この季節になると、新聞は甲子園一色になってしまう。夏の高校野球を主催している新聞社なのでしばらく我慢するしかない。野球が嫌いというわけではない。高校生の頃は野球をやっていた。通っていた高校には硬式野球部はなく、軟式野球をやっていた。そんなわけで甲子園球場には全く縁がなく、硬式野球に対してコンプレックスさえ持っていた。当時はコンプレックスとは思っていなかったが(笑)
そんな新聞の記事に、履正社・岡田龍生監督の言葉が紹介されていた。
監督の正確なノックの技術でチームの守備力を高め、無失策で試合に勝つのが履正社高校のチームカラーなのだろう。(打撃力もあると書いてあるが……)
ところで「打率10割は無理でも失策は0にできる」は当たり前だと思う。
相手ピッチャーの力量によっては、バットにボールを当てることすら難しい。ヒットなど望むべくもない。ということはありうる。力量に差はなくとも、打率10割を達成した選手はプロ野球にもいない。
しかし失策ゼロは、簡単に達成できる。
取れそうもない打球は取りに行かなければいいのだ(笑)ボールにグラブが触れなければエラーとはならない。
岡田監督がおっしゃっているのはそんな低レベルの話ではないことは確かだが。
ところで我々製造業にとって「失策」を不良と考えてみると、簡単でなくとも失策はゼロにできると考えるべきだ。「失策」を安全事故と考えれば、失策をゼロにするのは必須である。
ギリギリのところで捕球できるノックを何度も練習する。
我々製造現場では、一度発生した不良は確実な再発防止対策をする。
思考実験であらゆる潜在不良を洗い出し未然防止対策をする。
ヒヤリ・ハットをきちんと表に出し対策をする。
製造業にとってのノックはこうした再発防止対策や未然防止対策を検討する事だ。
野球ではノックは監督・コーチの仕事だが、製造業では従業員全員の仕事だ。
このコラムは、2019年8月7日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第859号に掲載した記事です。
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