子曰:君子成人之美,不成人之恶。小人反是。
《论语》颜渊第十二-16
素読文:
子曰く:“君子は人の美を成し、人の悪を成なさず。小人は是に反す。”
解釈:
君子は人の良い点を称賛し助長するが、欠点につては触れない様にしている。しかし小人はこれと反対である。
美点凝視。部下育成の鉄則です。
こちらもどうぞ「美点凝視」
子曰:君子成人之美,不成人之恶。小人反是。
《论语》颜渊第十二-16
素読文:
子曰く:“君子は人の美を成し、人の悪を成なさず。小人は是に反す。”
解釈:
君子は人の良い点を称賛し助長するが、欠点につては触れない様にしている。しかし小人はこれと反対である。
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子夏曰:“小人之过也必文(1) 。”
《论语》子张第十九-8
(1)文:かざる。うわべを繕う。
素読文:
子夏曰わく:「小人の過ちや必ず文る。」
解釈:
小人は過ちを犯すと、それをごまかし取り繕う。
政官財各界に文る小人の多いこと。嘆かわしいことです。
《论语》阳货第十七-25
(1)女子:教養のない女性
素読文:
解釈:
子曰く「女子と小人は付き合い方に困る。近づければのさばり、遠ざければ恨む」
孔子は《论语》为政第二-14でこう言っています。
子曰わく、君子は周して比せず。小人は比して周せず。
女子とは女性全般ではなく、教養のない女性のことです。念のため。
子路曰:“君子尚勇(1)乎?”
子曰:“君子义(2)以为上。君子有勇而无义为乱,小人有勇而无义为盗。”《论语》阳货第十七-23
(1)勇:勇気
(2)义:正義
素読文:
子路曰わく:“君子は勇を尚ぶか。”
子曰わく:“君子は義以て上と為す。君子勇有りて義無ければ乱を為す。小人勇有て義無ければ盗を為す。”
解釈:
子路が「君子は『勇』を尊ぶか?」と孔子に問う。
孔子は答えて曰く「君子は『義』を重視する。君子に『勇』があり『義』がなければ、反乱を起こす。小人に『勇』があり『義』がなければ盗賊になる」
君子たるもの『義』がなければならない。その上で『義』を貫く『勇』が必要。
子曰:色(1)厲(2)而内(3)荏(4),譬诸小人,其犹穿窬之盗(5)也欤。
《论语》阳货第十七-12
(1)色:うわべ
(2)厲(厉):威厳がある
(3)内:内心
(4)荏:意志が弱い
(5)穿窬之盜:壁に穴を開け、塀を登る盗賊
素読文:
子曰わく、色厲しくして内荏らかなるは、諸を小人に譬うれば、其猶お穿窬の盗のごときか。
解釈:
見かけは威厳があっても内心軟弱な人間は、小人に例えればコソ泥のようなものだ。
小人の反対が君子だとすれば、君子は色荏にして内厲「人当たりは良くても、心の中では自己の理想を貫く人」となるでしょうか。
子之(1)武城(2),闻弦歌(3)之声。夫子(4)莞尔(5)而笑曰:“割鸡焉用牛刀?”
子游(6)对(7)曰:“昔者偃(8)也闻诸(9)夫子曰:‘君子学道则爱人,小人学道则易使也(10)。’”
子曰:“二三子(11),偃之言是也,前言戏之(12)耳(13)。”《论语》阳货第十七-4
(1)之:行く。
(2)武城:魯国の小さな町。子游が武城の宰相を務めていた。
(3)弦歌:琴の音に合わせて歌う。
(4)夫子:孔子に対する尊称。
(5)莞尔:微笑する。
(6)子游:孔門十哲のひとり。姓は言、名は偃、呉の人。
(7)对:(目上の人に対して)答える。
(8)偃:子游の名。
(9)诸:これ。後ろの“君子学道则爱人,小人学道则易使也”を指す。
(10)易使也:従順になりやすい。
(11)二三子:弟子たちに呼びかける言葉。
(12)戏之:冗談を言う。
(13)耳:〜しただけ。
素読文:
子、武城に之き、絃歌の声を聞く。夫子莞尓として笑いて曰わく、鶏を割くに、焉んぞ牛刀を用いん。
子游対えて曰わく、昔者偃や、諸を夫子に聞く。曰わく、君子道を学べば則ち人を愛し、小人道を学べば則ち使い易し、と。
子曰わく、二三子、偃の言是なり。前言は之に戯れしのみ。
解釈:
武城を歩くと弦歌の声が聞こえる。孔子は、微笑みながら「鶏を割くのに牛刀を使うまでもなかろう」と言われた。
子游は「以前私は、師から「為政者が道を学び民を愛し、民が道を学べば、治めやすい」と学びました」と孔子にいう。
孔子は、門人たちに向かって「子游のいう通りだ。今私が言ったのは冗談だ」と言った。
門人の子游が治めていた武城の街を歩くと、人々の文化の高さや治安の良さを感じた孔子は、嬉しくなり思わず「牛刀割鶏」と言ってしまったのでしょう。
孔子曰:“君子有三畏(1)。畏天命(2),畏大人(3),畏圣人之言(4)。小人不知天命而不畏也。狎(5)大人,侮(6)圣人之言。”
《论语》季氏第十六章-8
(1)畏:おそれ敬う
(2)天命:天から与えられた使命
(3)大人:高い地位にある人、徳のある人
(4)圣人之言:聖人の言葉
(5)狎:なれなれしくする
(6)侮:あなどる
素読文:
孔子曰わく:“君子に三畏あり。天命を畏れ、大人を畏れ、聖人の言を畏る。小人は天命を知らずして畏れざるなり。大人に狎れ、聖人の言を侮る。
解釈:
子曰く:“君子には三つの畏れがある。天命を畏れ、目上の者を畏れ、聖人の言葉を畏れる。小人は天命を知らずそれを畏れない。そして目上の者になれなれしくし、聖人の言葉をあなどる。
「畏れる」というのは恐怖により消極的になる、という意味ではないと思っています。「おそれ尊ぶ」という意味と考えれば、天命にも、大人にも、聖人の言葉にも積極的に考えることができるはずです。
子曰:“君子不可小知(1),而可大受(2)也。小人不可大受,而可小知也。”
《论语》卫灵公篇第十五-34
(1)小知:小事を行う。
(2)大受:責任ある仕事を任せる。
素読文:
子曰わく:“君子は小知せしむべからずして、大受せしむべきなり。小人は大受せしむべからずして、小知せしむべきなり。”
解釈:
子曰く:“君子には細々した小事を任せるべきではない。責任ある大事を任せるべきだ。小人には大事を任せてはいけない。小事を任せるべきだ。”
君子ならば小事もそつなくこなすことができるだろう。しかし君子に小事を任せてはいけない。
小人には責任ある大事をこなすことはできないかもしれない。しかし小人でも小事をそつなくこなすことはできる。
孔子が言っているのは「君子たる部下に責任ある仕事を任せ、小人の部下には細々した仕事を任せよ」ということではないと思う。
組織内で、職位の低い者に小事ばかり任していれば、いつまで経っても成長しない。上司たる者、失敗の責任を取る覚悟で、大事を任せ部下の成長を促すべきだろう。肝心なことは、君子を目指す部下に大事を与えて育てる、小人のままでいる部下に成長を目指す心を持たせることだ。
子曰:“君子求诸己,小人求诸人。”
《论语》卫灵公第十五-21
素読文:
子曰わく:“君子は諸を己に求め、小人は諸を人に求む。”
解釈:
君子は何事も自責で考え、小人は何事も他責で考える。
自責で考えるから解決方法が見つかる。他責で考えれば解決方法はなく、己の不運を嘆くだけとなる。
例えば会社の経営がうまくゆかないのは不景気のせい(他責)だと考える経営者(小人)は、自分では景気を改善することはできず、不景気を呪うのみである。
会社の経営がうまくいかないのは、自分の経営方法が悪いから(自責)だと考える経営者(君子)は、経営方法を改善する努力により経営を立て直すことができる。
在陈(1)绝粮(2),从者病(3),莫能兴(4)。子路愠(5)见曰:“君子亦有乎?” 子曰:“君子固(6)穷(7),小人穷斯滥矣。”
《论语》卫灵公第十五-2
(1)陈:国名。河南省にあった小国。
(2)绝粮:食料が絶える。
(3)病:飢えて疲れ果てる。
(4)莫能兴:立ちあがることができない。
(5)愠:いかる。
(6)固:もとより、元々。
(7)穷:窮する。行き詰まる。
素読文:
陳に在りて糧を絶つ。従者病みて、能く興つこと莫し。子路慍りて見えて曰わく:“君子も亦た窮すること有るか。” 子曰わく:“君子固より窮す。小人窮すれば斯に濫る。”
解釈:
卫灵公第十五-1で衛の霊公が戦陣について孔子に尋ねている。孔子は戦争が始まると考え、衛の国を逃れる。
陳の国に逃げ延びたあたりで、食料がつき弟子たちも空腹で起き上がることもできなくなった。
子路が憤慨して孔子に問う。「君子も窮することがあるでしょうか」
孔子は答えて曰く「君子とて窮することはある。しかし小人は窮した上に取り乱す」
小人は窮すれば濫れる。君子は窮しても濫れない。