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人材の下には人材が隠れていても育たない

人材の下には人材が隠れていても育たない

一倉定

「社長の教祖」と呼ばれる経営コンサルタント一倉定の言葉である.

実は年末から年始にかけて今春創刊される雑誌のための原稿を書いていた.私に与えられたテーマは「人材育成」そんなわけでこんな言葉を思い出した.

トップから外に出しなさいと,私もよく言っている.
トップを外に出すとその組織の二番手三番手にチャンスが回ってくる.彼らはチャンスをつかもうとモチベーションを上げてがんばる.これで組織が活性化し成長パワーを発揮する.

トップが居座っていると二番手三番手が上に行くチャンスがなくなる.こういう状態の組織は閉塞感が漂い停滞するものだ.

組織のトップを移動させるのは大変勇気のいることだろう.
トップを動かす(または離職する)ことを恐れて組織を停滞させてしまっては元も子もない.それよりは勇気を持って組織を活性化させたほうが良い結果につながるはずだ.


このコラムは、2008年1月7日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第15号に掲載した記事に加筆したものです。

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高離職率組織の運営

 たった7人(内日本人2人)の幹部で、2,000~2,500人の組織を運営している。しかも2,000人超の実動部隊は無給だ。無給どころかプロジェクトの活動費は、彼ら自身で調達してくる。

このメルマガで何度か紹介した原田燎太郎さんが率いるハンセン病元患者支援の学生ボランティア組織「家-JIA-」の事だ。

メルマガ過去記事
世界を変える
モチベーションの高め方

学生なので、卒業し社会人となれば、ボランティア活動も卒業だ。従って最長4年で組織を離れて行く。つまり年間離職率は最低でも25%だと言う事だ。
このような組織で、成果を出し続けている。
学生ボランティアは、高い貢献意欲を持ち、無給でも喜んでプロジェクトに参加してくる。この秘密を理解できれば、企業経営役立てる事が出来るだろうと考え、東莞和僑会に「家」の原田さん、菅野さんを招き、参加者と共に議論した。

原田さんや菅野さんにとって当たり前に出来ている事は、我々には「奇跡」と言って良いレベルだ。東莞和僑会定例会では出し尽くせなかった秘密を探ろうと、有志メンバーで更に議論を重ねている。

「家」の学生ボランティアは、ボランティア活動の計画、実行、総括のPDCAをまわす事が出来る。大卒新人に社内プロジェクトを任せる事が出来るだろうか?多分そのような無謀なチャレンジをする企業はないだろう。これが出来るのは「家」の教育システムに有る事は分かっている。後は、ボランディアのモチベーションを上げる、場のエネルギーを上げる方法を理解できれば、企業経営にも応用可能だと考えている。

これを体系的に整理し、経営者や経営幹部に対して教育訓練するプログラムを開発すれば「家」の慢性的資金難は解決できると期待している。

しかし事態は急を要するようだ。
最近原田さんから、緊急メッセージが来た。円安により日本の財団からの支援金が目減り、中国財団からの支援も期間短縮で目減りしている。その結果「家」運営事務局の維持が困難になっている。学生ボランティアを育成・支援している母体が無くなってしまえば、ハンセン病支援ボランティアはなくなってしまう。それよりも彼らが、排出し続けているボランティア経験を持つ優秀な新社会人が無くなる。これは大きな社会損失だ。

私個人が出来る支援では、焼け石に水だろう。
このメルマガを読んでおられる方々の支援を是非お願いしたい。

企業として支援、個人として定期的に支援、単発で支援、いろいろな方法が選べる様になっている。

「家」ホームページから支援が出来る様になっている。

ホームページの「サポートする」と言うタグをクリックすると、支援方法の説明が有る。
日本の郵便振替以外にも、中国工商銀行、香港HSBCへの振込が可能だ


このコラムは、2015年12月28日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第456号に掲載した記事に加筆修正しました。

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何を学ぶか、子どもが決める

 「君は今年、何を学ぶの?」。新学年が始まる2月初め、ニュージーランドの高校では教師が生徒によく、こんな質問をします。40以上の科目から、生徒自身が、興味や将来の進路に合わせて選ぶためです。授業も講義がメイン
ではなく、生徒が自らテーマを決めて課題に取り組み、教師はサポートに回るスタイルです。

(朝日新聞電子版より)

 ニュージーランドの公立高校では、教師から「教わる」のではなく、自ら「学ぶ」方式がとられている。
日本では、子供に必要な教科を国が準備して教育をする方式だ。この記事を読んで、日本方式は教える側の都合ではないかと言う疑念を感じた。

確かに、読み書き計算の基礎的な能力は等しく教えなければならないだろうが、高校生に画一的な教育をする必要があるだろうか?日本の高校は大学予備校の位置づけになっており、大学受験に合格する「学力」を身につけることが目的化してしまっているのではないだろうか?

そう簡単には解決できる問題ではなさそうだ。
しかし企業の中で行われる人材教育は、大学受験を考慮する必要はない。

宇宙産業に取り組む中小企業・カムイスペースワークスの植松社長は「教育とは死に至らない失敗を安全に経験させるためのモノです」と言い切っている。

「思うは招く~自分たちの力で最高のロケットを作る!」植松努著

会社が無くなってしまう様な失敗は経験させることは出来ないが、仕事で失敗することで得られる学びは大きいはずだ。
「学び」とは「体験」と言い換えることが出来そうだ。
良き指導者は、部下に体験を通して成長支援ができる人だ。


このコラムは、2016年2月22日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第464号に掲載した記事です。

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人を輝かせる

 以前配信したメールマガジンに「暗い夜を照らす月と明るい昼間を照らす太陽のどちらが偉いか?」という命題について検討した。

「太陽の役割、月の役割」

「命題を検討」などと書いてしまったが、そんな立派なものではない(笑)
太陽は明るい昼間しか照らさないので「無用の用」などと考えてはいけない。闇夜を照らす月を輝かしているのは太陽である。太陽は自分自身で輝くだけではなく、月を輝かすことによって、暗い夜にも光を提供している。

人間社会でも同様なことはある。
相手を輝かす。相手が輝けばその照り返しで自分自身も輝く。
顧客を輝かせば、それを見た潜在顧客がその輝きに集まってくる。
部下を輝かせば、当然チームの成果は高くなる。

人を輝かせる最善の方法は、褒めることだ。
むやみに褒めてもお世辞くらいにしかならない。
外見を褒めてもダメだ。美男美女は子供の頃から外見を褒められている。そういう人は外見を褒められても心は動かない。花を褒めるより根を褒める。外見そのものよりも、存在そのものを承認する。
例えば部下の考え方が間違っていると思った時「君の考え方は間違っている」と言わない。「間違いではなく」「考え方の差異」と考えて解きほぐす。
「間違っている」と言ってしまえば、部下は反発するか、自己防衛モードに落ち込むだけだ。


このコラムは、2020年2月10日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第939号に掲載した記事です。

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教育

 「モノ造りは人造り」とよく言うが,品質改善・生産性改善を極めてゆくと必ず人事制度,人材育成問題に突き当たる.

人の能力にはIQ,EQ,SQがある.
IQ,EQはご存知の通り,Intelligent Quotient,Emotional Quotientの略である.SQは私の勝手な造語でSkill Quotientの意味.

すなわちIQは頭,SQは体,EQは心を鍛えるという図式である.

まずは知識を教え込みそれを現場教育(OJT)を通して技能として体に叩き込む.
更にこれらの成長が加速継続するように行動開発を通してモチベーションを上げる,というわけだ.この行動開発がEQを高める教育に当たる.

知識や技能は教育訓練するのは比較的易しい.またその効果を確認する方法も比較的簡単である.

一方道徳研修,リーダシップ育成などの行動教育はその教育効果を計測するのが困難である.教育後のテストでは知識面の評価しかできない.EQを高める教育の効果は,やはり現場での行動発揮で評価するしかなかろう.

あなたの工場ではどんな教育・訓練を実施しておられるだろうか?


このコラムは、2008年4月14日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第29号に掲載した記事です。

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問題解決能力

 以前のメルマガで問題を定義する能力について書いた。

「問題を定義する能力」

学生は問題を解く力を学習するが、実社会で仕事をしている人間は問題を解決する能力が問われる。その第一歩が「問題を定義する能力」であるという趣旨だった。

社会人として要求される能力は次のような段階がある。

  1. 指示・命令を実行する行動能力
  2. 前例に従って自主的に判断・実行する能力
  3. 問題を発見し対応を検討し実行する能力

第一段階は、すでに解決すべき課題が明示されているので、課題を解決する行動能力だけで課題は達成できる。こういう仕事は、新人研修時の仕事だ。何かを考えたり、創造する仕事にはならない。

第二段階は、すでに前例のある課題を与えられた場合。前例を調べて自主的に解決方法を決定し、実行する。前例踏襲で解決できる。しかし前例踏襲で満足している組織には成長がない。どの事例を適用すれば良いか考えるが、創造的な能力は磨かれない。例えば、慢性不良が解決できないのは前例踏襲の対策しか実施していないからだ。

第三段階は、問題を発見・定義し、革新的対応を創造する能力が必要となる。
例えば、慢性不良の解決、生産方式の革新、新商品の開発、などは前例踏襲が役に立たない。創造的な発想、アイディアが要求される。


このコラムは、2020年3月16日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第954号に掲載した記事です。

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ピンチをチャンスに

 世界同時金融危機の時にメルマガにこんな記事を書いた。

「世界経済の低迷」

今回の新型コロナウィルスの感染拡大は、世界同時金融危機より深刻な影響になりそうな勢いだ。
こういう時期に経営者は3K経費を削減すると言われている。「3K」とは交通費、交際費、広告費だ。製造業の場合は広告費はほとんど必要ないと思う。
製造業の経営危機時に削減する「3K」は交通費、交際費、教育費だろう。

しかし経費の削減だけではピンチをチャンスに変えることはできない。
今中国の工場は、材料が入ってこない、従業員が戻ってこない、注文がない、など大逆境だと思う。しかしここで仕込みをしておかなければ、感染が沈静化した時に一気に立ち上がることはできない。

金融危機時受注が半減した友人の工場は、固定経費の徹底削減をした。
トータルで300万元/年の削減ができたと言っていた。
例えば、生産ブロアのレイアウトを変更し、2台あるエレベータを1台で運用するように改善した。これでエレベータの保守点検費用は半分になった。平常時にこのような改善をするのはほとんど不可能だろう。日々の生産があり、ラインを止めてレイアウト変更は難しい。

平時から従業員の教育は重要だとほとんどの経営者は考えている。以前は教育してもすぐ辞めてしまうので、教育など無駄だという経営者もいた。しかしその後、そういう人たちの消息は杳として聞こえてこない(笑)

教育には経費がかかる、と考えるのは「思考停止状態」だ。
工夫次第で経費をかけずに教育研修はできる。

例えば、若手に過去に発生した不良とその再発防止対策をまず整理させる。
その内容を上級の職員を交えて再検討をする。この様なディスカッションで、若手は過去の不良事例を自ら学ぶことになる。そしてディスカッションの中でより良い対策が生まれれば、組織全体の学びになるはずだ。
この様な工夫をすれば、間接職場も同様に学びを得られるはずだ。


このコラムは、2020年3月9日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第951号に掲載した記事です。

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中国QCサークル事情

 最近中国にてQCサークル活動を指導している中国人と知り合った.
中国の経営者は,日本的モノ造りの優位性を信じており,QCサークル活動に対しても少なからぬ期待を持っているようだ.

中国では,既に製造業以外でもQCサークル活動が行われている.
彼は中国の通信系会社(キャリア)でもQCサークル活動の指導をしている.

ところで,本家であるはずの日系中国工場のQCサークル活動状況は,あまりぱっとしない.大手企業はQCサークル活動を導入しており,グループ会社間で交流会を開催しているところもある.しかし中堅・中小の工場ではQCサークル活動を導入しているところは少ない.

QCサークル活動は,活動そのものによる改善効果だけではなく,チームワーク,仕事を通した求心力の醸成,問題解決能力,プレゼンテーション能力などの開発が期待できる.

中堅・中小企業の場合,適切な指導者が社内にいないなどの理由があり,QCサークル活動の挿入に踏み切れない.また外部から指導者を招聘すれば,費用の負担が大きくなる.などの理由により,なかなかQCサークル活動が活性化しないようだ.

また日本でQCサークル活動が停滞しているのも一つの要因だろう.
しかし中国では,リーダクラス育成のためのOJT効果を期待してQCサークル活動を再生できると考えている.

異業種交流の形をとって,QCサークル活動を導入するなどの方法を考えれば,中堅・中小企業にも比較的容易に導入可能だと思う.

日本で生まれ,日本の経済発展に貢献したQCサークル活動が,中国企業だけで活性化しているのを見るのは大変残念だ.


このコラムは、2010年5月24日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第154号に掲載した記事です。

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日本語人材

 先週末は深圳で勉強会に参加した。
リクルート中国の求人・求職実績データから最近の人材動向に関する分析を講演していただいた。

深圳における日系企業の日本語人材の求人は、2015年下期に大きな落ち込みがあったが、その後順調に回復しているようだ。求人競争は厳しくなっているが、日系企業の勢いが増しているということであり、喜ばしいことだ。中国全土で見ると、特に電気・電子・精密メーカの求人数の増加が多い。

しかし日本語人材の求職者は減少傾向にあるようだ。
では、その日本語人材はどこに行っているのか?講師の説明では中国のスマホメーカに流れているという。
ということは、

  • 中国スマホメーカが技術力向上のために日本人技術者を雇用し始め、通訳の需要が増えている?
  • 中国スマホメーカが日本企業に売り込むために日本語営業を強化している?

非常に興味深い。たまたまエレベータに同乗した講師に直接質問してみた。
私の予測とは全く異なるようだ。

中国スマホメーカに流れている日本語人材は、技術通訳ではない。営業職に就く人が多いという。しかも日本語で営業をする仕事ではない。彼ら、彼女らは日本語能力を活用するわけではないそうだ。日本語能力を捨ててでも、中国スマホメーカに就職したいということだ。

これは衝撃だった。
日系企業に勤めれば、待遇面や福利面で中国企業よりも条件が良い。そのため日本語を学ぶ人があると考えていた。日本語を学んだのにその能力を活用するチャンスがない中国企業に勤めたい人が増えている。
ということは、日系と中国企業間の福利・待遇の差がなくなった、むしろ逆転してしまったということだろうか?
または、経営幹部を日本人が占めている日系企業の「上昇空間」が狭いことによるのだろうか?

福利・待遇を厚くするのは、経営的に限界がある。
何らかの対策を考えねばならないだろう。

私の周りの優秀な日系企業を観察すると、以下のような特徴がある。

  • 日本語人材を雇用するのではなく、優秀な人材に日本語習得のチャンスを与えている。
  • 日本人の経営幹部を減らしている。
  • 能力の高い中国人人材に幹部登用のチャンスを与えている。

日本語人材は日本語のプロであり、必ずしも企業の業務や技術に精通しているわけではない。日本人→通訳→従業員の間で各々50%は情報のロスがある。トータルで25%しか伝わっていないと考えていた方が良いだろう。同じ言語であっても伝言ゲームをすれば、情報の劣化が発生するものだ。であれば、仕事ができる人に日本語を教える方がロスは少なくなる。

以前指導していた日系企業では、部長職の中国人に人事権が与えられていなかった。「部長」という肩書きだけではモチベーションは上がらないし、仕事を通して成長する範囲も狭いだろう。中国人幹部の上昇空間が少なければ、優秀な人財の確保は難しくなるだろう。


このコラムは、2017年9月22日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第566号に掲載した記事です。

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知行一致

 先週日本で録画のまとめ見をしたNHKテレビ「仕事学のすすめ」から気付きをシェアしたい.

建設機械のコマツ会長・坂根正弘氏のダントツ経営

坂根氏は,人材育成のポイントは以下の4点だと,指摘している.

  1. 基本から学ぶ
    コマツの加工機は全てNCマシンになっているが,新人の技能研修には敢えて手動式の旋盤を使用している.手動操作をした方が,旋盤という加工機械の
    原理が理解しやすいからだ.NC機では機械が勝手に動いてしまう.手で加工することにより,頭だけでなく体に切削を覚えこませる.
  2. 学びの場を与え,モチベーションを与える
    坂根氏は,コマツの教育機関・小松高専を復活させている.
    在職中の従業員も,ここで勉強しなおすことが出来る.「自己成長機会」は,モチベーション向上の大きな動機付け要因となる.
    その他にも,ここで学んだ同級生は,社内に,横・斜め方向のネットワークを持つことになる.上下方向の関係しか持たない組織と比べ,縦・横・斜めの
    関係を持つ組織の優位性はいうまでもないだろう.大きな企業ほど,このような非公式組織の存在が必要となる.
  3. 競争力を高める教育
    坂根氏は,コマツの競争源泉はアフターサービス力にあると考えている.
    そのため社内研修もアフターサービスに重点が置かれている.教育は,予算が決まっているから,ISOの年度品質目標に入っているからやるのではない.
    企業の事業戦略にフォーカスした,教育研修をしなければならない.
    市場の景気が悪くなり,売り上げが減ると真っ先に教育予算を削るような会社は,これが理解できていない.このような会社は,活況時にも忙しい事を理由に教育研修の時間を削る.
  4. 後継の育成を意識する
    コマツでは,課長職からトップリーダとしての選抜教育をしている.
    当然各部署から優秀な人材が集まってくる.しかし毎月丸一週間,50日間に及ぶ研修に,ナンバーワンの部下を出すのをためらう上司もいる.
    こういうところから,後継者育成の仕組みが崩れてくる.
    研修対象者の選抜方法を工夫する.研修対象者の人事権を所属上司から取り上げる.などの仕掛けを用意し,仕組みがうまく機能するようにしている.

これらのポイントは「知行一致」に収斂する.
つまり,単に知識を教え込んだだけではだめ,その知識に基づいて,行動するところまで育てなければだめだ,という意味だ.

上述のトップリーダ選抜研修の最後は,現場で行った研修発表をすることになっている.

  • 学びにより知識を得る.
  • 知識を行動に移す能力を得て自信を持つ.
  • 行動により成果を得る.
  • 成果と過程に対し誇りを持つ.

というステップで人は成長する.

誇りを持たせることで成長が血肉となる.
競争力源泉に集中することにより,業績に直結させる.これが「戦略的人財育成」だと考えている.

坂根正弘氏のダントツ経営については,この本↓をご参照いただきたい.
『ダントツ経営─コマツが目指す「日本国籍グローバル企業」』


このコラムは、2011年10月10日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第226号に掲載した記事です。

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