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QCC活動の成果

 現在QCC活動を3組(7社、14サークル)同時に指導している。今週末に最終発表会を合同で行う事になっている。この発表会には日本本社の役員も参加する。
チームメンバーだけではなく、各社の経営者も相当意欲が高まっている(笑)
各組とも最終発表会に送り込む代表チーム選抜の審査を行っているところだ。

先週は2組の選抜審査発表会を開催した。
1組は今回初めてQCC活動を実践した。もう1組は2回目だ。

QCC活動の成果で一番明確なのが活動テーマによる改善効果だ。

今回2回目の取り組みとなった組は、1回目の活動で年間改善効果金額数百万元を出すサークルが2チームあった。これはビギナーズラックというより、今まで何もしていなかったから改善の余地がたくさん残っていたという事だろう(笑)
2回目の今回は年間改善効果金額が数万元から数十万元となっている。

活動メンバーの成長もQCC活動の大きな成果だ。
原因分析は特性要因図(魚骨図)を書いて要因をたくさんあげ、その中から主要要因を探す、という手法をとるチームが多い。
しかし今回初めて参加したサークルは、要因を実験により、原因かどうか検証する方法をとった。検証にはχ二乗検定という統計手法を使っている。
実はこの手法は1回目の活動時から、こういう方法があるよ、と教えていたがどのサークルも尻込みして使わなかった。新参サークルが活用した事で他のサークルも統計手法の活用に意欲を持ち始めている。サークル間の競争意識が、成長意欲につながる。

改善そのものによる成果は一度きりだ。
しかしメンバーの成長や改善意欲の向上により、改善成果は継続する。

QCC道場は4月から第三期を開始する。


このコラムは、2018年3月5日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第636号に掲載した記事です。

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整理の定義

 先週のコラムでは、定義をすることが重要であると書いた。
そしてあなたの会社では5Sの「整理」が定義出来ているだろうか、と問題提起した。

5Sは元々日本で考え出された工場管理の方法であるが、いまや中国でも日系企業ばかりではなく、中華系企業も盛んに5Sの標語を掲示してある。

しかし何か違和感を感じている。日系の工場も含めて「見せ掛けの5S」になっているように思える。

本来5Sとは生産性改善、品質改善の基本であって、モノ造りだけではなく全ての会社に適用可能である。5Sの目的は「儲かること」でなければならないと考えている。

「明日お客様がいらっしゃるから5Sを徹底するように」と発破をかけること自体が5Sの本当の意味を理解していないことだといえる。

5Sにおける整理の定義は、
「要るモノと要らないモノを区別して、要らないモノを捨てる」
と言う事になっている。

そして、先週のコラムに書いた様に定義には目的と方法論が入っているべきだ。
しかし5Sの定義は方法論だけになっている。
Howはあるが、Whyがない。まだ片手落ちだ。

何のために(目的)整理をするのだろうか?

要らないモノを捨てて、有効スペースを増やす。
有効スペースが増えれば、単位面積当たりの生産性があがる。

要らないモノを捨てて、作業スペースを増やす。
作業スペースが増えれば、不良リスクが減る、作業性が改善できる。

今必要ない製品在庫や、中間在庫を捨てて、キャッシュフローを改善する。
外部に倉庫を借りていれば、倉庫の賃料を節約できる。

整理の目的は、一言で言ってしまえば「業績改善・貢献」だ。
しかしこれでは、定義が不明確となり解釈にバラツキが出る可能性がある。一つずつ丁寧に「有効スペースを増やすため」「作業スペースを増やすため」「キャッシュフローを改善するため」と目的を定義に入れた方が良いだろう。

このように定義すれば「整理」と言った時に何をどんな風にすべきか明確になるだろう。


このコラムは、2012年2月6日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第243号に掲載した記事を加筆修正したものです。

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改善の定義

 定義をすると言うことは重要であるが、意外と疎かにされているのではないだろうか。

例えば5Sの定義は出来ているだろうか?
整理・整頓・清掃・清潔・躾け、全て言葉として理解できる。
しかし5Sで整理と言った時に、何のために何をどうすればよいのかは、言葉の理解とは別ものだ。
全員が、整理とは何のために何をどうしなければならないのか、理解できるようにするのが定義だ。

空間の2点を決定すれば、直線は唯一つに定義できる。
同様に目的(何のために)と方法論(何をどうする)の2点を決定しておけば、モノゴトは定義が出来るはずだ。

では「改善」はどのように定義をしたら良いか?

改善の目的と方法論は、
目的:仕事の期待成果を効率的に達成する。
方法論:仕事のやり方を選択または変更する。
となるだろう。

つまり改善を定義すると、以下の様になる。
「仕事の期待成果を効率的に達成するために、仕事のやり方を選択または変更すること」

従って改善とは仕事そのものである。

「日々の生産・出荷に終われて、改善の時間が無い」と言うのは言い訳に聞こえる。時間がないから仕事をしないと言う理屈はありえない。

しかし、優先順位があるのも事実だ。まずは出荷をしなければ、改善をしても意味はない。

問題は、改善と言う課題に対して、時間と言うリソースが不足している。
このような問題を解決することが「経営」だ。

必ずしもこういう問題を放置しているわけではないと思う。
しかし有効な解決策を見出していない状態は、ただ悩んでいるだけと同じだ。
このような状態が続けば、近い将来出荷さえままならなくなるだろう。

時間リソースは一人ひとり有限だ。しかし借りてくることは出来る。借りてきた時間で改善をする。改善できた時間で更に改善する。
このようにして、組織の中に改善文化を築けば、強い競争力を手に入れることが出来る。
このような決断をすることが「経営」と言うことだろう。


このコラムは、2012年1月30日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第242号に掲載した記事を加筆修正したものです。

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QCC活動

 私は幾分ヘソが曲がっている様で(大いにヘソが曲がっていると言う知人は多いが)大学院を卒業後、従業員30人程度の会社に就職した。コンサル会社ではない。製造業だ。開発型のファブレス企業でもない。製造部門の作業員も入れて30人の立派な零細企業だ(笑)

そこから突然1部上場企業に転職した。最初に配属された製品開発部署の課員が30人以上いた。

零細企業では、今日の飯の種を設計する(設計期間1週間なんて当たり前)。しかし転職先では1年後、2年後に商品化する製品の設計をしている。大いに規模の格差を実感した。更にカルチャーショックを受けたのは「QCC活動」だ。実際の開発業務とは別のテーマをサークルごとに自由に取り組むことが出来るのに大いに感激した。長期にわたる開発プロジェクトの合間に、短期間で完結出来るテーマに取り組むことが、気分転換にもなっていた。

自分自身の意志とは逆に、社内のQCC活動が徐々に形骸化して行った。
そんな折に、品質部門を担当することになり、活動する側から指導する側に立場が変わり、どうすれば再び活発になるかを考えた。そのお陰で、事業部の代表サークルが社内の成果発表会で好成績を取れる様になった。

独立後、中国工場の指導でも顧客の現場リーダ、管理者でチームを作りQCC的に改善をするスタイルでやっている。

QCCスタイルで活動することにより、自主性や協調性を養う、改善手法や取り組み方を実体験を通して教えることができる。この方法により、契約期間が終了した後も、顧客社内で改善が継続する様になる。

日本のQCC活動と少し違っているのは、テーマを経営幹部とサークルメンバーが一緒に選定するところだ。ボトムアップでも、トップダウンでもなく、トップ・ボトム協調型と言えば良いだろうか。活動テーマ選定に関しては、サークルの自主性を損なわない様にトップが関与するスタイルだ。その後の活動はメンバーの自主活動となる。

これにより、経営層が狙いたい成果と、メンバーの自主性、改善能力向上を目指すことができる。


このコラムは、2015年6月29日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第430号に掲載した記事を加筆修正したものです。

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技術改善

 中国の生産現場で改善の指導をしていると、設計を少し変更すれば簡単に改善出来る事例がいくらもでもある。製造は設計図面の通りに加工するのが使命と考えているのか、困難な作業もそのまま受け入れている例を良く見る。
今指導をしている中国民営企業でもそのような事例があり、設計変更により1時間近くかかっている作業を10分程度に改善してみせた。同様に製造で困っている作業を設計部門で改善する様指導した。

設計部門は全部で12項目の改善項目を挙げ、自主活動をしている。今回は4項目の改善が完了したというので、設計者達から報告をしてもらった。

その内の一つの事例を紹介しよう。
総組み立てで部品を組み付ける際に、固定用の穴を支柱に空けボルトナットで固定している。これを事前にボルトを溶接で固定しておく事により、穴あけ作業をなくした、という設計改善の報告があった。

確かに総組み立て工程で、狭い場所にドリルで穴を空けるという無理な作業が無くなり、改善出来た。しかし部品本体と固定用のボルトの間隔が狭く、電動工具が使えない。
変更前も同様に電動工具が使えないので、スパナでボルトを締めていた。
彼らは、穴あけ作業が簡単になれば改善だと考えた様だ。

更に改善するために電動工具を使える様にするためにはどうしたら良いか、と課題を与えてみた。固定用の金具を長くする。などのアイディアが出て来る。最終的には、固定用の金具をL字型に曲げ、上からナットを締めれば本体と干渉する事なく簡単に電動工具で作業出来ると気がつく。

この検討を3人の設計者にやってもらった。私は何もヒントを与えていない。
3人で検討する事により、アイディアが広がり、最終改善案となった。
この体験で、中堅の設計者達は得るモノがあっただろう。

多くの指導先での改善活動は、改善項目ごとに担当者を決めスケジュールを設定する。これが「管理」だと考えている様だ。「責任」を追及出来る様にする事が管理ではない。より良いアイディアがどうすれば出るかを考えるのが、設計における「管理」だろう。
こういう場面でQCC的アプローチが大いに力を発揮する。

こちらもご参考に。「QCC道場」


このコラムは、2016年10月31日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第500号に掲載した記事に加筆修正したものです。

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現場・現物で確認する

 今年は大きなプロジェクトが入っており、6人のコンサルタントがチームを作りお客様の工場を指導している。私は現場改善を担当し、中国人コンサルが2名が下についている。彼らには工場に張り付き、私の指導を推進してもらっている。
二人とも、立派な経歴を持っている。日本人の様に一社で勤め上げると言う習慣がないので、すごい企業を渡り歩いて来た様に見える(笑)

しかし残念ながら、そのうち一人は早々に降りてもらうことになった。
理論はしっかりしているし、現場の指導も問題ない。しかし重大な欠点が有った。

お客様の幹部から,塗装工程がボトルネックになっている、と聞きそれを鵜呑みにしてしまう。お客様幹部は、理論的作業人工からボトルネックは塗装だと言っている。しかし現実は,種々の原因(主に大量の中間在庫)により、塗装工程がボトルネックではなく、その後の組み立て工程がボトルネックとなっている。

それを指摘しても、なお塗装工程の改善をしたがる。現場を見れば塗装完了品が中間在庫としてたまっているのが一目瞭然だ。下手に塗装工程の生産性改善をしてしまうと、ますます中間在庫が増え逆効果となる。

トヨタには『「者」に聞くな。「物」に聞け』という格言が有るそうだ。
たとえお客様の幹部であっても、言っていることの前提が違っていたり、内部にいるため正しく課題をとらえていないことはしばしば有る。
お客様幹部と同じ目線でモノを見ていれば、コンサルの価値はない。


このコラムは、2016年4月11日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第471号に掲載した記事に加筆修正したものです。

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【中国生産現場から品質改善・経営革新】

改善提案

私の友人富田氏は、東莞に工場を立ち上げ10年間で顧客数を50倍近くにし、武漢にも分工場を作った素晴らしい経営者だ。

5Sや生産現場の改善ばかりではなく、中国人幹部が経営に参画し経営計画を作れるように従業員の育成に力を入れておられた。

彼の工場では改善提案制度は3年やってやめたそうだ。
改善提案制度を継続しても、なかなか提案内容のレベルが上がらない。提案件数にノルマをかけたりするとゴミの様な提案ばかりが出てくる。そんな悩みを持っている方も多いと思う。

富田氏は改善提案制度をすっぱりやめ、小集団改善活動に切り替えた。

一つは上司から課題を与えられ、即改善に取り組む活動。もう一つはQCC活動。
改善提案制度は、自主的に考え提案することに慣れていない従業員が多い時には有効だ。しかし従業員の実力が上がってくるとマンネリ化してしまう。そう言う時期にチーム改善活動を導入し、従業員の更なるレベルアップを計るとよいだろう。

私はチーム改善活動をする際に以下の様な手順を踏んでいる。

まず上司を入れて職場の問題や課題を挙げてもらう。初めてこういう活動をする中国企業では、メンバーが大興奮して、後から後から問題点、課題が出てくる(笑)ある中国企業製造部の各職場で、自部門が考える問題点、課題、他部門から見た問題点、課題を各職場ごとに話し合ったら、1時間足らずで47個の課題が出た。47個の課題を改善すれば、とてつもない効果を得ることができる。

これらの問題点、課題を一つずつ検討して以下の3つに分ける。
(1)即改善する。
(2)QCCとして活動する。
(3)何もしない。

この3つに入らないテーマは、もう少し現状を調査することになる。
(1)に分類されたテーマは、担当チームを作り改善活動をする。QCC手法に乗っ取り活動することは要求しない。週次もしくは月次の部門報告会で活動の進捗、成果を確認し必要があれば指導する。

(2)はどう改善したら良いか検討が必要なテーマであり、QCC手法で活動する。これはQCC活動支援の月次会議で活動の進捗確認、支援アドバイスをする。

このような活動とすることにより、直接業績に貢献できる課題に取り組む事ができる。この際気をつけたいのは、どちらのチーム改善活動も、テーマが上司から与えられたモノではなく、自主的に選んだモノであるとチームのメンバーが認識する様にすることだ。上司から無理矢理やらされていると感じれば、メンバーの自主性や成長実感が損なわれる。勘違いでも良い(笑)自主的に活動していると実感できれば、積極的に活動に取り組み、成果、成長実感も高くなる。ここは上司のリーダシップが問われる所だ。

こちらもご参考に「QCC道場」


このコラムは、2016年2月1日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第461号に掲載した記事に加筆修正したものです。

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改善のフットワーク

 今改善のお手伝いをしている工場で、作業の無駄をなくすためにレイアウトを変えようということになった。考え方と方向性を示して、次回訪問時までに自分たちで考えてレイアウトを変更しておくように指示をした。

一ヶ月後の訪問で、どのような変化があるか楽しみにしていた。
しかし何も変化はない。一ヶ月もかかって何もやってないとは何事かと叱ると、コンピュータで作画したレイアウト変更計画図面を見せてくれた。絵だけを描いて一ヶ月待っていたのだ。

そうではないすぐにやろうといって、その場で作業台の並べ替えを始めようとした。ところが又まずレイアウト図面を作ろうという。

絵だけを描いても何も改善できない。まずやってみて問題があれば、又改善する。これを繰り返しているうちに、「現場の改善力」がついてくる。頭で考えない。手で考える。体で考える。

現場の人たちが体を動かして考えることが肝要である。私が一方的に指示をしてレイアウトを変更して見せても『現場の改善力』は向上しない。

小さなことでもすぐやってみる。そして又次の問題が見つかればそれを改善する。これをフットワークよくやる。山登りと同じである。小さな峰に到達すると次の峰が見えるものだ。

あなたの工場の改善のフットワークはいかがだろうか。軽~いフットワークで改善のサイクルを軽快にまわしたい。


このコラムは、2008年2月18日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第第21号に掲載した記事に加筆したものです。

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リストを持つ

 私の仕事は、クライアントの現場で品質や生産性の改善をサポートすることだ。この活動を通して、お客様の改善リーダを育成することを目的としている。契約期間が終わっても、お客様の改善リーダが改善を継続出来る様ににすることが仕事だと考えている。

従って、ここをこうしろと具体的な指示をすることは指導の回数が増えるにつれて減ってくる。改善のテーマとヒントを与えて、次回までに改善リーダが自主的に改善する、というスタイルでやっている。

毎回訪問時に、前回の課題の達成度を確認する。
先週訪問したお客様の改善リーダが、課題リストを作っていないのを発見し、再指導した。

改善リーダと言っても、専属で改善に取り組むことはなかなか難しい。通常は、自分の職務の他に改善活動をやっている、特に経営幹部の場合は、他にもやらねばならない業務がいくらもある。改善の実行をメンバーに任せなければ出来ない。

そのためのマネジメントツールとして、課題リストを作成することが必要だ。忙しいからと言って、リスト作りを後回しにすると、更に忙しくなってしまう。

課題リストとは、改善課題と、担当者、スケジュール、現状が一覧できる表のことだ。これを毎日確認し、現状を改訂して行く。そしてそれをメンバーと共有し、進捗マネジメントに活用する。

課題リストを活用して、メンバーのホウレンソウを促進することも出来る。

課題リストは、仕事ばかりではなく個人の生活にも応用可能だ。
人生の課題リスト(こうなりたいというWish List(願望リスト))を作り、毎日見る。よく夢、希望、願望を紙に書け、と言われるが書いただけでは不十分だ。毎日見ることで、達成の確率が上がる。

私も毎月新月の日に、課題リストを手帳に書き直している。


このコラムは、2012年5月28日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第259号に掲載した記事に加筆したものです。

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生産委託先の指導

 このメールマガジンの読者様の多くは、生産現場に関わっている方々だと認識している。生産委託先現場の改善指導について、自分なりの考え方を書いてみたい。

私は前職時代に、日本国内、海外の自社工場、生産委託先工場の指導をしていた。
自社工場の場合は、少なくとも経営幹部とは価値観を共有できている。しかし生産委託先の場合は、経営者との価値観共有から指導をしなければならない。ここがずれていると、現場の指導はうまく行かない。

その上で現場のリーダークラスのレベルを上げて行く。
Q(品質):原因分析のレベルを上げる。問題発生の予知能力を上げる。
C(コスト),D(納期):生産量よりは生産効率を優先させる。
こういう指導を現場で実践する。
QCDが相互に対立する関係ではなく、相乗的に向上させることが出来ることを実践してみせる。

例えば工程内不良を減らすことが出来れば、生産性が上がりコストは下がる。
更にリードタイムを短くすれば、タイムリーに工程内不良対策が出来、品質は更に上がる。

当然1週間や2週間では変化は起きないが、半年・1年の期間でリーダー達のレベルが上がる。ここまでくれば、加速度的に良くなるはずだ。それまでの間は、現場の実践を通して繰り返し教える。


このコラムは、2016年2月8日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第462号に掲載した記事に加筆したものです。

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