伯牛(1)有疾(2),子问之,自牖(3)执其手,曰:“亡之命矣夫。斯人也而有斯疾也,斯人也而有斯疾也。”
《论语》雍也第六章-10
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(1)伯牛:姓は冉。名は耕。字は伯牛、冉牛とも呼ばれる。孔門十哲のひとり。魯の人。徳行にすぐれていた。
(2)疾:病。当時は不治の病であったハンセン氏病(癩病)
(3)牖:窓
素読文:
伯牛、疾有り。子、之を問う。牖より其の手を執りて、曰わく、之亡からん。命なるかな、斯の人にして斯の疾有るや、斯の人にして斯の疾有や。
解釈:
伯牛が癩を病んで危篤におちいった。孔子は伯牛を見舞われ、窓越しに伯牛の手をとり、いわれた。「惜しい人がなくなる。これも天命だろう。それにしても、この人にこの業病があろうとは。この人にこの業病があろうとは」
ハンセン氏病は当時不治の病と考えられていました。孔子は窓越しに手を握っています。ハンセン氏病は中国でも近代になるまでは伝染性の業病と考えられていました。病室まで行かなかったのはそのためでしょう。