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ハイハイ覚える赤ちゃん型ロボ 阪大が開発

 「ハイハイ」や「伝い歩き」の仕方を試行錯誤しながら自分で学ぶ赤ちゃん型ロボットを大阪大の浅田稔、石黒浩両教授らの研究チームが開発し、3日発表した。人が体の動かし方を身につけるメカニズムの解明に役立つほか、より人間に近いヒト型ロボットの開発につなげる。

 ロボットは高さ約50センチ、重さ3。5キロで、新生児とほぼ同じサイズ。人と同じように関節が動き、視覚や聴覚となるカメラやマイクのほか、触れた感覚がわかるように全身に約90個のセンサーなどを付けた。

 歩き方をあらかじめ教えるのではなく、学習機能だけをプログラムしてある。例えば、ロボットに「前に動きたい」という欲求を与えると、体をでたらめに動かす中から前に動ける方法を探しだし、ハイハイなどの動きができるようになる。ほかに、寝返りやつかまり立ち、伝い歩きなどの仕方を体得することができるという。

(NIKKEI NETより)

 実に面白いことを考える人がいるものだと感心した。
プログラミングした学習機能によって、ロボットは人より早く歩けるようになるだろう。
この様な実験の過程で、人がどのように体を動かすことを学習するのかが分かれば、ロボットの開発だけではなく他にも応用が出来そうだ。

人は学習機能も進化・成長するはずだ。
このメカニズムが判明すれば、ロボットに成長要求だけをプログラミングしておけば、一週間位すれば自分で歩行したり話したりすることが出来るようになるのではないだろうか?

歩行ロボットを作るのならば、初めから歩行方法をプログラミングした方が早い。学習機能により歩行させるアプローチを考え付く発想が面白い。

これを部下の成長に当てはめて考えたらどうなるだろうか?
部下にプログラミングを施すことによって、作業をすることは可能になる。
しかしこれでは応用や自分から進化・成長することは無いだろう。作業は出来ても仕事は出来ない。

仕事をする意義や喜びをプログラミングすることにより、自ら作業を習得するように仕向ける。多少効率が悪くても、この方が高いパフォーマンスを発揮するだろう。そして自ら進化・成長する意欲を持つことが出来る。


このコラムは、2010年3月8日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第143号に掲載した記事です。

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中国人財

 中国で仕事をしていて、優秀な作業者、現場リーダーに出会うことがしばしばあった。

夜中に廊下の明かりの下で本を読んでいた女工さん。

レイオフの日に工場に出てきて、電灯の消えた職場で窓の明かりを頼りに電子回路技術という本を読んでいた生産技術職員。

ネジ締め工程で、「このネジが1本無くなったらどうする?」と質問したら即座に小皿を用意し、必要なネジだけを取り置き作業後小皿のネジの過不足を確認するように作業者に指導した女性組長。

こういう中国人財に触れ、中国の若者に日本のモノ造りのココロを教えたい、と思ったのが今の私の原点だ。

その後もクライアント様の工場や会合などで驚くほど優秀な中国人財と出会う。

中国の大学を卒業後、日本の大学院を卒業し2000元の作業員として働く女性。
彼女は日本の大学院で出会った経営者の教えを請うために、彼が経営する中国工場でただでいいから働かせてくれと願い出て、今は作業員として経営哲学を勉強している。

日系企業で働く女性部長。
たまたま同じ会社の日本人上司と知り合った。上司の方は、彼女は外面がいいだけですと謙遜しておられたが、中国人でマインドマップが書ける人にあったのは初めてだ。

シックスシグマの公認マスターブラックベルトの資格を持っている女性。
資格そのものは大して意味はないかもしれないが、その資格を取ろうとしたことそして資格取得のために勉強したことは、高い志を持ち、努力をしたということだ。

こういう志と素質が高い人たちと一緒に仕事をし、彼らの成長の手助をすることが私の本望だ。


このコラムは、2009年11月30日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第128号に掲載した記事です。

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バッテリー積み忘れ

救急車にバッテリー積み忘れ電気ショックできず

 東京消防庁は1日、救急車に載せた除細動器のバッテリーが取り付けられていなかったため、心肺停止状態に陥った男性に電気ショックを施せなかったと発表した。

 男性はその後、搬送先の病院で死亡が確認されたという。同庁は「病院の医師は除細動器を使えたとしても効果が期待できなかったと説明した」としている。

 コロナ禍で救急出動の要請が増えており、同庁によると、男性が搬送された1月31日は管内の救急隊の98%が出動していた。このため、救急隊の経験者らによる非常用の救急隊を編成しており、今回の隊もその一つだったという。

 この隊は31日午前10時35分ごろに通報を受け、丸の内消防署から出動。東京都新宿区の70代男性宅に到着した時には、呼吸と脈があったという。

 搬送中に男性が心肺停止状態に陥ったが、バッテリーが装着されていなかったため、除細動器が使えなかった。搬送先の病院の医師に引き継ぐまでの約12分間、心臓マッサージや人工呼吸などの蘇生措置を施したが、電気ショックはできなかったという。男性はこの日、死亡が確認された。同庁は「事前点検が不十分だった」としている。

 丸の内消防署の斉藤悦弘署長は「二度とこのような事案を発生させないよう、再発防止対策を講じるとともに信頼回復に努めてまいります」とのコメントを出した。

朝日新聞(2月1日朝刊)より

 AED(除細動器)が使えてもこの男性が助かったかどうかはわからない。
しかし遺族としては残念な思いを持っただろう。当然再発防止を行い、全国の消防署に徹底してほしいモノだ。

私たちの仕事で同様なリスクは無いかも知れないが、○○がなくてラインが止まった、とか不良が発生した、というトラブルは発生する。

AEDの写真を見ると本体の内部に電池が入っている様に見える。
記事の「バッテリーが装着されていなかった」というのは実際に電池が入っていなかったのだろう。さらに電池が入っていても、電気の残量が足りていないという場合も想定しなければならないだろう。

生産現場でも同様なことは発生する。
組み付ける部品が足りなくなりラインが止まる。部品が間違っている。などを想定すればよかろう。

製造現場ではミズスマシなり班長工程を巡回して確認・補給している。

消防署も同様に、予備のバッテリーを携行する。始業時の点検でバッテリー残量を確認する。という手順を追加すればよさそうだ。予備のバッテリーを違う機種のものを携行しない様に、予備バッテリー専用の袋を用意し写真でも貼り付けておけば万全だろう。


このコラムは、2022年2月16日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1255号に掲載した記事です。

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イノベーション

 「マネジメント」は現在(組織、人員、市場、顧客、商品など)の秩序を維持すること。一方「イノベーションは」現在ある秩序を破壊し、新しい秩序を創造すること、言えるだろう。

イノベーションは変革であり革命と大袈裟に捉えてしまうと、なかなか手が出ない。金のかかる研究開発など中小企業が手を出すべきことではない。そんな消極的な姿勢ではいけない。金をかけずともイノベーションは起きる。

例えば、マーケティングの笑い話でこんなのがある。靴屋が新しい市場を開拓しようとアフリカに市場調査に出かけた。しかし靴を履いている人はほとんどおらず、靴の販売は不可能と判断した。しかし逆に考えれば未開拓の新市場だ。

技術革新をしなくてもイノベーションは起こせる。
冷蔵庫はコモディティ商品化しており、今やネットにつながった冷蔵庫、扉が液晶ディスプレイになっており中が確認できる、など訳のわからない方向に進化し始めている。
しかしシンプルな冷蔵庫を極寒地に「凍結防止食料庫」(冷却機能なしの保温庫)として販売すれば市場を独占できるかもしれない。

今や脱水機能や乾燥機能のない洗濯機は売れないだろう。しかし農家向けの作物洗浄装置としてなら、まだシェア獲得のチャンスがあるかもしれない。家電メーカであれば、ほぼ既存技術だけで開発可能だろう。

アイディア次第で、巨額の研究開発費を投資しなくてもイノベーションは起こせる。

巨額の開発投資をかけて開発した新素材を独占使用しても利益が上がるのは短期間だ。他の競合メーカも同様な、もしくはより高度な素材を開発する。
逆に特許を公開すれば、マーケットは大きくなる。業界全体が潤う。特許使用料でさらに新素材を開発すれば一石二鳥だ。


このコラムは、2020年12月11日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1070号号に掲載した記事です。

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今年の新語

『大賞に“ぴえん” 日本「今年の新語」 「密」や「リモート」も』

今年よく見聞きした言葉から、辞書を編集する専門家らが選んだ「今年の新語」のベスト10が11月30日、都内で発表された。大賞には「ぴえん」が選ばれた。
 「ぴえん」の語釈として「小声で泣きまねをするときの言葉」「困ったり、思い通りにならなかったりして、ちょっと悲しい気分であることをあらわす言葉」などと説明。例文として「電車に間に合わない、ぴえん」と紹介した。

(朝日新聞より)

 12月1日付朝日新聞の記事だ。
今年の新語は三省堂が主催して選んでいるそうだ。

「びえん」という言葉は初めて聞いた。コロナ禍で引きこもり生活のためか?
そのような言葉を使う人々とは疎遠だからなのか?
しかしなんとも情けない。剛毅木訥でありたいと願う私には無縁の言葉だ。もちろん大の大人が使う言葉ではなかろうが、若者の「少女化」が進んでいる様に思える。

その他に選ばれた新語は以下の通り。

  • ○○警察(特定のことを細かく点検して、何かというと批判する人)
  • リモート
  • マンスプレイニング(男性が女性や年少者に対し、見下した態度で説明すること)
  • 優勝(大満足すること)
  • ごりごり(考え方などがあることだけにこりかたまっている様子)
  • まである(自分の基準からみて予想以上のものが存在する)
  • グランピング(大きなテントなど、高級感のある施設で過ごす、ぜいたくなキャンプ)
  • チバニアン(千葉県市原市の地層を根拠にした地質年代)

「○○警察」「密」「リモート」はコロナ禍由来の言葉のようだ。
「グランピング」もコロナ禍に関連する言葉なのかもしれない。


このコラムは、2020年12月14日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1071号号に掲載した記事です。

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うまくゆくアイディア

  以前配信したメルマガ「上海万博」でアインシュタインの言葉「結果と言うものにたどり着けるのは、偏執狂だけである」をご紹介したことがある。

本日ご紹介するアインシュタインの言葉は
「成功する可能性を秘めたアイディアとは、一見して突拍子もなく誰かに言うのもバカバカしいと感じるような大胆なものである」
本当にうまくゆくと思えるアイディアはすでに誰かが思いついている。
皆がバカバカしいと思うアイディアこそブルーオーシャンを拓くアイディアだ。

使い捨て傘を再利用してバックを作っている企業を最近知った。

プラスティシティ「エコバック」

統計データによると、傘の消費量は年間で約1億3000万本その内ビニール傘は8000万本。ビニール傘の大部分は使い捨て傘だろう。焼却すればダイオキシンが発生する。(最近はダイオキシンが発生するPVCは使われなくなってきた、ダイオキシンが発生しない高温焼却炉も増えているそうだ)廃棄された使い捨て傘は海洋汚染の原因になる。プラスティシティの取り組みはSDGsが社会的な課題になっている現在、意義のある活動に思える。

しかしアインシュタインの説を信じると、この取り組みはバカバカしいところが微塵もない。真面目すぎて(笑)うまくいかないような気がする。

特に文房具のようにコモディティ化が激しい業界では、普通にやっていては生き残れないだろう。年々バカバカしさが増しているように思える。

【2020年Bun2大賞】ベスト文具30発表!

上記の「上海万博」でご紹介したご家族は、毎日「花博覧会」を参観。その後上海万博に毎日参観するため、職を辞して家族で移住した。このような偏執狂ともいえるバカバカしさが、経営にも必要なのかもしれない。


このコラムは、2020年12月21日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1074号に掲載した記事です。

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心を鍛える

 
『ラグビー日本を変えた「心の鍛え方」荒木香織著

友人(著者の同級生)の紹介でこの本を読んだ。

運動選手のメンタルを鍛える仕事をしておられる。ラグビーの五郎丸選手がゴールキックをする前に必ずするポーズを五郎丸選手と一緒に作り上げた人だ。あの祈りにも似たポーズを「プレ・パフォーマンス・ルーティン(PPF)」という。

五郎丸選手のポーズから、失敗しないように神様に祈っているように見える。
しかしあれは「祈り」ではなく、ゴールキックを成功させるための意識の集中・動作のシミュレーションだそうだ。

同様にイチロー選手も、バッターボックスで行うルーティンがある。同じ効果を狙ったものだと思うがイチロー選手の場合、朝起きた時からPPFが始まる。食事、トレーニングのやり方など生活全てがPPF化されている。

体と精神はつながっており、精神を安定させることにより体のパフォーマンスがあがるのだろう。

私はスポーツ選手ではないが職業人としてパフォーマンスを発揮できる状態をキープしなければならない。最低限、健康状態を保っていなければならない。その上で高いモチベーションをキープしなければならない。

ではどうすればモチベーションを上げられるか?
人は、自分でコントロールできることが多いほどモチベーションは高まる。
誰かに言われてやるのではなく、主体性を持って取り組む方が成果が出る。
受け身から脱出することでマインドセットが変わる。

自分自身だけではなく、部下も同様にマインドセットを変えたい。
主体性を持たせるためには、作業を任せるのではなく、仕事を任せることだと思う。


このコラムは、2020年12月18日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1073号に掲載した記事です。

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小林製薬:その後

 ジェネリック薬製薬・小林化工が、水虫薬生産時に睡眠導入剤を使用した事件が昨年発生した。
この事故に関して考えたことを、以前メルマガに書いた。
水虫薬に睡眠剤誤混入

サワイグループホールディングスが小林化工の工場、従業員を買収するというニュースが出ていた。

「睡眠剤混入の小林化工、サワイに後発薬全工場を譲渡」

 サワイグループホールディングス(GHD)は3日、品質不正問題が発覚した小林化工(福井県あわら市)から後発薬の全工場と関連する部門の人員を譲り受けると発表した。物流や研究開発の拠点も譲り受ける。

以下略

全文

この様な人為ミスを防ぐにはどの様なアプローチを取ったら良いか、という観点で対策を考えてみた。

しかし対策を実施するよりも、企業の存続が危うくなってしまった様だ。
万全の対策を実施しても、経営が成り立たなかったら意味がない。

製薬作業を間違えてしまった従業員はどうされたのだろう?
会社には居づらくなってしまっただろう。
経営者は身売りをして仕事を失ってしまっただろう(企業の売却により金銭を得たかもしれないが、薬害を受けた方や亡くなってしまった方への賠償が有るのではなかろうが?)

法令に従わない作業をした(作業指示した)責任は当然重い。

わたしたち過去の事件から「法令遵守」とお題目を唱えるだけでは足りない。
職場環境、作業方法を整備し、作業そのものが法令違反が起き得ないようにしなければならない。


このコラムは、2021年12月8日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1225号に掲載した記事です。

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指差喚呼

 「指差喚呼」とは鉄道の運転手がやっている指差し点呼確認動作のことだ。
例えば列車運転手は出発前に前方にある信号機を指差し「出発進行」と発声する。これは出発(信号)進行(緑)という意味の出発時の指差喚呼だ。出発信号等が赤色点灯ならば「出発停止」と点呼し発車しない。

運転手、車掌、駅職員皆がこの指差喚呼を行なっている。万が一事故があれば何百人、何千人の命が危うくなる。従って危険なところだけで指差喚呼をするのかというと、そうではない。習慣とするためにあらゆる動作で指差喚呼をしていると思う。

工場でも指差喚呼を取り入れると良い。
プリント基板に部品を挿入する作業員が、一斉に指差喚呼をしていては騒々しくていけない(笑)しかし自分が挿入した部品は指差し心の中で数を数える。

部品の出庫・準備、設備の準備・設定など生産に重大な影響を与える作業は型通りに指差喚呼をした方が良いだろう。

ヒューマンエラーに対して作業者に対し「再指導・注意」などという対策より「指差喚呼」導入のほうが効果がありそうだ。


このコラムは、2022年2月25日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1259号に掲載した記事です。

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抵抗勢力

 何か新しいことをしようとすると、必ずと言っていいほど「抵抗勢力」が発生する。サンドビック株式会社の藤井裕幸氏は著書「究める力」でこんな抵抗が発生すると書いておられる。

  1. 今まで問題はない。なぜ変えるのか?
  2. そんな提案はダメだ!以前にもやってうまくいかなかった。
  3. そのことについては我われがいちばんよく知っている。
  4. 今忙しくて、そんなことをやる余裕はない!
  5. そんなものは我われの会社には向いていない!
  6. 確かにそうだが、我われの会社は違う!
  7. 案としては立派だが実行は不可能だ。
  8. これ以上、コストなんて下げられない!
  9. 我われだって。それはやっている。
  10. うちの部門が悪いのは、あの部門のせいだ。

古参の幹部が藤井副社長にこう言ったのだろう。さすがに一般従業員の発言でないだろう。逆に言えば改革の中心として動いてもらいたい幹部がこのような考えでは、うまくいくはずはない。

まずは幹部をこちらサイドに引き込まなければ、うまくいかない。
うまくいく事例を作る。成功体験が抵抗勢力を弱める。推進派が多数勢力となれば改革は加速する。


このコラムは、2021年7月2日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第1157号に掲載した記事です。

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