
連関図(なぜなぜ5回)は逆から読んで見て論理矛盾がないか確認する。
不良原因は発生原因と流出原因をそれぞれ別に分析する。
このコラムは、2017年12月22日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第605号に掲載した記事に加筆しました。
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