金沢市で女性が挟まれて死亡したエレベーターは、2006年に東京都港区で高校生が死亡したエレベーターとブレーキなど主要部分が同型だったことがわかった。同様のエレベーターは全国に約80台ある。金沢の事故機は06年の事故原因の対策をしており、国土交通省は別の不具合があった可能性があるとみて調べている。
シンドラーエレベータ社によると、同型なのはブレーキのほか、巻き上げ機や制御盤などエレベーターの基幹部分。同社は2日、80台のうち約8割の点検を終えたが、異常は見つかっていないという。
06年の事故を調査した国交省の報告書によると、扉が開いたままかごが上昇して男子高校生が挟まれた。ブレーキが中途半端にかかった状態で運転を繰り返したためブレーキパッドが摩耗。ブレーキのききが弱くなり、ブレーキをかけてもかごが上昇してしまった。製造後の定期点検では、こうした不具合が見つけられなかった。
事故後、シンドラー社は同型のブレーキではパッドの摩耗を検知するセンサーを取り付けるようになった。金沢の事故機にもセンサーは取り付けられていた。しかし今回も、女性が扉の開いたエレベーターに乗り込もうとしたときにかごが急に上昇して挟まれた。
金沢の事故機には2日までの石川県警や国交省の調査では目立った異常は見つかっていないため、06年の事故とは原因が異なるとみられる。ブレーキの不具合以外の点検ミスや、エレベーター本体に製造上の欠陥があった可能性を視野に入れ、国交省は事故機の調査だけでなくシンドラー社や保守業者にも話を聞く方針だ。
(asahi.comより)
中国でエレベータに乗るときは,細心の注意が必要だ.
私は今のアパートに引っ越して5年目になるが,その間に5回エレベータに閉じ込められている.そのうち4回目は,エレベータの牽引ワイヤが切れ,2,3階分落下した.普段から激しい異音がしていたのに,壊れるまで修理されなかった.
近所のホテルのエレベータは,21人(!)乗せ19階から地下1階まで落下し重症を含むけが人を6人も出した.積載重量オーバーのセンサーが正常に動作していなかった,と思われる.
別のオフィスにあるエレベータ乗った時に,扉が閉まるのを止めようとして手を出し,ヒヤリとしたことがある.通常扉に付いているバンパーがなくなっていたのだ.バンパーにリミットスイッチが連動しており,扉が閉まったことを検出するようになっているはずだ.何かの都合で,バンパーがごっそり外され,センサー回路を殺して運転していたものと思われる.
いくらまともに設計製造してあっても,いいかげんなメンテナンスでは,正常に運用は出来ない.
メンテナンスとは,点検により壊れているところを探して,修理することではない.壊れる前に,修理をすることをメンテナンスと言う.
今回取り上げたシンドラー製エレベータの事故は,メンテナンスの問題ではないと思う.
素人の大胆な考えを言わせてもらえば(笑),ブレーキがかかっている状態で,上昇用の牽引ワイヤー巻上げモーターが回っていると言うのが解せない.設計不良なのではなかろうか?
モータはエンジンと違って,簡単にON/OFF出来るはずだ.
ブレーキが作動した時点で,モータの回転を止めれば,このような事故は発生しないはずだ.
もしエレベータの専門家がいらっしゃったら,なぜブレーキがかかっている状態でモーターをOFFに出来ないのか,是非教えていただきたい.
もう一点,エレベータ専門家に教えていただきたいことがある.
エレベータには積載重量を計測するセンサーが付いていると思う.たくさん人が乗ると,ブザーが鳴り扉が閉まらなくなり,事故防止の保護が働くようになっている.
この保護機能は,エレベータの定期点検でどのように点検しているのだろうか?点検中のエレベータをしばしば見かけるが,点検作業員が1tの点検用重りを持っているのは見たことがない.
上記の21人乗りのエレベータ落下事故以来,ずっと気になっている疑問だ.
もしご存知の方がおられたら,是非教えていただきたい.
この記事にはコメントを残せるようにした。
このコラムは、2012年11月5日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第282号に掲載した記事です。
【中国生産現場から品質改善・経営革新】は毎週月・水・金曜日に配信している無料メールマガジンです。ご興味がおありの方はこちら↓から配信登録出来ます。
【中国生産現場から品質改善・経営革新】