「正解」というものはこの世の中にあるのだろうか?現実社会に「正解」があるというのは幻想ではないかと考えている。
学生時代には「正解」はあった。テストの回答は「正解」「不正解」があり、それぞれ得点が与えられるか、与えられないかの差が発生する。「正解」でもなく「不正解」でもない答えとして半分加点される答えもあるだろうが、問題が間違っていない限り、「正解」は常に存在する。
では現実社会の「正解」とはなんだろうか?
失業率が下がると景気が良くなる。景気が良くなるとインフレ傾向となる。
したがって、雇用を拡大し失業率を下げればインフレ傾向となる。
しかし現実は失業率は大幅に低下したが、インフレ目標2%は達成してない。これが現実社会で起こっている現象だ。
「失業率を下げるとインフレ傾向になる」というのは「正解」ではなく「定説」なのだろう。もしくは「標準的見解」程度のものだ。
複雑系の社会では、単純に原因・結果となることは少ない。いくつかの要因が元になり結果が発生している。解析困難な幻の正解を求めるよりも「妥当解」を求める方が、有効だと思える。
このコラムは、2020年2月17日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第942号に掲載した記事です。
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