月別アーカイブ: 2018年10月

トップダウン改善

 色々な工場でQCC活動の指導をしている。QCC活動の場合は、職場の問題点や課題を自ら発掘し改善するボトムアップの活動だ。一方経営者から課題を与えられ改善活動をする事も有る。こちらはトップダウンの改善活動となる。

同じ改善活動であるが、少し様相が変わる。
両者の活動にテーマ名をつけると、トップダウン改善とボトムアップ改善の違いが際立つ事が有る。

トップダウン改善の場合
「自動化により○○工程の生産性を2倍にする」
「セル生産方式により多品種少量生産に対応する」

これらのテーマは、トップダウンで自動化の投資をする、セル生産方式を導入すると言う事が決まっている。つまり改善方法(「自動化」「セル生産方式」)がトップダウンで与えられている。

ボトムアップの場合は生産性を2倍にすると言う課題解決にどんな方法が有るかと言う所から考える。結果的に自動機を導入する事になるかも知れないが、課題を解決する方法から考えるので改善の方法はテーマ名に入らない。

「生産性を2倍にする」と言う課題に対し、同じ条件で倍作る、半分の人で作る、半分の時間で作る、又はそれらの組み合わせなどを考える事が出来る。自動化はその解決方法の一選択肢となる。

どちらが良い悪いではない。既にやる事が見えている場合はQCC活動をするよりトップダウンで改善プロジェクトにした方が手っ取り早い。

課題解決方法から考えなければならない活動はQCC活動の方が良いだろう。QCC活動の場合、メンバーの問題発見能力、課題解決能力を高める効果がある。与えられた仕事ではなく、自ら作り出した仕事なので活動意欲、達成感などが強く感じられる、と言うメリットも有る。

改善リーダ

 生産性、品質不良の改善などをお手伝いするのが私の仕事だ。当然未知の技術分野の生産現場、未体験の生産現場もある。過去に行った改善事例の応用で大抵の問題は解決可能だ。しかしお客様が直面している問題に解決策を100%提供できる訳ではない。

私ができることは、課題を定義する、その課題を解決するアイディアが出易い様に課題を構造化する。そして行動を起こす様に背中を押すことだ。このアプローチで顧客の改善リーダが改善を実践することにより、他の問題も同じアプローチで改善できる様にする事が狙いだ。

改善リーダの過去の経験や今後の経験によりネタは増える。あとは成功率5分ならば行動して見るように、改善リーダに勇気を持たせることだ。

ある日系企業で指導した時の中国人改善リーダは、中国人リーダには珍しく自分の能力を過大評価しない人だった。よく言えば「奥ゆかしい」若者だが、悪くいうと自分に自信がない様に見えてしまう。例えば「自分など能力がないから、ろくな改善ができない」などとよくいう。しかし彼は自分なりの発想で改善ができる。「君がやった改善だから、ちゃんと総経理に報告しなさい」と言っても「いやいや、恐れ多い」などと言っている。

こういうタイプの若者を初めて見る(笑)
どうして彼がこういう態度をとるのか、非常に興味がある。

上司の指導が影響しているのかもしれない。
彼の様に非定常作業で創造的な成果を出してもらいたい人材は、飴と鞭式の管理ではモチベーションは上がらない。失敗は成長の糧になるが、強い叱責は積極性を奪う。金銭的な報酬よりも、自己成長の機会を与える方がモチベーションが上がる。


このコラムは、2017年11月27日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第594号に掲載した記事に加筆しました。

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人的要因に対する改善

 5月から隔週で開催しているQCC道場が佳境に入っている。対策実施、効果確認のフェーズに入っている。目標を達成すると年間効果額が100万元、200万元と言うチームがある。大変楽しみだ。

今回は人的要因に対する改善対策のノウハウをメルマガ読者様にもお伝えしたい。例えば人為ミスで発生する不具合、技能の熟練不足で発生する不具合、を改善し不良削減や効率改善の対策を考える場合の考え方だ。

原因分析を「人為ミス」「技能不足」で終わってしまうと、往々にして「教育訓練の強化」「作業指導書に厳格に従わせる」などの抽象的かつ効果を実感出来ない対策となる。多分これでも効果は出るだろう。それは効果を測定する際に、サークルメンバーの思いがバイアスとなり作業員が頑張るからに他ならない(笑)この様な効果は長続きしない。

原因分析を「人為ミス」「技能不足」から更に一歩二歩深める事が、より良い対策を見いだすコツだ。

「人為ミス」がなぜ発生するのか?更に掘り下げると、作業方法が不適切とわかる。どのように不適切か?やりづらい、手間がかかる、と更に問題点を掘り下げる。そうすれば、作業方法を変える、治具を作る、自動化するなどのより具体的かつ効果が実感出来る対策を考えつく事が出来るはずだ。

「技能不足」も同様にどの作業のどういう技能が不足しているか、まで分析を深めれば、どんな作業訓練をすれば良いか、又は新人でも作業出来る様にするためにはどうすれば良いか、と言う具体的な課題を見つける事が出来る。


このコラムは、2017年7月3日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第535号に掲載した記事に加筆しました。

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里は仁なるを美と為す

子曰:“rénwéiměichǔrényānzhì?” 

《论语》里仁第四-1

素読文:
子曰わく、は仁なるをよしす。えらびて仁にらずんば、いずくんぞなるをん。

解釈:
住むところは仁徳のある人が多く住んでいるところがよい。人徳のある人が多くいるところを選ばずにどうして智が得られよう。

次の様に解釈することもできます。
子曰わく、じんるをす。えらびて仁にらずんば、いずくんぞなるをん。
仁の徳を行動の拠り所とするのが美しくよいことだ。自ら仁から離れては、どうして智者といえよう。

個人的にはこちらの方が好きです。

一番確実な改善方法

今のやり方を変えて改善をする.
これは勇気が要ることだ.

改善できなかったらどうしよう.
前より悪くならないだろうか.
作業員は受け入れてくれるだろうか.
効率が良くなっても,不良が増えないだろうか.

等等不確実なことが山ほどあり,不安になる.この不安が自らの行動にリミットをかけてしまうことになる.

しかしたった一つだけ,確実なことがある.
それは,
「何もしなければ,改善は出来ない」と言うことだ.
これは,絶対に確実だ.

ネガティブな結果となる絶対確実な方法が分かっているのだ.
ならば,その反対をやればよいのだ.

ダメモトで,まずやってみる.これが改善の第一歩だ.
ダメモトとは,「駄目でも元々」,「駄目ならすぐ元に戻す」と言う意味だ.

やってみて駄目でも,へこむことは無い.
駄目な方法が一つわかったのだから,改善への道は一歩近づいたはずだ.二回やって駄目ならば,改善への道は二歩近づいたはずだ.
100通りの方法を試しても駄目だったらどうしよう.
心配する必要は無い.100通りやる前にうまく行ってしまうからだ.

人生の中で,貴方に解決できない問題は何一つ発生しない.解決できなかったと思っている問題は,ただ解決する前に諦めただけだ.


このコラムは、2010年11月15日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第179号に掲載した記事に加筆しました。

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システムより理念

 最近続けて,若い中国人が経営する工場を3社訪問した.業種はさまざまだが,彼らには共通する点があった.
創業してがむしゃらに仕事をしてきた.そして事業が軌道に乗り,会社は大きくなってきた.しかしどうも管理がうまくできていないように感じる.だから日本式の管理方法や「システム」を勉強したいと思っている.

彼らとの会話の中で,盛んに『系統』(システム)と言う言葉が出てくる.
たぶんISO9001や中国人の経営コンサルタントの影響で『系統』とか『系統化』と言う言葉が,経営者の間で最重要点として認識されているのだろう.

TPS(トヨタ生産システム)等は,中国のコンサル会社,経営学書がこぞって取り上げており,ちょっと勉強熱心な経営者は全員知っているようだ.

しかし経営システムとは,会社ごとに違うものである.
例えば,TPSを真似しようとしても,会社や生産現場の風土が出来上がってなければ,導入は逆効果になる場合もありうる.

まずは,自分の会社をどういう会社にしたいのか,と言う理念があり,それを実現する方法として経営システムが出来上がるはずだ.

彼らが羨望する,日本式経営システムとか生産システムというのは,「幻」なのではないかと思っている.元々日本の企業は,「システム化」が下手だ.経営のシステム化,組織のシステム化というのは,元々米国企業のお家芸だろう.

日本的経営システムとは,現場の泥臭い努力の集大成であり,現場の努力が経営に報われるようにするための仕組みなのだと思っている.
本家米国のシステム的アプローチとは真逆だ.

したがって,日本的経営システムの形を真似しても意味のないことだ.
自分が経営する会社がどうあって欲しいか,そこに働く従業員がどうあって欲しいか.そういう経営理念がまずある.その上でシステムが意味を成す.

私が尊敬するT社長はこう言っている.
「三年後の夢.二年後の希望.一年後の実行」
私としては,もう少し長期にし(対数目盛りで)「五年後の夢,二年後の希望,一年後の実行」と言いたいところだ(笑)これが理念を経営計画に落とし込んでゆくことそのものだ.

そしてこれをもっと長期にする.
100年後,貴方の会社はどうなっていたいですか?
100年後には会社は貴方の手を離れているはずだ.そのとき貴方の会社がどうあって欲しいかを考えるのだ.

貴方の曾孫に富を与える会社であって欲しいのか?
社会に何かを貢献する会社であって欲しいのか?
従業員を幸福にする会社であって欲しいのか?

まず100年後の夢・理念があり,それから経営システムが出来るのだと思う.

私が会った中国の若い経営者たちは,経営システムと管理手法を学べば,会社経営が磐石になると考えていたようだ.ちょうど,チルチル,ミチルが青い鳥を探しに旅に出たように,彼らはシステム,手法を外に求める.しかし本当は彼らの心の中に答えはある.

100年後の会社がどうあって欲しいか,という話を,中国の若者にすると理解できずに引かれると思っていた.
しかし意外なことに,すごく感動したと言われる.

同行した助手に,アレは御世辞だよな?と確認すると,そうだと素気ない返事(笑)
しかし,帰宅後,その若者たちから長文のメールが携帯電話に届いた.

30代の若者でも100年もすれば,もうこの世にはいない.その時に自分の会社が,自分の曾孫に富を与える会社であって欲しいとは考えないようだ.

こういう若者たちが立派な経営者に育てば,中国はきっとすばらしい国になるはずだ.その過程で私がほんの少しでも貢献できれば大変光栄だ.


このコラムは、2008年11月8日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第178号に掲載した記事に加筆しました。

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データについて

 科学的なアプローチを取ろうと思えば,データが重要であることは皆さんよくご理解しておられると思う.

しかし何のためにデータを取っているのかが明確になっているだろうか?

班長さんが,本日の生産日報を書く.生産日報には生産投入数,生産完了数,不良数などが記入されており保管される.一ヶ月経つと一月分にまとめてファイルに閉じられる.一年経つとファイルから取り出し,紐で閉じ保管用の段ボール箱にしまわれる.

班長さんが毎日残業して日報を書くのは,段ボール箱に保管するためなのか?

活用されないデータはムダである.こんな極端な例はまれかもしれないが,ほとんど同じと言える例を何度も見てきた.なぜそのようなデータを取っているのかと聞くと「ISOのためです」という答えが返ってくるのが通常だ.

ISO9001には生産日報を記録しろと言う要求事項はない.

データを取る目的を明確にし,最適の方法でデータを残し,分析・活用をする必要がある.

例えば,半田槽の溶融半田の温度を測定するのは,設備が正しく運用されていることを確認する意味がある.しかしそれをエックスバー・アール管理図に書き込むのは全く意味がない.

同じくエックスバー・アール管理図を,部品の受け入れ検査に応用している例を見たことがある.具体的にはコンデンサの容量値を受け入れロットごとに抜き取り測定をし,エックスバー・アール管理図に書き込んでいた.一見統計的手法を活用して,データを管理しているように見える.しかし普通は部品工場での生産ライン・生産設備が毎回同じと特定出来ないので,エックスバー・アール管理図で問題を見つけるのはほとんど不可能だ.

不良手直し件数はあるが,不良内容の記録がない.これではデータは改善の役には立たない.

タッチアップ工程に,修正記録用紙があるがタクトタイムから考えて記録をしている暇がない.この様な工程から出てきたデータを分析に使えば,正しい判断は出来ない.

データを記録するのは,管理や改善のためである.
しかしデータだけを眺めているだけでは何も分からない.
データを採取している現場をよく観察しなければならない.


このコラムは、2010年6月14日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第157号に掲載した記事に加筆しました。

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生産現場の静電気管理

 先週お邪魔した電子応用製品の生産工場は静電気の管理が良くできていた.
導電材料で床が接地されており、作業員は(見学者も)導電性の靴を履いている.

しかしそこまで静電気対策ができているのに作業員はみな静電気防止用のリストストラップを着用している.

この工場はセル方式の生産ラインを組んでおり、作業者は立ち作業である.この場合リストストラップの接地線は、作業者の行動範囲を限定する.又機械取り扱い作業者はリストストラップをすることにより、接地線が機械に巻き込まれるなどの作業安全上のリスクもある.

導電床に導電靴を使用していれば静電気防止ができているのになぜリストストラップまで使用するのか尋ねてみた.管理者の方はお客様の指摘によりリストストラップを使用せざるを得ないとおっしゃっていた.

生半可な知識で生産協力工場の指導をするものではない.

私も前職勤務中にお客様の監査を受けたときに、不条理な要求・指摘を受けることがまま有った.その都度きちんと説明をして納得いただくよう努力をしていた.
中には自説を金科玉条とし聞き入れていただけない場合も有った.

時にはリストストラップの接地線の抵抗が1MΩもある、切れかかっているのではないか.というご指摘を受けたこともある(笑)その都度きちんと説明している.そういう積み上げで監査官の方との信頼関係ができてくるのだと思っている.

中国の工場を指導して回っていたときに、こちらの指摘に対し「すぐ改善します」と素直に受け入れるのだか、次回訪問してみると何もやっていないことがよくあった.「お客さんだから頭を下げておこう」的な発想だろうが、こういう工場は印象が良いだけで内容がまったくない.


このコラムは、2008年1月21日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第17号に掲載した記事に加筆しました。

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ISO9001導入

 ISO9001を導入したいという台湾資本の工場から引き合いをいただいた.

以前,他の工場をお邪魔したときに通された応接室にISO9001のシステム文書がファイルに入ってでんと飾ってあった.中を見せていただくと案の定一度も読んだ形跡がない.

コンサル会社がシステム文書一式を提供し,手っ取り早くISO9001の認証取得をしたようである.お客様から要求があるからISO9001の認証を取る.商売のライセンスと考えておられるのであろう.ライセンスの維持や更新にコストがかかるのはやむをえないという考えであろう.

しかし本来ISO9001は品質向上・顧客満足向上経営ツールとして活用してこそ導入の意義があると考えている.

この工場は生産現場を見せていただいても,品質に対するまじめな取り組みが見えてこなかった.

そんな経験があったので,今回の引き合いにもあまり乗り気ではなかった.
そんな気持ちで,先方の董事長と電話で打ち合わせをした.

しかし董事長の「ペーパーISOは要らない」の一言で私の心に火がついた.すぐに工場訪問の日程を決めさせていただいた.

問題は11月までに認証を取得したいということだ.
一ヵ月半で「魂の入った品証システム」を構築し,全従業員が魂をこめて運用できるようにするのはほとんど不可能である.
玉砕覚悟の仕事ではあるが,董事長の心意気に何とか応えたいと考えている.


このコラムは、2007年10月8日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第2号に掲載した記事に加筆しました。

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顔淵仁を問う

孔子の一番弟子顔淵も「仁」とは何かを問うています。

yányuānwènrényuē:“wéiréntiānxiàguīrényānwéirényóuéryóurénzāi?”yányuānyuē:“qǐngwèn。”yuē:“fēishìfēitīngfēiyánfēidòng。”yányuānyuē:“huísuīmǐnqǐngshì。”

《论语》颜渊第十二-1

素読文:
顔淵がんえん、仁を問う。
子曰わく、おのれれいかえるを仁とす。一日いちじつ己に克ちて礼に復れば、天下仁にす。仁を為すは己にる。しこうして人に由らんや。
顔淵曰わく、う、もくを問わん。
子曰わく、
礼にあらざればることなかれ、
礼に非ざればくこと勿れ、
礼に非ざればうこと勿れ、
礼に非ざればうごくこと勿れ。
顔淵曰わく、かい不敏ふびんなりといえども、請う、こととせん。

解釈:
顔淵が仁とは何か問うた。
孔子曰く:
己に打ち勝ち、礼を踏まえて行動をする。これを仁と言う。
一日でも己に打ち勝ち礼を踏まえて行動をすれば、万民は仁を習うようになる。仁を実践するということは自分自身が実践しようと思えば出来る物である。
顔淵、その方法を問う。
孔子曰く:
礼を踏まえていなければ、視ないことだ。
礼を踏まえていなければ、聴かないことだ。
礼を踏まえていなければ、言わないことだ。
礼を踏まえていなければ、動かないことだ。
顔淵答えて曰く:
私に出来るかどうか分からないが、この言葉を私の人生の指針として行きたい。

孔子が非礼勿視,非礼勿聴,非礼勿言,非礼勿動。と言っている『礼』は礼儀、儀礼と解釈すると意味がよくわかりません。調和とか秩序と解釈すると判りやすいと思います。
『復礼』すなわち利己を捨て調和・秩序のとれた社会になれば、相手を重んじ礼儀も儀礼もよくなるでしょう。

为仁由己,而由人乎哉?
仁を為すは己による。他人に由るモノではない。言い訳無用、実践あるのみ、と理解しました。