投稿者「master@QmHP」のアーカイブ

曲則全

『曲則全,枉則直,窪則盈,敝則新,少則得,多則惑』

老子の《道徳経》に出て来る一節だ。

読み下し文に直すと「きょくなればすなわまったし、がればすなわなおし、くぼめばすなわち、やぶるればすなわち新たなり。少なければすなわち得られ、多なればすなわち惑う」となる。

曲がった木は役に立たず切られることなく命を全うする。
身をかがめていれば真っ直ぐに伸びることができる。
窪地のように凹んだ所には水が満ちる。
ボロボロになれば新しくできる。
持っているモノが少なければ得るものがある。
持ってるモノが多ければ惑う。

逆説的な言い方だが、これが世の中の真理ではないだろうか?

謙虚にしていれば上から重用される。
何も知らなければ素直に学ぶことができる。
捨てることで新たなモノが手に入る。
手が空いていればチャンスを掴める。
たくさん仕事があっても力が分散し成果が上がらない。

仕事がない時にボヤいていないで、次の仕込みをする。暇な時こそ飛躍のチャンスだ。
私の友人は金融危機の時に徹底的に改善活動をした。例えば現場のレイアウトを変えて二機あったエレベータを一機で賄えるようにすることで、エレベータの保守点検費用を半減する。このような改善活動の積み重ねで年間300万元の間接費用が節約ができ、筋肉質の経営体質になった。


このコラムは、2018年4月13日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第653号に掲載した記事です。

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【中国生産現場から品質改善・経営革新】

徳を持って導き、礼を持って斉うる

yuē:“dǎozhīzhèngzhīxíng(1)mínmiǎnérchǐdǎozhīzhīyǒuchǐqiě”。

《论语》为政第二-3

(1)格:きたると読む時は「なついて来る」と訳す。ただしと読む時は「正しくなる」と訳す。いたると読む時は「善に至る」と訳す。

素読文:
いわく:“これみちびくにまつりごともってし、これととのうるにけいもってすれば、たみまぬかれてはじし。これみちびくにとくもってし、これととのうるにれいもってすれば、はじりてかつただし。”

解釈:
孔子曰く:“法律だけで民を導き、刑罰で秩序を維持しようとすると、民は法の網目を避けそれを恥じることもない。徳を持って民を導き、礼によって秩序を整えれば、民は恥を知り正しい行いをする。”

世界中が孔子の教えを守れば私たちの世界は平和で豊かになるはずです。
残念ながら、指導者に徳も礼もない国があり、争いごとが絶えません。

中国自動車メーカー、ボルボ買収か 

 【ロンドン=尾形聡彦】英紙タイムズ(電子版)は10日、米自動車大手フォード・モーター傘下のスウェーデンの高級車ブランド「ボルボ」が、中国の大手自動車メーカーの長安汽車(本社・重慶市)に売却される可能性があると報じた。実現すれば、中国メーカーが、高級車市場に大きな足がかりを得ることになりそうだ。

 報道によると、フォードと長安の幹部の間で先月、売却交渉が行われたという。両社は中国で合弁事業を行うなどもともと関係が深いという。経営難に陥っている米フォードは、米政府に資金支援を要請する一方、傘下のボルボ売却を検討していることを明らかにしていた。

(asahi.comより)

衝撃のニュースだ。
以前聯想(レノボ)がIBMのPC部門を買収した時より驚きだ。この時は中国は既にPC生産の世界拠点として機能しており、周辺産業を含めて成熟していた。中国企業がIBMのブランドを買ったということで衝撃はあったが、モノ造りの面では既に中国企業も十分PCの世界的メーカになる力を持っていた。

しかし今回は自動車メーカである。
自動車メーカを支える部品メーカを含めて、中国自動車メーカの実力はまだ2歩、3歩遅れていると感じている。人の命を乗せて走る自動車に不良があってはならない。品質面でまだ中国の自動車メーカが世界に製品を輸出するのは早いだろうと思っていた。

クライスラーとの提携解消で奇瑞汽車は政府から1350億円の資金援助を取り付けたという報道もある。この資金で奇瑞汽車は米国市場への進出を独自に狙うことになるのだろう。

米国自動車産業の落ち込みが中国自動車メーカの成長を助けた形になっている。自動車産業の世界勢力に中国企業が割って入ってくるのはそうは遠い先ではなさそうだ。


このコラムは、2007年12月15日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第70号に掲載した記事です。

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日本総研、生産改善技術で17社と交流組織

 日本総合研究所はグンゼや自動車部品製造の住野工業(広島市)、ブラザー精密工業(愛知県知立市)など17社と生産改善の技術交流組織「TOCユーザー会」を立ち上げた。相互に工場見学や改善事例を紹介し、生産性向上につなげる。

 日本総研が生産工程の最適化などの改善技術を指導しているメーカーが参加する。グンゼの宮津工場(京都府宮津市)や住野工業の本社工場など参加企業の36工場では、生産納期の短縮や仕掛かり在庫削
工場との価格競争で毎年コスト削減を求められるなか、生産性向上が続かなかったり、改善活動が停滞するといった課題も抱えていた。

(NIKKEI.NETより)

「TOC」というのはゴールドラットが「ザ・ゴール」で書いた制約理論の事だ。Theory of Constraintsを略してTOCといっている。

企業活動の全工程の中でボトルネックとなっている工程を制約条件として定義する。この制約条件が企業の利益を増やす鍵となる。TOCでは制約条件のスループットを上げる事により生産性を改善しようという考え方である。

非制約工程を制約工程に従属させる、すなわち制約工程の能力以上には生産投入しない。制約工程に着目してバッファを持つと言う考え方である。在庫ゼロ、リードタイム半減を狙う。

更に異業種間の交流が改善を加速するだろう。昔からある「NPS研究会」とは手法が違うが、同じ発想である。

TOCの詳細に関しては「在庫ゼロリードタイム半減TOCプロジェクト」という書籍にTOCを導入した3社の事例が紹介されている。こちらを参照されると良いだろう。

TOCやNPSに限らず異業種間で改善の切磋琢磨をすると言うのは大きな効果が期待できる。中国でもこういう活動を広めてゆきたいと考えている。


このコラムは、2008年12月1日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第66号に掲載した記事です。

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失敗学

 今週の《ニュースから》「大阪市の電車型おもちゃに不具合 電池が60度まで過熱」では他社の失敗事例を自社の失敗未然防止に役立てようという趣旨で書いた。

たまたま先週は「失敗の予防学」という本を読んでいた。
著者の中尾政之氏は元々エンジニアだった人で、今は東大工学部の教授である。

失敗から予防保全につなげないと、毎回同じような失敗ばかりしていることになる。良く失敗は授業料だと思えば良いというが、授業料だけ払っていてはいけない。今回のように他人が支払った授業料で予防保全ができれば大変お得である。

同じ現象を見てもそこから改善のヒントや、そこにある失敗のリスクを見分ける事が出来る人と、できない人がある。この能力は天性の能力ではなく、訓練で身につく能力だと思っている。
書物からも勉強できるがこの手の能力は実践訓練が一番身につきやすい。


このコラムは、2008年8月25日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第48号に掲載した記事です。

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米FDA、中国に初の海外事務所 食の安全問題に対応

 【シカゴ=毛利靖子】米食品医薬品局(FDA)は16日、今年末までに中国に初の海外事務所を開設する計画を明らかにした。インドや中南米にも事務所を新設する。新興国から輸入した食品や薬品に有害物質が混入する事件が相次いでおり、議会が安全対策を求めていた。

 中国ではまず北京に設け、来年には上海と広州にも拠点をつくる。係官を常駐させ、中国政府の協力を得ながら現地の工場を監視し、衛生管理が米国の安全基準に適合しているか調べる。インドにも複数の拠点をつくる方針で、ニューデリーへの進出を決めた。

(NIKKEI.NETより)

輸入時の抜き取り検査で保証するのではなく、現場に出向き保証をする体制を作ろうという考えであろう。

すばらしい考え方だと思う。
品質保証も同じ考えが適用できる。受け入れ検査を実施しても抜き取り検査であり、どんなにがんばってもAQL=0.45%の検査をするのがせいぜいだろう。これは言い方を変えれば、0.45%の不良は許すということだ。

製品の安全に影響を与える部品は不良率0%を保証したい。例えば電気製品の安全規格関連部品や自動車に使われる部品などに不良があれば、火災事故、人身事故につながりかねない。このような部品を0.45%まで不良を許容するという考え方そのものが相容れないモノだ。

それを防ごうと思うと全数検査となり、大きな検査コストがかかる。
そのため生産現場に行き、製造工程が品質を保障できるものになっている事を保証する、という考え方を取った方が合理的だ。

具体的には定期的に生産現場を監査し、生産工程が品質を作りこめる様になっていること、不良を流出させない仕組みが機能している事を確認・保証することになる。


このコラムは、2008年10月20日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第56号に掲載した記事です。

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モチベーション維持

 本日のテーマの中で小さな目標設定の話を書いた。
以前勤務していた会社で開発チームのリーダ(係長職)をしていた時の事を紹介したい。当時も自分はまだ未熟であり必ずしもよい例だとは思わないが、昔話にお付き合い願いたい(笑)

当時はシステム製品のマンマシンインターフェイス周りのハードウェア設計と周辺装置を担当するチームのリーダとして仕事をしていた。6人の小さなチームだった。

主力製品の大きなモデルチェンジ開発の最中であった。大きなプロジェクトで構想から製品リリースまで3年くらいかかったと記憶している。我々ハードウェア設計チームも1年以上このプロジェクトに投入された。全体ではアーキテクチャ設計、ソフト開発、電気設計、機構設計のメンバーだけで300人ほどのビッグプロジェクトだ。

我々ハードウェア設計チームは、アーキテクチャ設計をブレークダウンした設計仕様に従ってまずプロトタイプを作る。これをソフト開発チームに開発環境として引渡し開発を進めるのである。

この間に回路設計、プリント基板の設計、試作品の製作、製造図面の出図、ハードウェア仕様書の出図、新規採用部品の登録作業、試作品の評価作業、ソフトチームに渡したプロト機のメンテナンスなどなど膨大な作業があり、来る日も来る日も残業の毎日である。

その内に基本設計に破綻があるところが見つかったりして振り出しに戻ったりすることもあった。このような大きな変更は何度も発生はしないが、ソフト開発チームからの変更要求はちょくちょく来る。

ハードチームのメンバーは一生懸命積み木を組み立てている最中に下の方から崩されてしまうような感じがして、モチベーションが下がってしまう。下手をするとソフトチームとの対立感情にまで発展する。

正直自分もそういう感情を持った事があったが、メンバーにはシステム全体から見た立場で物事を判断しようと諭していた。

来る日も来る日も同じような作業をしているので、今自分がどこにいるのか見えなくなったりしてモチベーションが下がる。
そこでスケジュール表の目標のたびに飲み会をした。
「出図記念飲み会」とか「デバッグ完了飲み会」若手が担当している作業が終了するたびにメンバーで飲みに行くのである。

開発チームメンバーはあまり皆で飲み会をしたりしなかったので、初めのころは夜遅くまで飲み会が続き、翌日休みなどというメンバーもいた(笑)

今日が「○○作業の完了納期」という日の定時後に飲み会を設定するので、担当者は数日前から頑張って仕事を終わろうとする。「○○飲み会」が設定してあるので、今時分たちが開発のどこまで来ているか実感できる。という程度の効果はあったと思っている。

今だったらもう少し違う方法(財布と肝臓に優しい方法・笑)をすると思うが当時はこんな事をしてチームメンバーのモチベーションを維持するようにしていた。


このコラムは、2008年11月24日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第64号に掲載した記事です。

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思い邪念なし

yuē:“shīsānbǎi(1)yán(2)zhīyuēxié。”

《论语》为政第二章-2

(1)诗三百:全305篇からなる中国最古の詩篇。儒教の経典である経書の一つに数えられる。
(2)蔽:覆い尽くす。(詩経全体を)まとめると

素読文:
いわく:“三百さんびゃく一言いちげんもっこれおおえば、いわく、おもよこしまし。”

解釈:
孔子曰く:“詩経約三百編を一言で言うなら「思い邪念なし」だ”

トヨタリコール問題・部品共通化について

 今度ばかりはさすがにヤバイ。
世界一の自動車メーカ、超優良企業のトヨタといえど、今トヨタは存続の危機に直面している。1950年労働争議により直面した経営危機以来の大ピンチだ。

世間では、一連のリコール問題の深層を探り、問題の真因を捉えようとする動きが活発になっている。

今回目にしたコラムは、部品の共通化とリコール問題について検討している。『「大型リコールの原因は部品共通化」のウソ、真因は製品の品質検証体制』では、筆者の日野氏は部品共通化擁護の立場でコラムを書いている。

トヨタは、設計効率の向上、生産効率の向上のために部品の共通化を強力に推し進めて来た。今回のリコール問題の拡大は「部品の共通化」にありとする一部の議論に対し、日野氏は「部品の共通化」は表層の問題点であり、真の問題点は「部品の共通化を品質保証できていない点にある」と評論している。

私流に言わせてもらえば、品質保証が出来ていない部品の共通化などありえない。ただ同じ部品を使いまわしているだけである。部品の共通化というのは、適用できる設計要件を明確にした上で、その品質を保証できるということだ。共通化は、設計の標準化、部品の標準化のプロセスを経て達成される。

元々部品・モジュールは特定の動作環境の下で設計され、検証・評価されている。それをそのまま共通化部品として取り扱うわけには行かない。当然動作環境の変動により、見えていなかった問題点が顕在化することがありうる。

部品・モジュールの機能に着目してブラックボックス化してしまうと、大きな過ちを犯す。動作環境、製造環境などの設計要件を明確にしておき、共通部品を選択する設計手順を標準化しなければならない。

この様な過程を経て、部品の共通化は設計ミスの排除、設計効率の向上、生産効率の向上、在庫量の削減、コストダウンに貢献することが出来る。

しかし極度の共通化は、設計の自由度を奪う。
また共通化をするということは、進歩をいったん停止するということである。

車を嗜好品として考えたとき、部品の共通化はデザインの自由度を奪うことになる。車は単なる移動手段ではない。所有する喜び、運転する喜びをユーザに与えるべきものだ。

元々トヨタはそのような車造りが下手だ。レクサスからトヨタの名前を排除しているのもその現われだろう。
トヨタよりはホンダ、Panasonicよりは(昔の)Sonyの製品の方が、ワクワクするのは私だけではないだろう。

インドや中国メーカによる車の価格破壊に付き合う必要はない。
消費者の価値観に対しきちんとコストをかけるモノ造りをすれば、高くても売れるはずだ。

トヨタは量の追求で大きくなった。一定の量を生産していないと利益が出ない構えを作ってしまった。残念ながら、低価格車にも対応してゆかなければならない体質が出来てしまっている。

車が単なる移動手段であったときは、安い車を市場投入すれば右肩上がりに売り上げも利益も伸びる。しかしそのような市場で利益を上げ続けるのは困難だ。コストダウンに明け暮れ疲弊する。そしてある日金属疲労が限界点に達したように、ポキッと折れてしまう。品質不良による損失は、直接利益の部分をマイナスする。それをカバーするための売り上げは10倍以上は必要だろう。

日本の時計メーカは、高品質・高機能な時計を大量に生産し、同時に貧乏も量産してしまった。その間スイスの高級時計メーカは、顧客の価値観にしっかりコストをかけ、高級品を少量だけ作り生き残っている。

日本はこの様なモノ造りがうまくできていない。
大量同一規格製品の市場は中国にくれてやり、魅力的品質製品のモノ造りに転換してゆかなければならないだろう。


このコラムは、第143号2010年3月8日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第143号に掲載した記事です。

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ハイハイ覚える赤ちゃん型ロボ 阪大が開発

 「ハイハイ」や「伝い歩き」の仕方を試行錯誤しながら自分で学ぶ赤ちゃん型ロボットを大阪大の浅田稔、石黒浩両教授らの研究チームが開発し、3日発表した。人が体の動かし方を身につけるメカニズムの解明に役立つほか、より人間に近いヒト型ロボットの開発につなげる。

 ロボットは高さ約50センチ、重さ3。5キロで、新生児とほぼ同じサイズ。人と同じように関節が動き、視覚や聴覚となるカメラやマイクのほか、触れた感覚がわかるように全身に約90個のセンサーなどを付けた。

 歩き方をあらかじめ教えるのではなく、学習機能だけをプログラムしてある。例えば、ロボットに「前に動きたい」という欲求を与えると、体をでたらめに動かす中から前に動ける方法を探しだし、ハイハイなどの動きができるようになる。ほかに、寝返りやつかまり立ち、伝い歩きなどの仕方を体得することができるという。

(NIKKEI NETより)

 実に面白いことを考える人がいるものだと感心した。
プログラミングした学習機能によって、ロボットは人より早く歩けるようになるだろう。
この様な実験の過程で、人がどのように体を動かすことを学習するのかが分かれば、ロボットの開発だけではなく他にも応用が出来そうだ。

人は学習機能も進化・成長するはずだ。
このメカニズムが判明すれば、ロボットに成長要求だけをプログラミングしておけば、一週間位すれば自分で歩行したり話したりすることが出来るようになるのではないだろうか?

歩行ロボットを作るのならば、初めから歩行方法をプログラミングした方が早い。学習機能により歩行させるアプローチを考え付く発想が面白い。

これを部下の成長に当てはめて考えたらどうなるだろうか?
部下にプログラミングを施すことによって、作業をすることは可能になる。
しかしこれでは応用や自分から進化・成長することは無いだろう。作業は出来ても仕事は出来ない。

仕事をする意義や喜びをプログラミングすることにより、自ら作業を習得するように仕向ける。多少効率が悪くても、この方が高いパフォーマンスを発揮するだろう。そして自ら進化・成長する意欲を持つことが出来る。


このコラムは、2010年3月8日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第143号に掲載した記事です。

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