今週のコラムに「知行一致」を書いた。「知ってる」と「出来る」が一致するレベルとなって初めて教育訓練の意味がある。
ISO9001の6.2.2章にあるTrainingは、日本語では教育・訓練と訳している。
英語ではTrainingと一単語で表現できるが、日本語では教育が「知」を表し、訓練が「行」を表すのであろう。
工場で中国の若者に指導した時に、「知りました」とか「知っています」と返事が来ることがある。多分、本人は『知道了』の意味でそう言っているのだろう。
「知っています」などと言われると、ちょっとムッとする。しかしこのような時制のミスは、しばしばあることだ。それよりも、知っただけではだめ、理解して今後の行動を改めてもらわねばならない。日本人としては「分かりました。注意します」と答えてもらえると安心する。
小さな問題、言葉の問題と片付けてはいけない。
知行一致は、言葉ではなく行動で評価しなければならない。
小さな問題で知行一致が出来なければ、経営理念と自分の行動の知行一致は望めない。
そして、知っている・出来るでもまだ不十分だ。
それを教えられなければならない。
知っていることは教えられる。出来ることは教えられる。と考えるのは早計だ。
例えば5S。
私の観察によると、5Sを「知ったつもり」になっている人が随分いる。そういう私自身も、前職時代に会社や上司から5Sについて系統立てて教わった経験は無い。しかし職場では、当たり前のように5Sの話が出る。
生産委託先の指導をすることになり、何冊も本を読んで勉強し実践した。知ったつもりになっているだけでは、教えることは出来ない。
例えば作業方法。
流れるような動作で、全く無駄のない作業をしている作業員を見ることがある。
しかし彼女(彼)がそのやり方を教えられるかというと別問題だ。多くの場合、現場リーダがその作業を観察し作業のポイントを分析・抽出して、他の作業員に教える事になる。
教えるためには、観察・分析能力が必要となる。
例えば改善。
自分で改善ができる。その改善内容を皆の前で発表することも出来る。しかしその改善をどうやって発想したか。その発想過程を教えることは、難易度が1ランク上がる。モノ事を、抽象化して汎用化する能力だ。
このコラムは、2011年10月10日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第226号に掲載した記事です。
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