月別アーカイブ: 2020年12月

君子が悪む者

gòngyuē:“jūnyǒu(1)?”
yuē:“yǒuchēngrénzhīèzhěxiàliú(2)érshàn(3)shàngzhěyǒngérzhěguǒgǎnérzhì(4)zhě。”yuē:“(5)yǒu?”
jiǎo(6)wéizhì(7)zhěxùn(8)wéiyǒngzhějié(9)wéizhízhě。”

《论语》阳货第十七-24

(1)恶:嫌悪
(2)下流:下級の
(3)讪:誹謗
(4)窒:不合理、頑固
(5)赐:子貢のこと
(6)徼:盗む
(7)智:知恵
(8)逊:不遜
(9)讦:他人を攻撃して暴露する

素読文:

こういわく、くんにくむことるか。
いわく、にくむことり。ひとあくしょうするものにくむ。りゅうかみそしものにくむ。ゆうにしてれいものにくむ。かんにしてふさがるものにくむ。いわく、またにくむことるか。
かすめてもっものにくむ。そんにしてもっゆうものにくむ。あばいてもっちょくものにくむ。

解釈:
子貢が孔子に対して、人格者であるべき君子もまた人を憎むことがあるか?と尋ねる。
孔子は、他人の悪事を暴く者。自分の上位者を悪く言う者。勇気があっても礼のない者。果敢であっても道理にかなわない者。君子であっても、こう言う連中を憎む。子貢よ、お前はどうだ。
私は、他人の業績を掠め取り自分のものとする者、不遜であることを勇気と間違えている者、他人の秘密を暴いて正義だと考えている者、こう言う連中を憎みます。

人を責めるな、方法を攻めろ

 改善の定石に「人を責めるな、方法を攻めろ」という言葉がある。
ミスや不具合が発生した時に、その責任を人に求めても改善は出来ない。その発生原因を追究し、ミスや不具合が発生しない様に方法を改善しよう。という意味だ。

例えば、ネジ締め工程でネジの締め忘れが発生したとする。
作業員を責めると、その再発防止対策は「作業員に注意を喚起した」「作業員に再教育をした」という効果を実感できない方法となる。中には「作業員を替えた」という対策まで見たことがある。

作業員を取り替えたところで、不具合が発生しなくなるとは思えない。誰がやっても締め忘れのない方法を考え、対策としなければならない。

ネジを定量供給し、作業が終わった時にネジの過不足がないことを確認する。というように作業方法を変更すれば、不具合の発生は激減するだろう。これでもまだ「人の判断」が入ると不安ならば、締め付け用の電動ドライバーから締め付けトルクに達した信号を受け、ネジ締めの回数をカウントする。締め付け回数が所定の回数に達したら作業が完了する様にすれば、ほぼ完璧だ。

検査を追加するというのは、あまり良い方法ではない。付加価値を生まない工程をひとつ追加することになる。検査治具を作り、ナガラ化することは可能だ。AOI(画像認識検査装置)を導入するよりは圧倒的に、安価に治具を作ることが出来る。しかし機種ごとに専用治具を作らねばならない。

不具合が顧客に流失してしまった時には、検査追加を安易に考えがちだが、一度顧客と検査追加を約束してしまうと、簡単には追加検査を止められなくなる。不具合発生工程に対し原因対策を取れる方法を考えなければならない。

究極の改善は、設計を変更してネジ締めをなくすことだろう。


このコラムは、2011年7月25日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第215号に掲載した記事です。

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データセンター電源障害の原因は製造時の組み立てミス

 さくらインターネットは6日、同社の西新宿データセンターにおいて2008年12月に発生した電源障害の原因と再発防止策について発表した。

 この障害は12月19日12時35分ごろに発生。電源設備からの発煙により一部電源の供給が停止し、収容しているインターネットサービスに影響が出た。SNS「GREE」やブログサービス「SeeSaaブログ」なども利用できない状態になり、同日19時30分に復旧した。

 さくらインターネットによると、消防庁の現場検証やメーカーによる解体調査、成分分析調査、再現試験などの結果、製造時において発生した組み立てミスにより電源設備が局部的に過熱したことが原因との結論を得たとしている。

(INTERNET Watchより)

 この記事だけを見ると、何が不良だったか分からないがさくらインターネットのホームページによると、電源の中に使われている変圧器の巻き線が設計どおりに作られていなかったため内部で発熱し発煙に至った、とある。
変圧器の巻き線の位置がずれていたために変換効率が落ち、ロスしたエネルギーが熱となって変圧器の内部温度を上昇させたものと思われる。

サーバは24時間365日連続で稼動しなければならない。電源の故障は即機能停止につながる。従って電源の信頼性設計は非常に重要になる。そのため高信頼性のサーバは電源が冗長化してあったりする。すなわち電源を複数台用意しておいて1台が壊れても他の電源でバックアップする様になっている。

更に電源の故障は容易に発煙・発火につながる。安全性設計も重要だ。

電源にとって変圧器は安全性・性能に大きな影響を持つキーコンポーネントだ。変圧器内部の巻き線位置がずれれば、効率や電磁波ノイズに影響を与える。製品の製造工程では検査しにくい項目だ。

今回の事故は製造での組み立てミスということになっているが、設計的な配慮が足りていないといわざるを得ない。このような重要部品を作業者の注意力だけに頼って生産するというのはムリがある。巻き位置を固定するには位置出し様にダミーのテープを貼っておけば良いだけだ。

ダミーテープのコストをケチっても、このような不良が発生すれば節約したコストの100倍は損失が発生するだろう。またこの先回収修理などをすれば節約コストの1000倍の損失が発生する。


このコラムは、2009年3月9日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第88号に掲載した記事に加筆したものです。

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大飯原発配管にひび、深さ15.5ミリ以上 再開は未定

 定期検査のため運転を停止している関西電力の大飯原発3号機(福井県おおい町、118万キロワット)で、1次冷却系配管(肉厚74.6ミリ)の内部でひびが見つかり、15日までの関電の調査で深さ15.5ミリ以上あることが判明した。5月下旬の予定からずれ込んでいる運転再開時期の見通しは立っていない。

 国は、この配管の肉厚が53ミリ以上あれば安全に問題はないと判断している。ひびの深さが21.6ミリ以上になると、この肉厚を確保できなくなるため、配管取り換えなどの本格修理が必要になる可能性もある。

 関電によると、ひびは原子炉容器に近い大型口径配管の溶接部分で3月に見つかった。当初は深さ3ミリ程度と推定し、研磨して消す方針だったが、予想以上の深さだった。さらに配管を削ってひびの深さを特定する。

(asahi.comより)

この記事の論調に違和感を感じるのは私だけではないと思う。

配管溶接部分にひびが見つかり、深さ3mm程度と推定しひびを研磨しようとした。たとえ深さが3mmであってもその原因が不明なのに研磨してひびをなくしても、原因が取り除かれていなければ、ひびはまた発生する。

安全に影響のないひびの深さと比較して問題なしとする考え方は大変危険だ。点検メインテナンスは24時間リアルタイムに行われているわけではない。例えば月曜の朝問題がない深さだとしても、次の点検時に問題がないという保証はない。

安全に影響のないひびの深さという基準は、点検時点から過去にさかのぼって安全に影響はなかったと保証できるだけである。

配管を削ってひびの深さを調べるとしているが、本当に調べなければならないのはひびの深さではなく、ひびの発生原因である。この発生原因に対して発生予防対策ができて初めて、将来に対し安全に影響はないという保証ができる。

皆さんの工場では点検・メンテナンスにこういう考えを入れておられるであろうか?

例えば倉庫の温湿度管理のための点検記録表はどこの工場に行っても、大抵は備わっている。しかし温湿度が管理限界を超えたときにどのようなアクションを取るのか明確になっている工場は少ない。


このコラムは、2008年8月18日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第47号に掲載した記事に加筆したものです。

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修理ミス原因、社員を書類送検へ 山形・松下温風器事故

 松下電器産業製の石油温風機で一酸化炭素(CO)中毒事故が相次いでいる問題で、山形県警は山形市の男性(84)が意識不明の重体となった05年12月の事故について、同社の無償修理(リコール)の際の給気ホース交換ミスが原因と判断した。修理した山形ナショナル電機(山形市)の社員(52)を業務上過失傷害の疑いで山形地検に書類送検する。

前回のメルマガではメンテナンスのミスについてお話したが、今回は修理ミスである。

給気ホースの交換作業が不適切であり、作業後の確認も不十分だった。このため給気ホースが脱落、不完全燃焼により一酸化炭素が発生し事故に至った。

記事では交換作業後の安全確認を怠ったと報道している。しかし作業そのものがきちんと品質を保証できるようになっていなかったことが問題である。誰がやっても同じ品質を確保できるように作業標準を決め、作業手順を作成する。これがトラブルの未然防止である。

今回のようにリコールによる作業は作業品質の保証を事前に作りこんでおくことが特に重要だ。

皆さんの工場では工程内で発生した修理品の確認をどうしておられるだろうか。不良と判定した工程に戻しライン復帰させる。これでは不十分と考える。

たとえば電気製品の組み立ての場合不良と判断する工程は電気検査工程が主である。ここで不良と判断されたものはラインアウトし修理されて工程に再投入される。

当然修理には半田付け作業も含まれるわけであるから、半田付けの目視検査から再投入しなければならない。不良が発生した電気検査工程に戻したのでは、修理工程での半田付け作業の品質は検査されないことになってしまう。

通常半田槽を出た直後のタッチアップ工程に「修理品再投入口」と表示をしておき、ここに再投入する。半田付けのタッチアップ、目視検査の後に電気検査を実施するように指導している。こうしておかないと修理作業の品質確認が十分とはいえない。

皆様の工場の修理作業とその確認作業を見直してみてはいかがだろう。


このコラムは、2007年12月3日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第10号に掲載した記事に追記しました。

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ボーイング737Max墜落事故

 3月10日エチオピア航空302便(737Max8)が離陸直後に墜落事故を起こした。
乗客乗員157人全員が死亡。昨年10月29日にも、インドネシア・ライオン航空610便(737Max8)が墜落し、乗客乗員189人全員が死亡している。両事故機は、離陸直後上昇中に何度も機首下げ動作を繰り返し墜落している。わずか5ヶ月弱の間に同様な事件が2件発生した。

公式事故原因はまだ発表されていないがAOAセンサー(仰角センサー)の出力に誤りがあり、失速回避のため機首下げ動作を繰り返したためと報道されている。
巡航高度まで上昇中に機体が機首下げ動作をすれば、当然操縦士は機首上げ操作をする。コンピュータによる機首下げ動作と操縦士による機首上げ動作を繰り返した挙句に墜落した様だ。

巡航高度に達する前に上昇、下降を繰り返したわけだから乗客・乗員の恐怖は大変なものだっただろう。コックピットもこの様な状況で冷静に判断が出来たか疑問が残る。

この事故で思い出すのが、1994年4月26日に名古屋空港で発生した中華航空の着陸失敗事故だ。

「航空機事故から」

この事故は副操縦士の誤操作により、操作の矛盾が発生し自動操縦に切り替わった状態で着陸やり直しをしたため失速墜落している。

墜落機(エアバス)の設計思想は操作に矛盾があった場合、コンピュータ操作を優先する様になっていた。一方当時はボーイング社は操作に矛盾があると、人の操作を優先する設計思想だった。

失速の自動回避はコンピュータ優先にせざるを得ないのかもしれない。

事故原因はまだわからないが可能性を考えてみると、

  • AOAセンサーの故障
  • AOA警報システムのバグ
  • 操縦システムのバグ

が考えられるだろう。

ソフトウェア業界のには「バグはもう一つある」という格言(?)がある。検証・デバッグを繰り返してもまだバグは残っているという警句だ。

我々の製造現場でもIOTが進めば、システムの複雑度が上がりバグによる障害が発生する可能性が上がるだろう。

AOAセンサの点検整備が地上でできるのかどうか定かではないが、もし異常値を示した場合の検出方法を検討する必要がありそうだ。

世界中に737Maxは200機稼働しているという。各機が平均1日1往復フライトの稼働率だとすれば、半年で2回の事故は27ppmの事故発生率となる。
家電製品に使われる電子部品の不良率であれば、許されるかもしれない。運悪く不良品を購入してしまっても、新品と交換すれば済んでしまう事もある。
しかし300人以上の人命がかかっているとすると27ppmの事故率でも許されない。


このコラムは、2019年3月20日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第799号に掲載した記事です。

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君子その子を遠ざける

chéngāng(1)wèn(2)yuē:“yǒuwén(3)?”
duìyuē:“wèichángérguòtíngyuē:‘xuéshī?’duìyuē:‘wèi’。‘xuéshīyán。’退tuìérxuéshīyòuérguòtíngyuē:‘xué?’duìyuē:‘wèi’。‘xué。’退tuìérxuéwénèrzhě
chénkàng退tuìéryuē:“wènsānwénshīwényòuwénjūnzhīyuǎn(4)

《论语》季氏第十六-13

(1)陈亢:孔子の弟子、子禽。
(2)伯鱼:孔子の長男。名は、伯魚はあざな
(3)异闻:特別な教え
(4)远:遠ざける。甘やかさない。

素読文:

陳亢ちんこう伯魚はくぎょいていわく、またぶんるか。こたえていわく、いまだし。かつひとつ。はしりてにわぐ。いわく、まなびたるか。こたえていわく、いまだし。まなばざれば、もっうことしと。退しりぞきてまなぶ。じつまたひとつ。はしりてにわぐ。いわく、れいまなびたるか。こたえていわく、いまだし。れいまなばざれば、もっしと。退しりぞきてれいまなぶ。しゃけり。
陳亢ちんこう退しりぞきてよろこんでいわく、いちいてさんたり。れいき、またくんとおざくるをけり。

解釈:
陳亢、伯魚に問いて曰く「師は息子であるあなたには特別な教えをされますか」
伯魚答えて曰く「これまでに特別な教えを受けたことはありませんが、父が一人で立っているとき、庭先を通り過ぎようとすると「詩を学んだか?」と問われました。「まだ学んでおりません」と答えると「詩を学ばない者は話し相手にはならぬ」と言われました。私はその場を離れて詩を学びました。

別に日にも父が一人で立っているとき、庭先を通り過ぎようとすると「礼を学んだか?」と問われました。「まだ学んでおりません」と答えると「礼を学ばない者は世に立つ資格がない」と言われました。私はその場を離れて礼を学びました。父からはこの二つを教わりました」

陳亢は伯魚と別れた後喜んで言った「今日は一つのことを尋ねて、三つのことを知ることができた。詩を学ぶことの大切さ、礼を学ぶことの大切さ、それと君子は自分の子を甘やかしたりしない、ということだ」

私はもう一つこのエピソードから学びました。伯魚は孔子から言われたことを即実行しています。さすが孔子の息子です。しかし残念ながら伯魚は孔子より先に亡くなってしまいます。

出来る出来ないではない

 久しぶりに「カンブリア宮殿」を見た。
TVを見ていると、本を読む時間や睡眠時間が短くなるので用心している。アマゾンプライム、アベマTVなど映画やTV番組を見だすとキリがなくなる。さらに、フジTV、TV東京のオンデマンドサービスも入れてしまった。今まで以上の自制心が必要な状況となった(笑)

伊賀焼きの土鍋を作っている窯元経営者永谷氏(77)の言葉が心に刺さった。
「出来るか出来ないかではない、やるかやらないかだ」

陶器の特性を活かし、新たな機能を持った土鍋を次々と商品化した。その結果倒産寸前だった下請け仕事を脱し、人気商品を持つメーカになった。

私自身も改善活動を指導している時によくこの言葉が口から出そうになる(笑)
このメルマガでも、同様な事を何度か書いた。

“出来ない”を叱らない

出来ない理由が解決課題

出来ない理由を言うのは簡単だ。
出来ない理由を言ってしまうと、出来る方法を考えようとしなくなる。そして行動しない。行動しなければ何も改善はない。

出来るか出来ないかわからないときは、まずやると決める。やると決めれば、方法を考えねばならなくなる。

改善活動を指導していて、こうすれば改善出来ると方法を教えることは簡単だ。
しかしより重要なことは、出来ないと考えずにやってみようと行動することだ。出来る方法を教えてしまえば、効果は一度きりだ。
ダメな理由を考える前に行動して見る習慣が身につけば、自分で改善方法を見つけることができるようになる。つまり効果が再生産される。

改善活動の目的は、目の前の問題を改善することではない。改善の実践を通し、改善リーダを育成することだ、と考えている。


このコラムは、2017年4月3日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第522号に掲載した記事です。

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働き方改革

 最近「働き改革」と言う名の下に、残業を減らす、余暇を増やすと言う方向に社会が向いているような気がする。昭和世代の我々は「24時間戦えますか?」「企業戦士」と言う言葉が社会の風潮であった。今はそう言う働き方を「社畜」と言うらしい。高度成長期であり、社会がどんどん豊かになる。それに合わせ個人の収入が増える。しかし私たちの欲望は金銭にあったわけではない。仕事の範囲が広がることに生きがいを感じていた。

バブル崩壊後「ゆとり」「自由」と言う口当たりのいい言葉に騙されているように感じる。成長が感じられない閉塞感が人の心を変えた。

成長企業で働く人は、今でも生き生きと働いていると言う印象を持っている。グーグルで働いている人は、グーグルには残業しない人はいません、と言っている。過労死や鬱に追い込まれてしまう人々は、意味のない仕事をやらされ、仕事の意義を感じられず、希望を失い心が疲れ果ててしまうのだろう。

個人的なことを言えば、150時間残業をしていた頃も、毎朝出社するのが楽しみだった。

「働き改革」は残業を減らすことが目的ではなく、より付加価値の高い働き方を模索し、より高い付加価値を創造することだと考えている。そのような働き方をするためには、仕事の目的、ビジョン、価値観を共有しなければならない。これが理解できない経営者はどんどん淘汰されるだろう。そして働く者自身もAIやロボットに仕事を奪われていくことになる。


このコラムは、2017年3月27日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第521号に掲載した記事です。

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